はてなブログでは未来日付の記事は「原則としては」書かないことにします、他(追記あり)

【最初に追記(2019年2/15記載)】
bogus-simotukareのブログということでココログにもブログを作ったので紹介しておきます。
ただ「今のところはてなの方が書きやすい(ココログだと脚注のつけ方がよく分からない、エンターキーで改行すればはてなだとそのまま改行になるが、ココログだとそうならない)」ということではてなの方で書くことが多いかと思います。
【追記終わり】
【2022年2月6日追記】
北朝鮮拉致問題で「大きな動きのあった年」に「何があったか」を振り返る - bogus-simotukareのブログとして未来日付の記事を書きましたが、「拉致が一定の解決を見た日(あるいは家族会が、蓮池透氏と和解し、救う会と絶縁し正常化した日)」には削除の予定です。
 https://bogus-simotukare.hatenadiary.jp/entry/2022/01/22/151801については「いったん書いた」ものの、「残しておくほどの記事でもないかな」と考えが変わったので削除することにします。
【追記終わり】
【2023年6月9日追記】
 「紙屋研究所」名義で俺に悪口雑言するコメントがつきましたが
1)「ブログでしか物が言えない内弁慶は黙れ」云々と「内容が無内容」
2)本物の紙屋がすこぶる怪しい(掲載してることが紙屋への風評被害になりかねない)
と思い削除しました。
【追記終わり】
 bogus-simotukareのブログでは未来日付の記事も書いていたのですが、はてなブログだと未来日付記事がたくさんあると、新規記事を書いてもそれが目立たず非常に見づらい気がするので、基本的には未来日付記事は書かないことにしたいと思っています。なお、この文章は2019å¹´1月28日に書いています(これは、目立つところに置いた方がいい「お断りの文章」なので未来日付の記事ですが。なお、俺が勘違いしてるのかもしれませんが「あまり遠くの未来日付」だといろいろと作業が厄介な様なので「2019å¹´1月28日の約1年後」にしています。しかし、当然ながら、冒頭にいつも表示される様に適宜、日付の設定は変更する予定です)。
 http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/25000101/1256334886:title(残念ながらはてなダイアリーが消滅したのでリンク切れ。sorarisu0088氏への謝罪文)ですが、id:Bill_McCrearyさんのご教示(2019年8/18)によれば結局はてなダイアリーは2019年7月末日でなくなったそうです(事前に連絡がなかったか、連絡があったが小生が見落としていたのでしょう。それにしても全削除の決定が随分早かったなと言う気はします。もちろん停止したサービスをそのようにすることは予想できたことではありますが)。
 id:Bill_McCrearyさんご教示ありがとうございます。
 以前、

1)はてな社の方針では当面、はてなダイアリー記事は「更新やコメントはできないが」記事自体は残る
(もちろん、最終的にははてな社が「やはり削除」という方針にする可能性もゼロではないでしょうが将来的な問題はひとまずおきます。その場合、さすがにはてな社は事前広報くらいするでしょう。その場合はこちらに謝罪文を移そうとは思います)
2)はてなブログにまで過去の恥をさらしたくない(まあ俺個人のくだらない感情論ですが)
つうことで、まあこの記事での「謝罪相手」である御仁が「どうしてもブログにまで謝罪文そのものを残せ」と言ってくるならまた話も別ですが、「ここにお断りの文章を載せること」で「謝罪文そのもの」はここにはひとまず載せないことにします。

としたので「弱ったな」というのが正直な感想です。本当に「過去のはてなダイアリー」がきれいすっかりなくなっている上に、小生はこの謝罪文を別に「ワード文書など他の文書」の形で保存していません。なので謝罪文を正確に復元しようがない。
 無理に思いつきででっちあげてもかえって問題でしょう。つうことでsorarisu0088氏から「こういう文面で乗せろ」つう要望がない限り、とりあえずこのままにしておこうかと思います(こちらから彼に問い合わせるのは挑発行為と認識される危険性がある気がするのでそれはしません。彼が小生に対して何のアプローチもしなければ、今の彼にとって小生が「どうでもいい存在である」ということなのでしょうから)。「sorarisu0088氏と小生が過去にトラブって、小生が非を認め謝罪文を掲載した」ということだけはここに指摘しておくので、それでご容赦、ご勘弁願いたいと言うのが正直な感想です。

