2021年10月10日、スペイン・シッチェスで行われた映画祭に出席した『竜とそばかすの姫』監督の細田守
 Photo: Borja B. Hojas / WireImage

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ニューヨーク・タイムズ(米国)

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Text by Charles Solomon

米紙が日本の近年の作品を振り返りながら、「アニメで最も複雑なヒロインは日本にいる」と題した記事を掲載。実際に監督に話を聞き、アメリカの作品と対比させながら、その理由に迫っている。

アメリカのヒロインより複雑で深い


現在、映画における女性の描写をめぐる議論が広まっているが、日本のトップ・アニメーターは、アメリカのアニメーターよりも重層的で複雑なヒロイン像を長年にわたって作り上げてきた。こうしたヒロインは、欠点や弱さを抱え、短気でありながらも、強さや才能も備えている。

細田守の『竜とそばかすの姫』(2021年)に登場する鈴は、多くの10代の若者と同様、ネット上の世界に比べて見劣りする日常を送っている。自身の分身である「ベル」は仮想世界<U(ユー)>で人気の歌姫だが、現実の鈴は田舎の内気な高校生だ。

しかし、ベルの音楽には、子供を救うために氾濫した川で溺死した母親の死をはじめ、鈴が経験した愛情や痛みが反映されており、耳の肥えたリスナーを惹きつけている。


『竜とそばかすの姫』の予告編
残り: 3158文字 / 全文 : 3617文字
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