宮脇選手にフェンシングとの出会い、競技の魅力、オリンピックへの想いなどを聞いた。
その1:5歳で「気づいたら剣を握っていた」
---:道具へのこだわりはありますか?
宮脇花綸選手(以下、敬称略):シューズは重要ですね。ナイキを履いていますが、私は足(の甲が)がまっすぐな細い感じです。ナイキは細身なタイプなのですごく自分の足にあっていると思いますね。軽くて、底も分厚くないので。
あとは(剣の)握り手の部分。私は手がすごく小さいのですが、フェンシングの道具は海外で作られていて、外国人用の大きさなので私の小さい手にはあいませんでした。
そこで静岡にある自動車の部品を作っている工場の方にお願いして、私の手にあった薄いものを特別に作ってもらって、それを使っています。そういうところは手の感覚もあるので重要だと思います。
---:なぜ自動車部品の工場なのでしょう?
宮脇:最初は鋳物屋さんを探していたのですが、知り合いの方にこういうところがあるよと教えていただきました。
---:1日の練習時間はどれくらいですか?
宮脇:午前は9時半~13時、午後は16時~20時くらいです。トレーニングはだいたい半日で3時間半くらいです。大学に行ったら半日練習、行かなかったら1日練習ですね。
---:生活はほぼフェンシング浸けですね。
宮脇:そうですね。日曜日はけっこう休みがあるので、教習所に行ったりとかしています(笑)。
---:小説など本もよく読まれているそうですね。
宮脇:遠征中は読みますね、飛行機の時間とかで空いてるときに。私、ミステリーしか読めないんですよね。
ひとつ悩みがあって、読んだらすぐに忘れちゃうタイプで「この本面白かった!」というのは憶えているんですけど、「結末どうだった?」と言われるとけっこう忘れちゃいます(笑)。ミステリは「おおッ~」っていうような驚きがあるので面白いですね。
宮脇花綸選手
---:読書好きの宮脇選手ですが高校時代は理系だったそうですね?
宮脇:理系が好きだったのですが、高校になってからフェンシングにかける時間が多くて、勉強にあまり取り組めない状況になって。高校3年生のときに微積分が全然できず、大学でフェンシングをするなら理系に進むのは難しいということで経済学部にしました。
---:休日の楽しみを教えてください。
宮脇:今年(2015年)の私のブームは「ナン」なんですよ、インド料理の食べるナン。すごく好きで、けっこうな頻度で(お店に)行って、ナンだけテイクアウトして、家でナンとおかずを食べるとか。
---:ご飯の代わりですか?
宮脇:そうなんです(笑)。でも、家の近くに美味しいナンのお店がなくて、自分で作るしかないと思って、今年(2015年)のクリスマスプレゼントは「ナン窯」を頼んだんです。
物欲がなくて誕生日プレゼントとか6年間くらい頼んでいなかったんですけど、久しぶりに父と母に「ナン釜を買ってほしい」とお願いしました。
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