【2019年1月29日追記】
 早速、移行後、コメント設定を修正。
 コメントは通常設定だと「はてなユーザー」という設定ではてなユーザーしかコメントできないようですね(コメントするときははてなのID、パスワードでログインする)。
 当然(?)ながら「俺にとってはてなユーザーにコメント者を限定する理由がない」、というか従来コメント頂いていた方々はおそらく「ほとんどがはてなユーザーじゃない」ので「ゲスト(誰でもコメント可能)」に変更します。しかし通常設定は「ゲスト」であるべきじゃないんですかね。
 俺みたいなうっかりは「はてなユーザー設定」に気づかず、「何で移行前にコメントしてくれた方たちがコメントしてくれないんだろうな」と悲しむという皮肉なことになりかねません。いや「はてなユーザーを増やしたい」という企業の立場からは、一理ある「通常設定」でしょうけどね。
 「はてなブログーユーザーの利便性をなんだと思ってるんだ!」つう反発は感じます。

北朝鮮拉致問題で「大きな動きのあった年」に「何があったか」を振り返る

 拉致限定であり、「金丸訪朝(1990年)」「南北朝鮮国連ダブル加盟(1991年)」「カーター訪朝による米朝合意(1994年)」「金大中・金正日首脳会談(2000年)」「トランプ・金正恩首脳会談(2018年)」など『拉致と直接関係ない』北朝鮮ニュースは取り上げません(北朝鮮による日本人拉致問題 - Wikipedia参照)。赤字が朝鮮半島関係です。

【1977年:横田めぐみ拉致など拉致事件の発生(福田赳夫内閣:外相は日中平和友好条約(1978年)を締結した園田直氏(大平、鈴木内閣でも外相)など)】
1977年 - Wikipedia、1977年の日本 - Wikipedia
◆1月20日
 カーター大統領就任。
◆1月27日
 ロッキード事件丸紅ルート初公判。31日全日空ルート初公判。
◆6月13日
 全米女子プロゴルフ選手権で樋口久子が優勝、日本人初の世界タイトルを獲得。
◆7月13日
 津地鎮祭訴訟の最高裁判所大法廷判決
◆7月17日
 キャンディーズが日比谷野外音楽堂で行われたコンサートで「普通の女の子に戻りたい」と解散することを宣言
◆8月12日
 文化大革命終結宣言
→なお、毛沢東の死去は1976年9月9日。四人組の逮捕は1976年10月6日。文革で失脚していた鄧小平の復活(党副主席、副首相、人民解放軍総参謀長への就任)は1977年7月。
◆9月3日
 巨人の王貞治選手が対ヤクルト戦でホームラン世界新記録の756号を達成
◆9月5日
 国民栄誉賞が創設される。王貞治が第1回目の受賞者
◆9月28日
 ダッカ日航機ハイジャック事件が発生。
◆10月1日
 経営難に陥っていた安宅産業を伊藤忠商事が吸収合併
◆10月15日
 長崎バスジャック事件で犯人1名を射殺、人質は全員無事
◆11月19日
 エジプトのサダト大統領がイスラエルを訪問(アラブ諸国の元首として初のイスラエル訪問)。
◆11月22日
 プロ野球ドラフト会議でクラウンライターライオンズが法政大学の江川卓を指名するも、江川本人が12月3日に拒否(江川事件の始まり)
◆12月3日
 横浜市の飛鳥田一雄市長が日本社会党委員長就任を受諾。
◆12月25日
 喜劇王、チャールズ・チャップリン死去(享年88歳)

【1988年:橋本敦質問及びそれに対する梶山国家公安委員長、宇野外相答弁(政府が初めて公式に北朝鮮拉致疑惑を認める)(竹下内閣:外相は宇野宗佑氏(後に首相))】
1988年 - Wikipedia、1988年の日本 - Wikipedia
◆2月6日
 衆議院予算委員会で浜田幸一予算委員長が日本共産党の宮本顕治議長について「殺人者」と不規則発言。委員長辞任(2月12日)に追い込まれる
◆2月25日
 韓国の盧泰愚大統領が就任

