29日、大井競馬場で2024年の最後を締めくくる第70回東京大賞典(GI、ダ2000m)が行われる。
今年は史上2頭目の3連覇へ挑むウシュバテソーロやウィルソンテソーロと、昨年の1、2着馬が揃って参戦。3歳勢からはフォーエバーヤング、ラムジェットが世代交代へ虎視眈々。JRA所属馬が7頭、地方所属馬が3頭の計10頭で争われる、ダート競馬の総決算、その結末を予想する。
◆【東京大賞典2024予想/買い目】人気馬切りで好配当十分 「3連単1着固定の12点」勝負
■ワールドワイドなパフォーマンスは脅威
今年は世界を舞台に活躍してきたフォーエバーヤングに、古馬撃破のシナリオを期待せざるを得ない。今季はサウジダービーを皮切りにUAEダービーと、まずは2カ国のダービーを制覇。続くケンタッキーダービーでは、ハナ+ハナ差の3着と激戦を演じ、日本馬による同レース初制覇まで、あと一歩のところまで迫った。
世代の頂点を決めるジャパンダートクラシックでは、好位から貫録の横綱相撲で快勝。コースの砂を入れ替えた昨年の11月以降、大井の2000mでは最速となる2分4秒1の時計をマークしており、コース適性に疑う余地はない。
前走のBCクラシックでは、ケンタッキーダービーで激戦を演じたシエラレオーネに屈したものの、直線で盛り返すなど、世界の頂上決戦で見せたポテンシャルはメンバー随一。国内では4戦4勝と無敗で、3歳馬は過去10年で【1.1.1.3】と出走数が少ないながらも、複勝率は5割と高い。海外遠征帰りから、間隔が短い点が気がかりなくらいで、まともなら頭勝負で問題ないだろう。
■ウィルソンテソーロに不穏データ続々
フォーエバーヤングの最大のライバルとなるのが、テソーロ軍団だろう。そのうち、若いウィルソンテソーロのほうが、充実著しい。昨年の東京大賞典2着以降も、帝王賞2着、コリアC2着など、なかなか勝ち切れなかったが、2走前のJBCクラシックで悲願のビッグタイトルを獲得。前走チャンピオンズCではダート界の最強馬レモンポップと、ハナ差の接戦まで追いつめ2着好走し、昨年の雪辱へ向けて捲土重来だ。
しかし、データ面では気がかりな点が多い。過去10年で、前年の東京大賞典2着馬の成績は【0.0.0.6】と馬券に絡んでこない。同年のJBCクラシック1着馬は【0.3.1.3】と未勝利、同年のチャンピオンズカップ2着馬も【0.2.0.1】と勝てておらず、突き抜けるまでには至らない可能性が高い。また、直前での転厩も好走してきたリズムを崩す可能性が高く、あまり歓迎できないところ。果たしてどのような結果となるか。
もう1頭、レース3連覇を目指すウシュバテソーロは、今年勝ち星を挙げることができず、7歳を迎えて精彩を欠いている印象だが、崩れたのは前走のBCクラシック10着だけで、サウジC2着、ドバイワールドC2着と力を見せているだけに、国内戦に戻れば上位の力は示せる存在。菅原明騎手のテン乗りという点は懸念材料だが、精神面をうまくコントロールできれば、王者の貫禄を示せるはずだ。
■3連単1着固定で、好配当の可能性十分
フォーエバーヤング、ウィルソンテソーロ、ウシュバテソーロの3頭による首位争いと見るが、有馬記念で3歳のレガレイラが制したように、3歳世代に勢いを感じられる。ここは、世代の頂点からダート界の頂点に上り詰めることを期待してフォーエバーヤングの3連単1着に据えた馬券で勝負してみたい。
一方で「同馬主、同厩舎の2頭出しは人気薄」の格言があるように、2連覇中のウシュバテソーロは相手に入れつつ、大井未勝利で、データ面でも不安材料の多いウィルソンテソーロは、取りこぼす可能性も高いとみて、妙味も考慮するとバッサリ切りたい。
ほかに買い目に入れたいのは、まずはラムジェット。前走ジャパンダートクラシックでは、フォーエバーヤングに完敗の形になってしまったが、新ダート競走体系となった今年の東京ダービーは、圧巻の走りで頂点に立っており、終いの爆発力は脅威の存在。3歳馬ワンツーも十分にありえる。
デルマソトガケは、昨年の3月以来勝ち星から遠ざかっているが、海外を渡り歩き、相手関係も厳しいメンバーばかり。それでも大きく崩れることは少なく、ひとたびかみ合えば、ここでも力は発揮できるだろう。
クラウンプライドは、好走と凡走を繰り返し、成績は極端に激しい面はあるが、2走前のコリアCではウィルソンテソーロに先着しているように、気分良く運べれば上位を賑わせても何ら驚けない存在。大井2000mも経験済みで、相手の1頭に加えておきたい。
東京大賞典2024・買い目
◎(4)フォーエバーヤング◯(10)ウシュバテソーロ▲(3)ラムジェット△(5)デルマソトガケ△(9)クラウンプライド
3連単1着固定(12点)1着:42着:10、3、5、93着:10、3、5、9
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。