Photo: Tom Werner / Getty Images

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ナレッジ・アット・ウォートン(米国)

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Text by Knowledge at Wharton Staff

男女ともに30代半ばになると生殖能力が低下し、子供を持ちにくくなることが知られている。しかし、現代ではより多くの人が高い教育やキャリアを求め、特に女性は結婚や出産を遅らせるようになった。しかし、そうすることで女性の結婚相手としての魅力はどう変化するのか、米ペンシルベニア大学ウォートン校で研究が行われた。

結婚相手としての魅力と生殖能力の関係


米ペンシルベニア大学ウォートン校のコリン・ロー准教授は、新たな研究結果を発表した。そこで導き出されたのは、女性が年齢を重ねても恋愛の相手として魅力的であり続けるには、1歳ごとに年収が7000ドル(約90万円)多くなければいけないということだ。

ビジネス経済学と公共政策の教授であるローは、2つの論文を書き上げている。そこで明らかにされたのは、「受胎資本」という生殖能力の経済的価値だ。また、女性が教育やキャリア形成に時間をかけることで失うものについて考察している。

最初の論文『バイオロジカル・クロックに値段をつける─年齢を重ねる女性の結婚市場におけるコスト』は、米学術誌「ジャーナル・オブ・レイバー・エコノミクス」に掲載予定だ。そこで分析されたのは、男女ともに年齢が上がって生殖能力が低下すると、結婚相手としての魅力がどう変化するかだ。そのためにマッチングサイトを使ったユニークな実験が設計された。

ローはこの研究について次のように語る。「バイオロジカル・クロック、つまり妊娠可能な年齢の限度が、女性の生き方にどれほど影響するかという話はよく聞かれます。しかし、これまでの研究には欠けていた点がありました。それは、男性も子供を持ちたければ、経済面でのマイナスを受け入れるという考え方です。誰と結婚するかというのは、もっとも重要な経済的な決断の一つです。結婚する相手の年収が5万ドル(約650万円)、あるいは50万ドル(約6500万円)なのかによって、経済面での満足度は大きく変わってきます」
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