◆3月24日
 中国で起きた上海列車事故で、修学旅行中の高知学芸高校の生徒と教師計28名が死亡。
→橋本敦質問ではこの件についても「日本政府の適切な対応」を求める質問がされたと記憶しています。
◆3月26日
 参議院予算委員会で日本共産党の橋本敦が拉致疑惑について質問。これに対し竹下内閣国家公安委員長の梶山静六は北朝鮮による拉致の疑いが濃厚との見方を示し、真相究明のために全力を尽くす考えであることを表明した。これは北朝鮮による日本人拉致疑惑を政府が認めた初めての公式答弁である
(北朝鮮による日本人拉致問題 - Wikipedia参照)
◆4月14日
 ソ連がアフガニスタンからの撤退に関して合意(ジュネーヴ合意)。翌年2月15日迄に撤退を完了。
◆6月18日
 朝日新聞がリクルートによる川崎市助役への未公開株譲渡を報道し、リクルート事件発覚
◆7月3日
 イラン航空655便撃墜事件。イラン航空655便がアメリカ海軍のイージス艦「ヴィンセンス」に撃墜され、乗員乗客290名全員が死亡。
◆7月23日
 なだしお事件。遊漁船「第一富士丸」と海上自衛隊の潜水艦「なだしお」が衝突、死者30名。8月25日には瓦力防衛庁長官(竹下内閣)が引責辞任
◆8月8日
 ビルマで、8888民主化運動が発生。
◆8月20日
 イラン・イラク戦争停戦が正式に成立。
◆9月17日
 ソウル五輪開幕(10月2日まで)

→前年(1987年)の「北朝鮮による大韓機爆破」はソウル五輪に対する妨害工作であったというのが通説的見解でしょう。
◆9月18日
 ビルマでソウ・マウン国軍総参謀長がクーデターにより全権掌握。国家法秩序回復評議会を設立。
◆11月8日
 米国大統領選挙でジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュが当選。
◆12月2日
 パキスタンでベナジル・ブットが首相に就任。イスラム国家では初の女性首相となる。
◆12月9日
 宮澤喜一蔵相(竹下内閣)がリクルート疑惑で辞任
◆12月21日
 リビアによるパンアメリカン航空103便爆破事件。

【1997年:安明進証言(横田めぐみ拉致)とそれを契機とした家族会結成(橋本内閣:外相は小渕恵三氏など(後に首相))】
1997年 - Wikipedia、1997年の日本 - Wikipedia
◆1月2日
 ナホトカ号重油流出事故
◆2月3日
 この日発売の産経新聞と週刊誌アエラ(朝日新聞社)が「安明進証言(横田めぐみ拉致)」を報道
◆2月8日
 この日放送のテレビ朝日「ザ・スクープ」が「安明進証言(横田めぐみ拉致)」を報道

(2月3日、8日の件についてはけっきょく「横田めぐみ拉致問題における安明進証言」などというものにのっかったのが、高世仁が会社をこかした淵源(の少なくとも1つ)ではないか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)
◆3月25日
 「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)」結成
(北朝鮮による拉致被害者家族連絡会 - Wikipedia参照)
◆4月1日
 消費税増税実施(3%から5%に)
◆4月2日
 最高裁が愛媛県靖国神社玉串料訴訟で違憲判決
◆4月22日
 ペルー日本大使館公邸に特殊部隊突入、人質全員解放(ペルー日本大使公邸占拠事件)。
◆5月1日
 イギリス総選挙で労働党が勝利。翌日、党首のトニー・ブレアが首相に就任、労働党は18年ぶりの政権奪還を果たした
◆7月1日
 香港返還
◆8月1日
 連続射殺事件の死刑囚で小説家として活動していた永山則夫の死刑が執行される。
◆9月11日
 第2次橋本改造内閣発足。ロッキード事件で有罪が確定した佐藤孝行が総務庁長官で初入閣したが、世論の批判で9月22日に辞任。
◆9月18日
 ヤオハンが倒産、会社更生法を申請
◆10月8日
 金正日、朝鮮労働党総書記に就任。

