こんにちは。kubell iOSアプリ開発部の福井 ( @tinpay ) です。
こちらは、kubell Advent Calendar 2024 19日目の記事となります。
こちらの記事では、プロジェクトを進める上で欠かせない「スコープマネジメント」をテーマに少しお話しさせていただこうと思います。
「それってマネージャーがやることでしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、実はそんなことはありません。スコープマネジメントは、チーム全員が意識することでプロジェクトの成功率がぐっと上がる、とても重要な要素です。
この記事では、弊社iOSアプリ開発部での実践例を交えながら、チームで行っているタスクの分割方法や取り組み方をご紹介します。
プロジェクトを進める上で大事なスコープマネジメントのお話
プロジェクトを進めるとき、開発業務そのものとは別に考えるべきことってたくさんあります。
「どこまで機能を盛り込むべきか?」
「どれくらいコストをかけるのか?」
「いつまでに終わらせる必要があるのか?」
「ステークホルダーとはどうやってコミュニケーションを取るべきか?」
「リスクにはどんなものがあるのか?」
その中で今回は、"スコープマネジメント"について、弊社iOSアプリ開発部でどんな取り組みをしているのか実例をもとに書いていきます。
そもそもスコープマネジメントってなに?
簡単に言うと、「このプロジェクトで何をやるのか、何をやらないのか」をきっちり決めることです。
例えば、弊社の開発には大きく2つの軸があります。
- 事業戦略を元にした新機能の開発
- 事業成長を見据えた開発基盤の構築やリアーキテクチャ
どちらの場合でも、プロジェクトが「どんな状態になったら完了するのか」を明確にする必要があります。ただ、それだけでは曖昧になりがちです。要件定義やテスト仕様書だけじゃなく、運用ドキュメントや事前調査・検証が必要なこともありますよね。
そのため、プロジェクトの開始時や要件が決まった段階で、必要な作業を洗い出す作業を行っています。
WBSを使った作業の見える化
弊社では、この必要な作業の洗い出しにWBS (Work Breakdown Structure) を活用しています。
といっても、ガントチャートみたいな複雑なものを作るわけじゃありません。プロジェクトの成果物やフェーズ終了時の状態定義を基にして、その言葉通り、作業(Work)を分解(Breakdown)し、構造化(Structure)していきます。
- このフェーズが終わったら、どんな成果物が残る?
- それを実現するために、具体的にはどんな作業が必要?
こうして、タスクを一つひとつ細かく分解していきます。ポイントは、これを開発メンバー全員で行うことです。複数人でやることで、作業漏れが減り、必要なことをしっかり見える化できます。
部署合宿でWBSとリスク管理を学ぶ
こうしたスコープマネジメントのスキルをチーム全体で底上げするために、先日iOSアプリ開発部の部署合宿を実施しました。(”合宿”とは、チームメンバーが拠点1箇所にオフラインで集まり、チームビルディングやワークショップを行っている会のことをいいます)その中で、WBSやリスク登録簿を作るワークショップを開催しました。( @terry & @ryu_develop が企画、開催 )
目的は、開発メンバーが自分たちでタスク分解やリスク管理をしっかり行えるようになることです。
ワークショップでは、「美味しいカレーライスをつくる」プロジェクトのロードマップを作成するところまでを実施しました。
- カレーづくりの各工程における必要な作業を洗い出し、WBSを作成
- 作業ごとに見積もりを行う
- ガントチャートを作成する
- 作る上でのリスクをリストアップ
といった手順で進めました。
「PMBOKをマスターしてみんなプロジェクトマネージャーになろう!」みたいな壮大な目標を掲げているわけではありません。あくまで開発を円滑に進めるための実践的な知識を身につけることが目的です。
小さな一歩から始めてみる
プロジェクトマネジメントって、なんだか大掛かりで難しそうなイメージがありますよね。でも、マネジメント一つ一つの手法をみていくと実はそんなことはなく、開発に役立つものも多いです。チームの中で、小さな開発プロジェクトから試してみるのはおすすめです。
たとえば、WBSを使ってタスクを分解してみる。リスクを書き出してみる。それだけでも、「なんとなく進める」から「計画的に進める」へと大きく変わります。
ぜひ、プロジェクトマネジメント手法を小さく取り入れて、次のプロジェクトに取り組んでみてください!