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'); document.write('
'); }
特集記事

shared_ptrによるObserverパターンの実装

── ついでにBridgeパターンも


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ダウンロード サンプルファイル (18.1 KB)

 C++0xのshared_ptrを使って、ガベージコレクタのないC++で、少し実用的なObserverパターンを実装してみます。また、Bridgeパターンでコードをさらにブラッシュアップさせます。

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 WindowsをはじめとするGUIの普及によるものか、Observerパターンは数あるデザインパターンの中でも適用頻度の高いものの一つです。GUIアプリケーションではキー入力やボタンクリックといったイベントを受理したときの処理(イベントハンドラ)を定義し、イベントとイベントハンドラとの対応付けを行っておきます。そうすることでイベントに応じた処理、すなわち「イベントに反応する」ことができます。イベントとイベントハンドラとの対応付けに用いられているのがObserverパターンというわけ。

step-1: SubjectとObserver

 Observerパターンでは2つのクラス、SubjectとObserverが関与します。Subjectはイベントの発行元、Observerがイベントに反応するハンドラの基底クラスとなります。Observerにはあらかじめ、イベントに反応して呼び出されるメソッド(ハンドラ)を宣言しておきます。またSubject内にはObserverへの参照(ポインタ)を保持するコンテナを内包させておきます。Subjectは内包するコンテナの各要素(Observerの参照)に対し、ハンドラを呼び出すことでイベント駆動を実現できます。ここまでは極めて単純なからくりです、さっくり実装してみましょう。

List-1
/* [step-1]
 * シンプルなObserverパターン実装
 */
#include <vector>
#include <algorithm>

class Observer {
    friend class Subject;
public:
    virtual ~Observer() {}
protected:
    virtual void update(Subject*) =0; // コレが呼び出されるハンドラ
};

class Subject {
private:
    std::vector<Observer*> obs_;
public:
    // Observerを登録
    void add_observer(Observer* o) {
        if ( std::find(obs_.begin(), obs_.end(), o) == obs_.end() ) {
            obs_.push_back(o);
        }
    }
    // Observerの登録抹消
    void delete_observer(Observer* o) {
        auto iter = std::find(obs_.begin(), obs_.end(), o);
        if ( iter != obs_.end() ) {
            obs_.erase(iter);
        }
    }
protected:
    // 登録されたObserverのハンドラを呼び出す
    void notify() {
        std::for_each(obs_.begin(), obs_.end(),
                      [this](Observer* o) { o->update(this);});
    }
};

/*
 * おためし
 */
#include <iostream>

// 室温
class RoomTemp : public Subject {
private:
    int value_; //
public:
    RoomTemp(int initial) : value_(initial) {}
    void increment() // 室温を1度上げる
        { ++value_; notify(); }
    void decrement() // 室温を1度下げる
        { --value_; notify(); }
    int get_temp() const // 現在の室温
        { return value_; }
};

// 温度表示パネル : 室温の変化に応じて室温を表示する
class TempDisp : public Observer {
public:
    ~TempDisp() { std::cout << "お疲れ様でしたー" << std::endl; }
protected:
    virtual void update(Subject* from) {
        int temp = static_cast<RoomTemp*>(from)->get_temp();
        std::cout << "現在の温度: " << temp << "℃" << std::endl;
    }
};

int main() {
    RoomTemp room(20);
    TempDisp disp;
    room.add_observer(&disp);
    room.increment(); room.increment(); room.increment();
    room.decrement(); room.decrement(); room.decrement();
}

 なんなく動いてくれます。が、一つ不便な点があります。例えばこんなコードではどうでしょう。

int main() {
    RoomTemp room(20);
    {
      TempDisp disp;
      room.add_observer(&disp);
      room.increment(); room.increment(); room.increment();
    } // [*]
    room.decrement(); room.decrement(); room.decrement();
}

 [*]に達した時点でObserverであるdispは寿命をまっとうし、この世から消えてなくなります。ところがSubjectであるroomはdispのポインタを保持したままになっています。従ってその後の room.decrement() によってこの世にいないdispのメソッドupdate()が呼ばれることになり、その結果は未定義です。

 Observerがその役割を終えるときは、それに先立って必ず後始末(delete_observer)しなければならないのですが、std::shared_ptrを使って後始末のいらないObserverの実装を試みましょう。

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επιστημη(エピステーメー)

C++に首まで浸かったプログラマ。Microsoft MVP, Visual C++ (2004.01~2018.06) "だった"りわんくま同盟でたまにセッションスピーカやったり中国茶淹れてにわか茶...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/5327 2010/09/16 18:17
" ); }

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