泣く子も黙る、ジュディスさま
・・・を見に行ったんである。
ジュディス、で分からなければ、あの、バトラーだよ、と言おう。
もしそれで分からなくて、あなたが人文社会科学の院生だったら、
「みそ汁で顔洗って出直して来い!」
と言われても仕方がないのである。
泣く子も黙る、ジュディス・バトラー様を見に行ったのである。
バトラーは、フェミニズムに関する研究から生まれながら、女性の権利がどうのこうの、という話だけでなく、人間の認識とか言動とかってそもそもどういうものなのよ、という話にまでパラダイム・シフトをもたらした。そして息が長い。90年代初頭の人類学の議論は、今やもう、古くさく聞こえてしまうが、彼女の議論は、まだそうはなっていない。
彼女は声高に言ってはいないが、やはりレズビアンで、パートナーもいるし、養子もいる。だけどそういう立場を、「当事者だから」という単純な図式では語らない。当事者でありながら、「当事者であるとはどういうことか」という質問を執拗に繰り返すような議論をする。だから分かりにくい。
私の斜め前に、50代ぐらいのおばさんが3人連れで来ていた。古株のレズビアンたちなのかもしれない。途中、しびれを切らして、「日本語でだってわかんないわよ」とぶつぶつ文句を言い出した。辞書を引いても出てこないので、「サバルタンって何?」と隣の人に聞いている。やっと、「結婚は同性の間に限られる必要はないと思います」という分かりやすい言葉が聞こえたときに、喜び勇んで拍手をしてはしゃいでいた。
そういう、自分たちが正しいと思っていることを、肯定してもらうために活用できるような議論じゃないのになあ、と思う。
でもまあ、やっぱり、世の中を変えるために、それでいて、質を落とさないように学問をしている人なので、そういう、切迫感というか、迫力があった。
終った後、知り合いの先生に校正原稿をいただく。というか、その場で図版をつくってもらう。まるで、取り立てにきた編集者状態である。
ちなみに、バトラーの講演が始まるのは2時だったが、会場は12時だった。私は12時に着いたが、なんと10時から会場外で待っていた人もいたらしい。満員にまではならなかったけど、200人ぐらいはいたかもしれない。
早く来すぎたのでちょっと小腹が空いたな、と思って、件の先生に、食べに出かけます、と言うと、「あ、私の研究室に、学生が買ってきたラーメンがあるから」といって、鍵を渡して、カップラーメンを食べさせてくださった。
最近は食べないようにしているものの1つですが、なんだかほのぼの、おいしくいただきました。
ジュディス、で分からなければ、あの、バトラーだよ、と言おう。
もしそれで分からなくて、あなたが人文社会科学の院生だったら、
「みそ汁で顔洗って出直して来い!」
と言われても仕方がないのである。
泣く子も黙る、ジュディス・バトラー様を見に行ったのである。
バトラーは、フェミニズムに関する研究から生まれながら、女性の権利がどうのこうの、という話だけでなく、人間の認識とか言動とかってそもそもどういうものなのよ、という話にまでパラダイム・シフトをもたらした。そして息が長い。90年代初頭の人類学の議論は、今やもう、古くさく聞こえてしまうが、彼女の議論は、まだそうはなっていない。
彼女は声高に言ってはいないが、やはりレズビアンで、パートナーもいるし、養子もいる。だけどそういう立場を、「当事者だから」という単純な図式では語らない。当事者でありながら、「当事者であるとはどういうことか」という質問を執拗に繰り返すような議論をする。だから分かりにくい。
私の斜め前に、50代ぐらいのおばさんが3人連れで来ていた。古株のレズビアンたちなのかもしれない。途中、しびれを切らして、「日本語でだってわかんないわよ」とぶつぶつ文句を言い出した。辞書を引いても出てこないので、「サバルタンって何?」と隣の人に聞いている。やっと、「結婚は同性の間に限られる必要はないと思います」という分かりやすい言葉が聞こえたときに、喜び勇んで拍手をしてはしゃいでいた。
そういう、自分たちが正しいと思っていることを、肯定してもらうために活用できるような議論じゃないのになあ、と思う。
でもまあ、やっぱり、世の中を変えるために、それでいて、質を落とさないように学問をしている人なので、そういう、切迫感というか、迫力があった。
終った後、知り合いの先生に校正原稿をいただく。というか、その場で図版をつくってもらう。まるで、取り立てにきた編集者状態である。
ちなみに、バトラーの講演が始まるのは2時だったが、会場は12時だった。私は12時に着いたが、なんと10時から会場外で待っていた人もいたらしい。満員にまではならなかったけど、200人ぐらいはいたかもしれない。
早く来すぎたのでちょっと小腹が空いたな、と思って、件の先生に、食べに出かけます、と言うと、「あ、私の研究室に、学生が買ってきたラーメンがあるから」といって、鍵を渡して、カップラーメンを食べさせてくださった。
最近は食べないようにしているものの1つですが、なんだかほのぼの、おいしくいただきました。
by chinaloca
| 2006-01-14 00:34