沖縄県・普天間基地の米軍兵士たちPhoto: Kosuke Okahara for The Washington Post

沖縄県・普天間基地の米軍兵士たち
Photo: Kosuke Okahara for The Washington Post

ワシントン・ポスト(米国)

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Text by Alex Horton

2019年4月13日に沖縄で起きた米兵による日本人女性殺害事件を受けて、米紙「ワシントン・ポスト」が世界各地にある他の米軍駐屯地との違いを分析。沖縄と本土の関係や、米軍のマニュアル体質などに迫る。

米紙が報じた「沖縄の米兵犯罪」


駐留米軍兵士による犯罪は世界各地で後を絶たないが、日本の沖縄県でまた痛ましい事件が起きた。2019年4月13日、米海軍兵と日本人女性の遺体が沖縄県北谷町のアパートで見つかったのだ。

米軍の情報紙「星条旗新聞」によると、容疑者であるガブリエル・オリベロ3等兵曹(32)は知人の日本人女性を刺し殺し、その後、心中をはかったという。地元住民はこの事件に激しい怒りを表しており、在沖縄米軍との亀裂が深まることは避けられない。

海兵隊当局者によれば、2019年1月の時点で米憲兵隊と沖縄県警はすでにオリベロ3等兵曹による女性への暴力を把握していたという。

だが、これに関して海兵隊のスポークスパーソンであるデイビッド・マンチラ中将は「被害女性からの協力が得られなかったため、沖縄県警は積極的に関与しなかった」と説明。海兵隊はオリベロ3等兵曹に女性への接近禁止令を出していたという。

この事件は、米軍が沖縄で関与した凶悪事件のひとつに過ぎない。地元住民、そして米軍関係者はこうした犯罪に、数十年にわたり激しい怒りを抱いている。地元住民が苦しんでいるのは暴力行為だけではない。米軍機の騒音や環境汚染など、基地がもたらす負担にも彼らの不満は鬱積している。

市街地にある普天間基地の騒音も問題になっている
Photo: Kosuke Okahara for The Washington Post


マンチラ中将は「あまりにも悲惨な事件であり、事件の捜査に全面的に協力したい」と述べたが、捜査を担う米海軍犯罪捜査局は事件に対するコメントを控えた。

沖縄は他のどの米軍駐屯地よりも「過敏」

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