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ガーディアン(英国)

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Text by Emma Graham-Harrison

一列に並んだ若い女子体操選手たち一人ずつの首にメダルをかけていく審判。だが黒人の少女の前だけ素通りして、彼女にメダルを与えなかった──これは2022年3月にアイルランドで開催された競技会での表彰式の動画だが、数日前からツイッターで拡散され、国際的な批判を浴びている。


カメラマンやコーチなど、その場にいた大人の誰も介入することなく、黒人の少女はまるでそこに存在していないかのような扱いを受けた。彼女は「えっ、どうして?」と困惑と悲しい表情を浮かべている

少女の家族によれば、アイルランド体操協会からはこの1年半、公式な謝罪はなかった。さらに協会は、この事件を調査したり有色人種の選手を守ろうとする取り組みもおこなわず、体操競技における制度的人種差別の問題に向き合っていないという。

「小さな女の子をこんなふうに扱うなんて信じられません」と少女の母親は語る。

この事件が起きた直後、米女子体操選手で五輪金メダリストのシモーン・バイルスは、少女の家族に連絡を取り、彼女を勇気づけるビデオメッセージを送ったという。

そして今月、問題の動画が再びネットで拡散されると、バイルスはX(旧ツイッター)で公に批判した。

「この映像を見ると、胸が張り裂けそうです。どんなスポーツでも人種差別は絶対に許されない」

遅すぎるし、核心に触れない謝罪


国際的な怒りが高まるなか、アイルランド体操協会は9月22日に声明を発表。それによれば、事件後に少女の家族に対して「懸念を表明」し、問題の職員(審判とみられる女性)からの謝罪文書を「届けた」とのことだ。

しかし少女の母親に言わせれば、アイルランド体操協会という組織からの公式な謝罪文が届いたのは事件から1年半も経った9月24日のことだったという。
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