リッキー・マッドさんは5歳の時に米国人家族に養子として引き取られた Photo: Jovelle Tamayo for WSJ

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ウォール・ストリート・ジャーナル(米国)

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Text by Liyan Qi

「消えた少女」中国一人っ子政策に引き裂かれた家族


リッキー・マッドさんが生まれた1993年の中国では一人っ子政策が実施されていた。彼女は幼少期のことを断片的にしか覚えていないが、袋に隠されていたこともあったと聞いている。

マッドさんは5歳の時に中国の孤児院から養子として米国のある一家に迎えられた。中国から外国に送られた子どもは(過去30年の累計で)15万人を超え、その大半は女児だった。欧米では、中国の一人っ子政策の特に目に見える結果の一つが、こうした子どもたちだった。一人っ子政策は2016年に廃止された。中国政府は今月、国際養子縁組を禁止した。

中国は、少子化と急速な高齢化という人口危機に直面している。人口抑制政策は反対方向の新たな政策に取って代わられた。だが一人っ子政策は、出産適齢期の女性の不足という負の遺産を生んだ。 

強制的な中絶・不妊手術につながった政府の法令により、何百万人もの女児がこの世に生を受けられなかったり、当局の目から隠されたりした。その過程で中国の男女比はますます偏っていった。国連のデータによると、中国の新生児の男女比は1980年が106対100だったが、2004年には117対100となった。
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