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【陶芸家と布作家の夫妻の食卓】大きな蒸し器にほかほかパン、 朝採れ野菜で1日が動きだす。

自然と共存しながら創作活動を続ける陶芸家と布作家の夫妻。朝に食べるお気に入りのパンと採れたて野菜が元気の源でした。

撮影・三東サイ

(左)小野哲平さん 陶芸家 (右)早川ユミさん 布作家
(左)小野哲平さん 陶芸家 (右)早川ユミさん 布作家

高知県東部、標高450mの山あいで暮らす陶芸家の小野哲平さんと布作家の早川ユミさん。眼前に美しい棚田が広がるなかに母屋と仕事場兼工房、2つの焼き物の窯が並ぶ。かの地に住んで20年目を迎えるふたりには、朝の食卓に昨年から加わったパンがある。

それはお隣、徳島県の神山町にある『かまパン&ストア』(以下『かまパン』)のパン。

「僕らと同じように四国に移住してきた若い人たちが、きちんと地元の人と関わりを持ちながらパンを作っているので、応援したくなったんです。食パンやバゲットは毎日食べても飽きないですし、体にも優しい味だと思います」(小野さん)

『かまパン』は、徳島県名西郡神山町で役場と地域住民が一緒になって立ち上げた「フードハブ・プロジェクト」の一環で、昨年3月オープンしたパンの店。〝地産地食〟を方針にパンを介して、地元に長年伝わる食文化や農業を次世代につなげている。

蔵と石塀だけが残されていたところに、工房と母屋を新しく建てた。
蔵と石塀だけが残されていたところに、工房と母屋を新しく建てた。
くわを使って畑に植えたブロッコリーを収穫。この日は茹でて食卓に。
くわを使って畑に植えたブロッコリーを収穫。この日は茹でて食卓に。
母屋の裏手にある畑から収穫したにんじん。この日はフレッシュジュースに。
母屋の裏手にある畑から収穫したにんじん。この日はフレッシュジュースに。
蔵と石塀だけが残されていたところに、工房と母屋を新しく建てた。
くわを使って畑に植えたブロッコリーを収穫。この日は茹でて食卓に。
母屋の裏手にある畑から収穫したにんじん。この日はフレッシュジュースに。

販売している食パンは、湯でこねた通常より多めの生地と神山町で育てた自家培養発酵種を使い、もっちりずっしりとした味わいのあるパンになっている。自社の農業チームが育てた特別栽培の米を20%使用したバゲットも、米粉ならではの味わいが楽しい。小野さんはプロジェクトスタッフの一員で、東京から神山町に移住してきた支配人の真鍋太一さんを以前から知っていたこともあり、お店ができた時から注文するようになったという。

「地元に昔から伝わる在来種の小麦を使っているカミヤマ100というパンもほどよく酸味が効いていて、本当に美味しいんです」(早川さん)

いっぽうで、朝のパンとして長年食べているのが神奈川・鎌倉にお店がある『パラダイス アレイ ブレッド&カンパニー』(以下『パラダイス アレイ』)のパン。

この日は、生地に竹炭とカカオを練りこんで作った巨大なパンとご対面(一番上の小野さん写真参照!)。こちらのパンの好きなところは、味はもちろん、ふたりの共通の知人である店主の勝見淳平さんのパンへの思いや取り組み方に共鳴していることもある。

「淳平くんのパンは、酵母菌を通して、お腹のなかから社会を変えるという思想的なパンなんです。濃厚なワインのような酵母の香りと、もちもちしたグルテンの強さを味わうと、お腹のなかで酵母菌が発酵して、腸が喜ぶんです」(早川さん)

 パンを切って蒸すだけ。 不思議と美味しく食べられる。長男で陶芸家の象平さん(左)、小野さんの弟子のハンさん(右手前)、早川さんの弟子のキョウさん(右奥)。
パンを切って蒸すだけ。 不思議と美味しく食べられる。長男で陶芸家の象平さん(左)、小野さんの弟子のハンさん(右手前)、早川さんの弟子のキョウさん(右奥)。

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