◆11月16日
 サッカー日本代表が延長戦の末3-2でイランを下し、ワールドカップ(フランス大会)初出場を決める。(ジョホールバルの歓喜)
◆11月17日
 北海道拓殖銀行が経営破綻
◆11月22日
 山一證券が経営破綻
◆12月1日
 地球温暖化防止京都会議開幕。11日、京都議定書が採択される。
◆12月19日
 韓国大統領選挙で、金大中が当選

◆12月20日
 伊丹十三(俳優、映画監督)が自殺。

【2002年:小泉訪朝(第一次)&八尾恵『謝罪します』刊行(有本恵子拉致への関与を認める)(小泉内閣:外相は川口順子氏(小泉訪朝(第一次)当時))】
2002年 - Wikipedia、2002年の日本 - Wikipedia
◆1月23日
 雪印牛肉偽装事件発覚。8月6日には日本ハムも発覚。
◆1月29日
 ブッシュ大統領が、一般教書演説で北朝鮮、イラン、イラクを非難する「悪の枢軸」発言

◆2月8日〜24日
 ソルトレイクシティ五輪
◆3月18日
 自民党の鈴木宗男衆院議員が「ムネオハウス疑惑」などで離党
◆3月28日
 社民党の辻元清美衆院議員が、秘書給与流用問題で議員辞職
◆4月2日
 鈴木宗男事件への関与から、東郷和彦オランダ大使を罷免
◆4月9日
 加藤紘一元自民党幹事長が元事務所代表の脱税疑惑や自身の政治資金流用問題の責任を取り、議員辞職。
◆5月3日
 朝日新聞阪神支局襲撃事件(1987年)の時効成立(当時、殺人の時効は15年、現在は時効が撤廃された)
◆5月5日
 フランス大統領選挙決選投票で現職のジャック・シラクが再選
◆5月8日
 北朝鮮からの亡命者が中国瀋陽にある日本の総領事館へ駆け込む事件が発生

◆5月20日
 東ティモールが独立。21世紀初の独立国。9月27日には国連加盟
◆5月28日
 経済団体連合会(経団連)と日本経営者団体連盟(日経連)が統合、日本経済団体連合会(日本経団連)が発足
◆5月31日〜6月30日
 2002 FIFAワールドカップ(日本・韓国の共同開催)

◆6月19日
 鈴木宗男衆院議員を収賄容疑で逮捕
◆8月9日
 田中眞紀子前外相が公設秘書給与流出疑惑の責任を取り、議員辞職
◆8月26日
 南アフリカのヨハネスブルクで持続可能な開発に関する世界首脳会議(地球サミット2002)が開幕。
◆8月30日
 小泉首相が9月17日に、北朝鮮を訪問することを表明
◆9月2日
 日本海中部海域不審船事件。
◆9月17日
 小泉首相が訪朝。日朝首脳会談で金正日国防委員長(朝鮮労働党総書記)が日本人拉致問題を公式に認めた。

◆10月8日
 小柴昌俊東京大学名誉教授にノーベル物理学賞が決定。翌日には田中耕一島津製作所社員にノーベル化学賞の受賞が決定
◆10月12日
 インドネシアのバリ島で爆弾テロ事件が起こり、202人が死亡
◆10月15日
 北朝鮮に拉致された日本人5人が帰国。

◆10月23日
 モスクワで劇場が占拠される事件が起こり、特殊部隊の強行突入で一般人129人が死亡。
◆10月25日
 石井紘基・衆院議員刺殺事件
◆11月14日
 アルゼンチン政府が世界銀行向け債務の不履行(デフォルト)を発表した。
◆12月19日
 韓国大統領に盧武鉉が当選

【2004年:小泉訪朝(第二次)(小泉内閣:外相は川口順子氏(小泉訪朝(第二次)当時)など)】
2004年 - Wikipedia、2004年の日本 - Wikipedia
◆1月19日
 自衛隊イラク派兵(初めての陸上自衛隊の戦闘地域への派兵)
◆2月12日
 秘書給与の流用による詐欺罪に問われていた辻元清美前衆議院議員に対し、東京地裁が懲役2年、執行猶予5年の判決。検察、被告とも控訴せず、判決が確定
◆4月7日
 イラク日本人人質事件発生
◆5月7日
 年金未納問題で、福田康夫官房長官が辞任
◆5月22日
 小泉首相が北朝鮮を再訪問。日朝首脳会談が行われ、拉致被害者・蓮池夫妻、地村夫妻の家族5人が帰国。

