日本のキラキラネームに海外からも疑問の声が Photo : Jamie Grill via Getty images

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サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(中国)

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Text by Julian Ryall

日本の「キラキラネーム」は海外から不思議な風習と捉えられているようだ。親が不思議な名前を子供につけようと考える背景を、香港紙が迫った。

子供にキラキラネームをつけるワケ


日本の親たちが生まれてくる子供の名前を考えるとき、代々広く共有してきた原則は「無難」であった。なにせビジネス、学校、世間、その他生活のあらゆる局面において、「出る杭は打たれる」が信条だった国である。

だが、子供の名前の流行を調査したある研究論文が、日本の親たちの間で我が子にユニークで個性的な名前をつける傾向が強まっていることを明らかにした。長年の慣習からのこの緩やかな脱却は、日本社会のさまざまな領域に見出されるより大きな変化を反映した、重要な指標の一つかもしれない。

この論文は東京理科大学助教・荻原祐二が学術雑誌「カレント・リサーチ・イン・エコロジカル・アンド・ソーシャル・サイコロジー」(環境・社会心理学の最新研究)で発表したもので、日本における子供の名前の流行を1979年から2018年にかけて調査している。

明治安田生命による毎年の調査によれば、1979年に生まれた男の子で最も多かった名前は「ダイスケ」、女の子では「トモコ」であった。2018年の時点でこうした伝統的な名前は激減し、代わって男の子では「レン」、女の子では「ユズキ」と読ませる漢字の名前が最多となっている。

本紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」の取材に対し、荻原は「1979年から2018年にかけて発行された地方自治体の回報に記されている新生児の名前を調べると、日本ではこの40年で個性的な名前の割合が増えていることがわかり、これは個性尊重・個人主義の台頭を示しています」と語る。

「こうした名前の増加は1980年代から観測され、この傾向が新しいものではないことを示していますが、日本文化が時代とともに個人主義的になってきたことは確かです。今日(こんにち)では、社会への順応や相互依存よりも、個性や自立に重きが置かれるようになっているのです」


荻原は以前の業績において、日本は昔のほうが均一化されており、最近ではそこに変化が起きていることを示していたが、今回の結果もそれに一致している。この傾向は、一人暮らしをする人々の増加や、三世代以上が世帯を共にする家族の割合の減少、離婚率の増加などにも顕著だ。
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