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ビットコインが不死身な理由とは Photo illustration by Chesnot/Getty Images

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エコノミスト(英国)

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米国証券取引委員会(SEC)は2024年1月初旬、代表的な暗号資産であるビットコインを運用対象とする上場投資信託(ETF)の上場申請を初めて承認した。これに伴って再びビットコイン価格が上昇している。しかし、この承認がなされる前の2023年秋頃からビットコイン価格は上昇基調にあった。FTXやバイナンスといった大手暗号資産のトップ逮捕が続いたなかで、なぜビットコインは買われたのか?

ゴキブリ並みの生命力


頭を切り落としてもムダだ。ゴキブリは頭がなくても1週間は生きられる。強く叩いても死ぬ保証はない。彼らの柔軟な外骨格は曲げることができ、体重の900倍の重さにも耐えられる。トイレに流しても解決策にはならない。種類によっては、30分以上呼吸を止めることができる。大半の人にとって、ゴキブリは歓迎されざる害虫だ。しかも不死身であるがゆえに、その存在はいっそう忌まわしい。

ゴキブリのような「歓迎されざる害虫」といえば、どれだけ多くの金融業者や規制当局が、暗号資産をそう形容したことだろう。犯罪者は資金洗浄に暗号資産を使う。テロリストは決済にそれを使う。ハッカーは身代金をビットコインで要求する。さらに、多くの暗号資産は、単に開発者が資金を持ち逃げできるように作り出されたものだ。

また、この業界は不滅にも見える。2022年、金利上昇によって暗号資産の価格は暴落した。業界の首(トップ)はまさに切り落とされた。かつて世界最大および第2位の暗号資産取引所の創業者であるジャオ・チャンポンとサム・バンクマンフリードは、二人揃って金融犯罪(それぞれ反マネーロンダリング法違反と詐欺罪)の判決待ちだ。規制当局は取り締まりを強化しているにもかかわらず、暗号資産は消滅しないばかりか、再び急騰している。2023年12月11日、ビットコインは年初の1万6600ドル(約240万円)から、2年ぶり高値となる4万5000ドル(約650万円)近くまで上昇した。

ビットコインが不死身な2つの理由

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