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トヨタ自動車の佐藤恒治社長 Photo: Tomohiro Ohsumi / Getty Images

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フィナンシャル・タイムズ(英国)

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Text by David Keohane, Kana Inagaki and Peter Campbell

中国や欧米で普及が進む電気自動車(EV)での出遅れを指摘されるトヨタ。同社による全固体電池の開発におけるブレークスルーがいま注目を集めている。しかし、遅れを取り戻そうとするトヨタには、生産現場での変革も求められている。

競争力を失う「ジャスト・イン・タイム」


EVの新時代になり、年間販売台数が世界最大の自動車メーカーであるトヨタはテスラに追いつこうとしている。そのための戦いは、自動車製造ビジネスの最も古い部分である組立ラインで起きている。

トヨタは全固体電池の技術的ブレークスルーを達成したと主張し、米国のEV用バッテリー事業へ80億ドル(約1兆2000億円)を追加投資した。米国のEV市場でのこの賭けは、テスラに対抗する能力があると投資家に示すためのものだろう。

しかし、トヨタは製造現場でも、世界で時価総額が最も高い自動車メーカーであるテスラに揺さぶりをかけられている。テスラは自動車生産を簡素化・迅速化したパイオニアで、車種と部品の数を絞ってきた。最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスクは、自動車の組み立てプロセスをバッテリーEVに合わせて刷新する必要があると主張してきた。

テスラは「ギガキャスティング」と呼ばれる新たな生産方式を生み出した。それが自動車づくりの新たなベンチマークとなり、トヨタが生んだ「ジャスト・イン・タイム」方式に代わると考える自動車業界の幹部やアナリストもいる。トヨタは、同方式で毎年何百万台もの多種の車両を生産してきた。

「トヨタのやり方が自動車生産の標準方式とされてきました。テスラが提案するやり方がEV生産の標準方式になれば、とても衝撃的です。そうなれば日本の自動車生産に与える影響は計り知れないでしょう」
残り: 3408文字 / 全文 : 4138文字
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