ちょっと前にラジオで80sファンクの特集を聴いたのをきっかけに、最近はこんなのを聞いてます。
サザンソウルやオールドスクールなファンクなど70年代の音が好みなので、80年代以降のシンセやエレクトロが目立ったサウンドは積極的には聴いてこなかったんですが、久々に聴き直してみたら新鮮に感じましたね~ で、まずはファンキーでダンサンブルな定番8枚をご紹介。
L.T.D 「LOVE MAGIC」(1981年)
最初にご紹介するのは80sファンクを代表する1枚。70年代半ばにデビューしたノースカロライナの大所帯ファンクバンドが81年にリリースした8作目。看板ヴォーカリストのジェフリー・オズボーンに替わってレズリー・ウェストが加入した最初の作品にてバンドの代表作。なんといっても、疾走感あふれるファンキーな演奏に荒々しく熱いヴォーカルが魅力的な1曲目Kickin' Backにつきますが、ミディアムな低重心ファンクチューンからAOR的なものやバラード風、レゲエ調のものまで多彩なサウンドが味わえます。
ONE WAY 「WHO'S WOOLIN' WHO」(1982年)
こちらも、前述のLTD同様に人気の高い1枚。全米R&Bチャート4位の大ヒットとなったCutie Pieを含むONE WAY名義として3作目。バンドの中心人物であるヴォーカル、アル・ハドソン率いる前身バンドから数えると9作目のようです。
シンセベース&シンセの比重が高いミディアムファンクのCutie Pieが出色ではありますが、他にもAOR的爽快なものから、スロー、バラードなど落ち着いた雰囲気の楽曲が多いですね。特に印象的な雰囲気のミディアムチューンであるタイトル曲Who’s Foolin' WhoはCutie Pie同様の名曲かと・・・

LAKESIDE 「FANTASTIC VOYAGE」(1980年)
このアルバム、ここ最近で一番のヘビロテ盤です。オハイオ出身の9人組がリリースした4作目にして、全米R&Bチャート4位の大ヒットとなった彼らの代表作。
ファンキーなバンドサウンドを基調としながらもシンセベースなどの同居でモダンながらも重心の低いぶっといサウンドが満喫できます。特にアルバムタイトルともなった6分強な1曲目は絶品!めちゃカッコイイです。とはいえ、全編ゴリゴリな音ではなくて、スローやメロウ、軽快なポップソウルもあり。これは良い作品です。

オハイオ州デイトン出身のファンクバンドの3枚目。
70年代に活躍したファンクバンドSUNのメンバーを中心として結成されたバンドですが、ゴリゴリファンクなSUNとは違ってシンセや打ち込みの度合いが高くそれほどファンク度は強くないかな。
全米R&Bチャートで17位で彼らの初ヒットとなったスライのカバー Hot Fun In The Summertime もいいですし、ブーツィーコリンズが参加したミディアムファンクも良いですが、EW&Fばりのホーンがカッコイイ疾走感あるファンクチューン Movin' Upがやっぱり素敵です。

GIFT OF DREAMS 「THE GIFT」(1982年)
82年にインディレーベルからリリースされた、いまだに詳細不明なバンドの唯一作。いわゆる「激レア盤」「幻の作品」みたいな扱いの作品だったようで、僕もCD化に際してのそんなキャッチコピーに惹かれてゲットした一人。この手のふれこみのアルバムはチープな音質だったり内容だったりすることもありますが、いやぁ、これはカッコイイ!音もプロダクトも良い!
内容的には、アルバムの冒頭2曲と5曲目がめちゃかっこいいエレクトロファンク。他には生音主体なモダンソウルやバラード、エレクトロ比率の低いファンクチューンなどなど・・・ 良いアルバムです。

DAZZ BAND 「KEEP IT LIVE」(1981年)
「ダンサンブルなジャズ」をコンセプトに、その頭文字をバンド名に冠したKINSMAN DAZZとして78年にデビュー。80年より現バンド名に改名しモータウンに移籍。今回紹介するのはモータウンでの3枚目のアルバムで、シングルカットされたLet It Whipが全米5位の大ヒットとなり、アルバムも全米R&Bチャートで1位(全米14位)を記録。
程よくエレクトリックでキャッチーなLet It Whipで始まる今作ですが、AOR的なモダンでメロウな楽曲がミディアム、スロー織り交ぜて半分以上。70年代的ファンクナンバーが数曲といった構成。ファンク度はそれほど高くないですが、曲がどれも良いです。
THE S.O.S BAND 「ON THE RISE」(1983年)
80年代のブラックミュージックシーンを牽引していったバンドのひとつ、アトランタ出身のSOSバンドの4作目。ちなみにSOSはSound Of Successの略。
80~90年代に人気を博し今でも現役なプロデュースチーム、ジャム&ルイスのプロデュースによる冒頭3曲の評価が高いアルバム。確かにシングルJust Be Good To Meは大好きなナンバーではありますが、正直なところエレクトロの比重の高い緻密でゴージャスなサウンドはバンドっぽさが希薄。ちょいオーバープロデュースっぽい感じも・・・ で、個人的には他5曲のゴージャス過ぎないサウンドとあわせてちょうど良い塩梅のアルバムであります。
ROGER 「MANY FACETS OF ROGER」(1981年)
最後は、オハイオでトラウトマン兄弟によって結成されたZAPPの中心人物ロジャー・トラウトマンの初ソロ。ZAPPでデビューした翌年にリリースされたこのアルバムですが、ロジャーのトークボックス(トーキングモジュレーター)も炸裂していて、サウンドはZAPPの延長線上な感じ。全6曲中、マーヴィン・ゲイ「悲しいうわさ」のカバーを含む3曲が強力なファンクチューンで、他にもダンサンブルなナンバーも。フュージョンインストの③、ブルースナンバー⑥は唐突な感じもしますが、タイトルでMany Facets (多面性)って言ってますからソロアルバムならではなのかな・・・