実写版の配信に先駆け、カリフォルニア州のサンタモニカ・ピアで開催されたイベントに参加した『ONE PIECE』作者の尾田栄一郎Photo: Yuri Hasegawa / The New York Times

実写版の配信に先駆け、カリフォルニア州のサンタモニカ・ピアで開催されたイベントに参加した『ONE PIECE』作者の尾田栄一郎
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ニューヨーク・タイムズ(米国)

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Text by Charles Solomon

8月31日からネットフリックスで配信がスタートした実写版『ONE PIECE』。それに先駆けて、本作の製作総指揮も務めた原作者の尾田栄一郎に、米紙「ニューヨーク・タイムズ」がインタビュー。『ONE PIECE』キャラクターの成り立ちや主人公ルフィのキャスティング、実写化を受け入れるきっかけとなった作品などについて聞いた。

──『ONE PIECE』という、社会現象となるほどの大人気マンガ・アニメシリーズを実写化するにあたり、何が大事だと思われますか?

マンガの実写化は、原作を逐一再現していけばいいというものではないんです。原作のファンが、キャラクターやそれぞれの関係性の何を愛しているのか。これを真剣に考えて、ファンの愛する要素に忠実であることがとても大切です。

優れた実写化作品は、ストーリーをそれほど変える必要がないんです。原作の読者が納得するような形で、役者がキャラクターを再現できるのが何より大事。今回、そこはうまくいったと思うので、視聴者のみなさんにもぜひ受け止めてほしいですね。


ルフィはなぜあの顔なのか?


──小学生のときからマンガ家になりたかったとおっしゃっていましたよね。『ONE PIECE』はどのようにして始まったのでしょうか?

最初は、自分が子供の頃に読みたかったマンガを描こうとしたんです。やってみると、注目されそうもないものしか描けなかったんですよね。ヒーローがいっぱい出てきて悪魔と戦って世界を救う、みたいな。この手の話はもう市場に溢れていたんです。

それとは違うけど、何か近しいものを描きたかった。そのとき、僕がそこまで来れたのは、たくさんの人に支えられ、助けられたからだってことがよくわかったので、友情が中心的なテーマになりました。

──物語の主人公モンキー・D・ルフィは、伝説の秘宝「ワンピース」を手にいれて海賊王になろうと決意します。ルフィは思いやりがあり、陽気で、仲間のためなら必死になれるキャラクターですが、決して二枚目ではありません。どんなふうにして彼をデザインされたのでしょうか?

海賊のマンガが描きたいというのははっきりしていたので、この役割からパッと思いついた少年を描いてみたんです。それから冒険が進むにつれて、いろんなタイプの海賊が出てくるだろうと思ったので、ルフィの顔はすごく簡単に描けるものにしました。後々、自分のサインにルフィの顔を書くことになるんだけど、これが楽なんだよね。

──考古学者のロビンや航海士のナミなど、強くて有能な女性たちが物語に登場する点で、『ONE PIECE』は他の冒険マンガと一線を画しています。
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