大きなエネルギーを要するマラソンには準備が欠かせない。その準備の大切さは高橋さんの「一流選手は、『2日前までに勝負はすでに決まっている』と言います」という発言からも伺える。
とはいっても全ての市民ランナーが長い時間をかけてマラソンに調子を合わせることは難しい。せいぜい数日前からになってしまうことも往々にしてある。そんな状況を把握している高橋さんは、「残り2日間からの準備でも一般の人の試合の結果は大きく変わります」とエールを送った。
「食事のとり方」で結果が変化するのだそうだ。
「本当は一週間かけて調節します。例えば月火水はお肉やお魚などのタンパク質、木金土は炭水化物。しかしもう2日前なので、間に合わない。ですから、できるだけごはんやうどん、おもちなどの炭水化物をとりましょう。私はレース前には、おもちをうどんに入れた『力うどん』をおかずにご飯を食べています」
力うどんにご飯。想像しただけでもエネルギーが摂取できそうだ。続いて高橋さんは他の選手の食事例を紹介した。
2004年のアテネ五輪で金メダルを獲得した野口みずき選手は、「前日にステーキと、いつものごはんを倍くらい食べる」のだという。少し変わり種なのが市民ランナーの川内優輝選手。なんと「マラソン前日にカレーを四杯食べる」らしい。カレーが大好きというわけではなく、一種のゲン担ぎだそうだ。
アルコールを摂取したくなる人にもクギを刺した。
「レース直前かつグアムで、テンションが上がってビールを飲んでしまう方もいるかもしれませんが、アルコールに気をつけて控えめにしてください。我慢をしてその忍耐、根性をマラソンにぶつける…というわけではないです。アルコールを分解するのに水分を必要とするのです。水を飲んでいるつもりでも脱水症状を起こしやすくなるのです」
グアムは3時でも暑いし汗が出る。アルコールは少なめに。もし飲んでしまったら、最低限摂取したアルコールと同じ量の水を飲むべきだという。
レース前、何時までに食事を終えたらいいだろうか。
「私は3時間半まえには食べ終えるようにしていました。野口選手や川内選手は4時間前までに食べ終えるそうです。グアムマラソンは深夜スタートのため時間調整が難しいですが、2時間半前までにごはんを食べ終えるのがおすすめです」
「お腹が空くので、前日までに菓子パン、カステラなどを調達しておいて、3時間前までにごはんを食べてから、その後ちょこちょこ補給するようにしましょう。菓子パンは軽いので、お腹が痛くなるのを抑えられます」
EXPOにて高橋尚子さんのトークショー始まりました!#CYCLEヤマモト #ユナイテッドグアムマラソン pic.twitter.com/ZXSan9C4EI
— CYCLE-やわらかスポーツ (@cyclestyle_net) 2017年4月7日