トピック

ハイエース界隈で高評価のパーツブランド「Genb(ゲンブ)」からジムニー用パーツが登場!

カスタム派だけでなく、ノーマルで乗りたい人にもおすすめできる走行安定性向上パーツが登場

 使い勝手のよさから趣味の道具を運ぶトランスポーターやキャンピングカーといった使い方をされるトヨタ「ハイエース」と日産「キャラバン」。

 これらのクルマはライフスタイルにぴったりはまる人にとっては「代わりになるクルマはない」存在ではあるが、荷物を積む機能を優先したサスペンションは乗用車と比較すると乗り心地の面では厳しい部分もある。代わりのないクルマとはいえ、その点に不満を持つ人もいるだろう。

 そんなハイエースやキャラバンのお悩みを解決するパーツを発売しているのが、ムーンフェイスの展開するカスタムパーツブランド「玄武(Genb)」である。

 このムーンフェイスとはモータースポーツやチューニング業界からスタートした企業で、もともとサスペンションのチューニングを得意としていた。しかも単なるスポーツサスペンションキットの開発だけでなく、車高を変更することで起こるジオメトリーの狂いを矯正するための製品も開発。こちらはサーキット走行ユーザーを中心に大いにヒットしたもので、そうした着眼点のよさとものづくりへのこだわりは現在の「Genb」に引き継がれている。

ハイエースやキャラバンのユーザーであればほとんどの人が知っているであろう「Genb」。クルマをよくしたいという理由から選ばれるブランドだ
Genbのパーツカタログに記載されている解説。ムーンフェイスの代表を務める阿部氏はモータースポーツのメカニックからパーツメーカーとして起業した方だけに、クルマの構造を理解したうえでの製品開発を得意とする
アイシンが開発している「モーションコントロールビーム(MCB)」を利用した製品。シートレール前面に装着し、振動軽減、乗り心地改善、ハンドリング向上が実感できる。取り付け用のブラケットやボルトなどの品質もとてもいい。こういった部分もクルマ好きに評価されている。運転席、助手席用セットで価格は9万4600円
ローダウン時に起こる直進安定性低下を改善するバンプアジャストタイロッドエンド(左)と、スタビライザーの働きを適正なものに補正するためのアジャスタブルスタビリンク(右)
ローダウン時に起こる背の高い純正ストッパーとアクスルハウジングの接触による強い突き上げを解消するためのバンプストッパー。タッチした際の衝撃軽減とストローク量確保ができる。ローダウンの度合いごとに最適なサイズが設定されている
フロアマットも機能性重視。フットレストの位置が遠くて使いにくいことを解消するため、コンフォートマットには左足の置き場をつくるためのインナーパッドが付いている(左にあるカバー状のもの)
インナーパッドをセットしたうえでマットを敷く。コンフォートマットの導入で足が疲れにくい環境になる

 そして2025年よりラインアップに追加したのが、本格オフロード4WDのスズキ「ジムニー」「ジムニーシエラ」である。これらの車種にはオフロードイメージを高めるリフトアップサスペンションキットなどが多く発売されているが、実際のところオフロードよりも街中で乗る人も少なくない。そのため、クルマのイメージに合ったカスタマイズをしたいが、街乗りでの快適さもほしいというニーズが高まっていたという。それに対し、「Genb」はハイエースやキャラバンで好評を得た走行安定性・運動性能を向上させるパーツを開発、販売を開始した。

 今回は「Genb」が新たに発売したジムニー用のボディ補強パーツを紹介していくが、その前に1つ、ハイエースやキャラバン、そしてジムニーオーナーにお伝えしておきたい情報を紹介しておこう。

「Genb」では全国のスーパーオートバックスおよびオートバックスにて、単独の「Genbフェア」という店頭イベントを開催している。イベント日には「Genb」製品の展示販売が行なわれ、担当者が対応するので製品に対する詳しい解説を聞くことができる。

 また、「Genb」パーツを装着したハイエースやジムニーのデモカーの展示も予定されているので、ハイエース、キャラバン、そしてジムニーのオーナーはイベントを訪れてみてはいかがだろうか。


Genbフェア・イベントスケジュール

・7月26日~27日:スーパーオートバックス姫路
(兵庫県姫路市花田町一本松63-1)
・8月23日~24日:スーパーオートバックスかしわ沼南
(千葉県柏市風早1-3-13)
・10月4日~5日:オートバックス桶川
(埼玉県桶川市坂田1709-1)
・11月8日~9日:スーパーオートバックス外環四条畷
(大阪府四條畷市砂3-14-11)

 各イベントは店舗営業時間内の開催となる。イベント当日に購入した製品の取り付けも可能だ(作業実施日については当日、イベント会場で確認いただきたい)。


全国のスーパーオートバックス、オートバックスにて実施されるGenbフェア。ハイエース、キャラバン、それに新製品のジムニー(JB64W)とジムニーシエラ(JB74W)用パーツも展示、販売。ハイエースとジムニーのデモカーも展示される
今回は6月に実施されたスーパーオートバックス・湘南平塚のイベントを取材。写真は同店主任(モータースポーツ担当)の山田大介氏。パーツや用品の購入だけでなく、オイル交換や点検整備、車検で店舗を利用する人も多いという。点検などのタイミングでGenb製品の取り付けを行なうと工賃や時間などが節約できそうだ
スーパーオートバックス・湘南平塚では「Genb」製品の取り扱いに力を入れている
スーパーオートバックス・湘南平塚店の店内にある「Genb」製品のコーナー。在庫のない製品の取り寄せや購入した製品の装着も依頼できる

