Category Sponsor

SMBC
水素カーが電気自動車を超える時代は来るのか? Photo credit should read CFOTO/Future Publishing via Getty Images

水素カーが電気自動車を超える時代は来るのか? Photo credit should read CFOTO/Future Publishing via Getty Images

画像ギャラリー
ガーディアン(英国)

ガーディアン(英国)

Text by Jasper Jolly

トヨタ自動車が電気自動車に取り組むことが遅れた理由として、同社が水素カーにこだわっていたという見方がある。英紙はトヨタが心血を注ぐ水素カーに勝ち目はないという。その理由についてまとめた。

水素カーはEVを超えるか?


水素は魅力的な物質だ。もっとも軽い元素で、酸素と反応すると水のみを生成し、豊富なエネルギーを放出する。目に見えないこのガスこそ、未来のクリーン燃料にふさわしく見える。世界トップクラスの自動車メーカーのなかには、排ガスをいっさい出さないゼロエミッション車の次世代技術として、水素がバッテリーの座を奪うことを期待している企業もある。

これまで本紙「フィナンシャル・タイムズ」は、電気自動車(EV)の火災リスクからバッテリー材料の採掘問題、航続距離の不安、コストの懸念、カーボンフットプリントまで、EVのさまざまな課題を取り上げてきた。電気自動車を批判する人々の多くは、ガソリンやディーゼルエンジンの使用を全廃すべきではないと主張している。そこで今回は、次の問題を検証する。

「水素は第3の道を提供し、バッテリーを凌駕できるのか?」

自動車産業における水素の役割をもっとも強く主張しているのは、業界の中心にいるトップ企業の経営者たちだ。なかでも日本のトヨタは水素をもっとも声高に支持している。同社の豊田章男会長は2024年1月、EVのシェアは30%で頭打ちとなり、残りは水素エンジン車と内燃機関車が占めるだろうとの見方を示した。トヨタの「MIRAI(ミライ)」は、韓国ヒョンデのSUV「NEXO(ネッソ)」と並んで、市販されている数少ない水素自動車の一つだ。

ドイツの自動車メーカー、BMWのオリバー・ツィプセ社長は2023年、「排出ガスを出さない自動車にとって、水素はジグソーパズルの欠けたピースだ」と述べて、水素エンジンに対する期待を示した。BMWはバッテリー技術に多額の投資をしている一方で、水素燃料電池車「BMW iX5」の実証実験を続けている(ただし、使用しているのはトヨタ製燃料電池)。ツィプセ社長は、「世界中で気候中立(温室効果ガス排出量を実質ゼロ)の自動車を実現するには、たった一つの技術では不充分です」と主張する。


水素の可能性

残り: 3277文字 / 全文 : 4339文字
無料会員になると記事のつづきが読めます。

さらに有料会員になると、すべての記事が読み放題!

無料登録で「特典」を利用しよう

無料会員に登録すると、毎月2本まで

プレミアム会員限定記事が読めます。

プレミアム会員について詳しく見る

オススメのプレミアム記事

読者のコメント 0
コメントを投稿するには会員登録が必要です。
クーリエのプレミアム会員になろう クーリエのプレミアム会員になろう
ガーディアン(英国)

ガーディアン(英国)

おすすめの記事

loading

表示するデータはありません。

注目の特集はこちら

loading
    • {{ item.type }}
    • UPDATE

    {{ item.title }}

    {{ item.update_date }}更新 [{{ item.count }}記事]

表示するデータはありません。