オーストリア国民議会選挙で第一党となった自由党のキクル党首(中央) Photo: Sean Gallup / Getty Images

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デア・シュタンダート(オーストリア)ほか

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Text by COURRiER Japon

困難な新政権樹立


9月29日にオーストリアでおこなわれた国民議会(下院)選挙では、極右政党の「自由党」が躍進し、第一党となった。

現在の政権を担う中道右派の「オーストリア国民党」と環境政党「緑の党」の連立与党は過半数を失った。

一方、自由党も過半数の議席を取るには至らず、連立協議の行方が注目される。

現首相で国民党党首のカール・ネーハマーは、自由党がヘルベルト・キクル党首を首相に据えないのなら、自由党と連立政権を組んでもよいと示唆している。自由党は2000〜2005年と2017〜2019年に国民党首班の内閣で政権入りしたことがある。ヘルシンキ大学の東欧研究者カタリン・ミクロシーは中東メディア「アルジャジーラ」に対し、この形の連立政権が穏当で賢明な選択だと分析している。


「移民」よりも目立つ主張


自由党の主張で特徴的なのは、移民に対する厳しい姿勢だ。不法入国者の強制送還の徹底、難民認定の厳格化、難民の国籍取得の阻止などを掲げている。

ただ、移民に対するより厳しい姿勢は国民党も主張しており、この点では連携が不可能ではなさそうだ。国民党と自由党が相容れない点はほかにある。

まず、ウクライナをほかの欧州諸国とともに支援し、ロシアへの依存度を減らそうとしてきた国民党とは異なり、自由党は親ロシアの立場を明確にしている。
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