真田広之氏がプロデューサー・主演を務めたドラマ「SHOGUN 将軍」。米国の優れたテレビドラマに贈られるエミー賞で作品賞など18もの賞を受けた。さらに米アカデミー賞で視覚効果賞を取った「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」など、著名な賞を獲得する作品で、ソニーの映画用カメラ「VENICE(ベニス)」の採用が目立ち始めた。
報道用カメラでキヤノンとニコンが2強だったように、映画用カメラはドイツのアリが盤石の強さを見せてきた。主たる賞にノミネートされる大型作品にはアリのカメラが使われる。
■本連載のラインアップ
・[新連載]ソニーのコンテンツ爆買い、KADOKAWAにも エンタメ企業に変身
・ソニーミュージック、YOASOBIの学びを共有知に ヒットの兆しに「即レス」
・ソニーのデジカメ 「すごい酷評」越え、プロ向けでキヤノン・ニコン牙城崩す
・「ゴジラ-1.0」の山崎監督「イケてる監督がソニーの映画カメラを使っていた」(今回)
そんな市場で、放送局向けカメラを手掛けていた縁でソニーは1990年頃から細々と事業を続けてきた。2000年にシネアルタという映画用カメラシリーズを投入するが「次々と新商品を投入する感じではなかった」(田渕達人プロフェッショナルイメージングテクノロジー事業部長)。
放送局向けと求められる「絵」が異なり、放送局向けの技術の転用は難しい。開発に苦労がかかる割に大きな収益を生めず、苦しい時期が続いた。大きな転換点となったのは、22年公開の「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」だ。
転機はアバター、切り離せるヘッドが武器に
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