Photo: Pakin Songmor / Getty images

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フィナンシャル・タイムズ(英国)

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Text by Henry Mance

タイムマネジメントに関するアドバイスは世に溢れているが、実際にはストイックすぎて継続不可能なものも多い。自分の心と体にとって、本当に健康的なタイムマネジメントとはどんなものなのか? ベストセラー『限りある時間の使い方』の著者オリバー・バークマンに聞いた。

いままでと同じやり方じゃ、どうせうまくいかない


終わりのないToDoリストに悩んでいないだろうか? そんなとき、LinkedInや自己啓発系ポッドキャストでよくある解決策は、効率を上げろというものだ。

朝は5時に起きる。スケジュールは15分刻みで管理し、メールはこまめにすぐ返信する。アイアンマンレースに向けたトレーニングをしながら、中国語の勉強もする。自己管理を徹底して、たくさんの会議や人脈作りのコーヒータイムを詰め込み、家族との時間も大切にする。

だが、みんながこれに納得するわけではない。「こんなふうに時間との戦いに勝つことはできません」と話すのは、ライターのオリバー・バークマンだ。

彼は悪い知らせから始める。あなたの人生はそれほど長くない。彼の人生もそうだ。それは誰だって同じだ。欧米人の平均寿命は4000週。運が良ければもっと長い。ヘンリー・キッシンジャーは5244週生きた。それでも52週(1年)はあっという間に過ぎる。

どんなに楽観的な「今年の目標」を立てたとしても、ほかにいろいろやることがあって結局それは達成できそうにないと、あなたは経験から知っている。

「いままでと同じやり方で新年の目標を立てても、どうせうまくいきません」とバークマンは言う。

バークマンは現在、「BBC Maestro」で時間管理のオンライン講座をおこなっている

「全部はできない」と認める


これを聞いて暗い気持ちになるかもしれないが、バークマンの主張は逆だ。

時間が有限であると知ることで、私たちは正気を取り戻し、人生の意味を見つけられると彼は言う。そして、一日のタスクをすべてやりきるにはどうすればいいかを考えなくても済むようになる。なぜなら、多くの場合、それは現実的に不可能だからだ。
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