高速道路走行時の直進安定性が向上

「Genb」ブランドのパーツは、ハイエースやキャラバンのカスタマイズの世界に「改造ではなく改良」を望む新しい層のユーザーを呼び込むものであったが、そんな「Genb」ブランドに新たに追加されたのがジムニー(JB64W)、ジムニーシエラ(JB74W)用の製品だ。

「Genb」のラインアップにジムニー(JB64W)とジムニーシエラ(JB74W)用が追加された。ジムニーノマド(JC74W)にも対応していく予定

 ジムニーといえば頑強なラダーフレームに3リンクリジッドアクスル式のサスペンションが特徴。これらの作りにより悪路での高い走破性を実現しているが、「Genb」によると高速道路巡航では直進時の安定性がもう少しほしい面があるという。現行ジムニーにはスズキの安全技術であるセーフティサポートが搭載されているが、その項目にレーンキープアシストがないので、路面のうねりやわだちが多いとドライバー自らがステアリングを小刻みに修正することになる。そのため、運転の疲労度も高まる傾向になってしまうとのことだった。

 そこで「Genb」ではラダーフレームとリーディング&トレーリングアームをつなぐ部分を連結する「サスペンションピボットブレース」を開発。このパーツを付けることでサスペンション付近の剛性が高まり、高速道路巡航時の安定性が大幅に向上。加えてコーナリング時もステアリング操作への応答性がよくなるという効果も得られるのだ。

ジムニーの特徴であるラダーフレームの性能をより生かせる「サスペンションピボットブレース」。装着することでサスペンション剛性が高まる。街乗りでの効果だけでなくオフロードの走破性も向上する。価格は6万3800円

走行安定性も改善されるワンランク上の補強パーツ

 この「サスペンションピボットブレース」は、サスペンションパーツを交換した車両だけでなく、全くのノーマル車に装着しても高い効果を発揮するものではあるが、街乗りをより重視する場合はフレームに起こる変形をスプリングの反力と構造的な摩擦力によって効果的に吸収する「モーションコントロールビーム」を選ぶことをおすすめしたい。

 こちらはサスペンションピボットブレースと同様に、ラダーフレームとリーディング&トレーリングアームをつなぐ部分を連結するパーツだが、荷重に対する反力を発生することができるモーションコントロールビームでつなぐことで、フレームに発生する微細な振動や変形を起こす動きを吸収する。

「Genb」の総代理店であるSPK株式会社 CUSPA営業本部 営業部 営業1課の秦堯宜氏。「モーションコントロールビーム」はノーマル車でも効果がハッキリ出るので、「多くのジムニーオーナーに使ってほしい」とのこと。価格は10万7800円

 また、内部パーツの摩擦によって発生する減衰力で細かい振動も抑えるので、剛性感の向上だけでなくまるで車格が上がったような安定感が得られる。ジムニーの場合、その効果は得られやすく、とくにリアシートではノーマルで感じていた硬さが取れる印象を受けた。まだ適合の確認が取れていないが、リアシートを利用する機会が多そうな5ドアのジムニーノマドにも効果が期待できる製品だ。

「モーションコントロールビーム」のフロント側。専用のブラケットを介して装着
こちらはリア側。フロント、リア共にオフロードでの走破性に影響しない取り付けレイアウトであり、装着作業は車体には一切加工をしないボルトオンとしている
高速道路巡航で走行安定性・走行性能の向上を体感。それでいてサスペンションパーツを換えないので、派手な改造をしたくないジムニーオーナーも選びやすい製品といえよう
リフトアップした場合、フレームとアクスルの位置関係がずれてサスペンションがストロークした際にアライメントが大きくずれるが、それを矯正するための調整式ラテラルロッド。製品名は「ハードスペックラテラルロッド」で、フロント用が2万6400円、リア用が2万8600円
現行ジムニーには純正でステアリングダンパーが付いているが、リフトアップやタイヤ、ホイールのインチアップをすると容量が不足する場合もある。写真の部品はそのときのための強化品である「ハイパフォーマンスステアリングダンパー」。価格は2万3100円
リフトアップしたときに起こるステアリングフィールの悪化を直すには必須の「バンプアジャストドラッグロッドエンド」。マニアックなパーツだが、こういったかゆいところに手が届く製品を用意するのが「Genb」。作りも高品質で、機能パーツとしてしっかりデザインされているのもいい。価格は1万5400円
フロア形状に沿った3Dマット。“フチ”があるのでマットに付いた土汚れや水気などをカーペットにこぼしにくい。5速MT用、AT用とそれぞれ用意されている。価格は1万7600円
“フチ”の部分にステッチが入れてあり、カラーは写真のブルーのほか、ブラックとイエローがある
フロア形状に沿っているのに加え、裏面に滑り止めがあるのでずれにくい

「Genb」のジムニー用製品としては、今後サスペンションキットなどの発売も予定されているので、興味のある方は冒頭で紹介した「Genbハイエースカスタマイズフェア」で最新の情報を入手してほしい。

「BOMB」とは「Genb」内におけるジムニー用インテリアパーツのブランド名

Photo:安田剛