土を喰らう十二ヵ月

　■2022／ヨーロッパビスタ／111分
　■制作プロダクション：オフィス・シロウズ
　監督・脚本：中江裕司
　原案：水上勉『土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―』
　料理監修：土井善晴
　撮影：松根広隆
　照明：金子康博、角田禎造
　美術：小坂健太郎
　編集：宮島竜治
　音楽：大友良英
　出演：沢田研二、松たか子／西田尚美　尾美としのり
　　　　瀧川鯉八、檀ふみ、火野正平、奈良岡朋子

作家のツトムは人里離れた長野の山荘で一人暮らし。山菜や
きのこを採り、畑で育てた野菜を自ら料理し、季節の移ろい
を感じながら原稿を執筆している。時折、担当編集者で恋人
の真知子が東京から訪ねて来る。悠々自適な暮らしをするツ
トムだが、１３年前に亡くした妻の遺骨を、いまだに墓に納
められずにいた。

d(>_<　 )Good!!（2022/12/08 札幌シネマフロンティアスクリーン２）

人里離れた山荘で自給自足のように暮らす小説
家。畑を作り、山菜を採り、料理して食べる。
そんな暮しの中で、肌感覚で「生」と「死」に
ついて思いを巡らす。社会的なものがどんどん
削ぎ落とされて「自然」に近づいていく様には
ある種の「怖さ」も感じる。そもそも修行僧か
仙人のような生活が、文字通り宗教的・精神世
界に近づいていく雰囲気。終盤、編集者の恋人
は別れを告げに来るが、この時点で彼は「この
世」には存在していないのではないか。そう考
えると物語が腑に落ちる気がする。■

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