◆5月27日
 イラクで取材中の日本人フリージャーナリスト2名が乗った車が銃撃され、殺害される。
◆7月1日
 中国の「高句麗前期の都城と古墳」、北朝鮮の「高句麗古墳群」、日本の「紀伊山地の霊場と参詣道」などがユネスコの世界遺産に登録
◆7月9日
 インドネシアのジャカルタで拉致被害者・曽我ひとみが夫であるジェンキンスら家族と再会。18日には家族が日本に帰国(北朝鮮による日本人拉致問題 - Wikipedia参照)
◆7月21日
 小泉首相と韓国の盧武鉉大統領が済州島で会談。

◆7月30日
 扇千景が女性初の参議院議長に就任
◆8月13日
 アテネ五輪開幕(29日まで)。
◆8月13日
 沖縄国際大米軍ヘリ墜落事件。
◆9月14日
 2001年に発生した大阪教育大学附属池田小学校襲撃事件(8名殺害)で死刑が確定していた加害者の死刑が執行される
◆10月23日
 新潟県中越地震。死者68名
◆11月11日
 パレスチナ自治政府のアラファト大統領死去。
◆12月17日
 小泉首相、鹿児島県指宿市で盧武鉉韓国大統領と会談

【2014年:いわゆるストックホルム合意&横田夫妻と孫・ウンギョンさんの面会(第二次、第三次安倍内閣:外相は岸田文雄氏(現首相)、拉致担当相は古屋圭司、山谷えり子(国家公安委員長の兼務))】
2014年 - Wikipedia、2014年の日本 - Wikipedia
◆1月13日
 アントニオ猪木参議院議員、2013年11月以来となる北朝鮮訪問

◆1月19日
 沖縄県名護市長選挙で、名護市辺野古地区への普天間基地からの米軍移転反対派で現職の稲嶺進が再選
◆1月28日
 下村博文文部科学大臣、中学校と高校の学習指導要領解説書を改定、中学校の社会科、高校の地理歴史と公民に、尖閣諸島と竹島を「固有の領土」と明記したことを正式に発表。1月29日には韓国では慶尚北道が管轄する竹島に、金寛容・慶尚北道知事が上陸。前日に発表された学習指導要領解説書記載内容に抗議する声明を発表

 理化学研究所が「STAP細胞」の作成に成功したと発表(しかし、後に小保方研究員による捏造の疑いが発覚、発表が撤回される)
◆2月1日
 小学館の学年別学習雑誌に1978年から掲載されていた漫画『あさりちゃん』(室山まゆみ作)がこの日発売の小学二年生3月号を以って35年に及ぶ連載を終了
◆2月5日
 桐朋学園大学非常勤講師の新垣隆が、自らが作曲家・佐村河内守のゴーストライターを18年間務めていたことを発表したことを受け、予定されていた佐村河内の全国ツアーが中止となり、レコード会社の日本コロムビアがCDの出荷やインターネット配信を停止するなどの影響。
 ビッグコミックオリジナル(小学館)に1973年から掲載されてきた野球漫画『あぶさん』(水島新司作)が41年間に及ぶ連載を終了
◆2月7日~23日
 ソチ五輪
◆2月9日
 東京都知事選挙で、自民党、公明党の支持を受けた元厚生労働大臣の舛添要一が初当選
◆2月17日
 北朝鮮の人権状況を調査した国連調査委員会が日本人拉致や公開処刑など残虐な人権侵害行為を挙げ、北朝鮮が国家として組織的に「人道に対する罪を犯した」と非難する最終報告書を公表。国連安全保障理事会に対し、国際刑事裁判所に付託するよう勧告

◆2月22日
 デモ隊が大統領府を封鎖、ヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領がロシアへの亡命に追い込まれる。議会は亡命したヤヌコーヴィチを正式に大統領から解任し、5月25日の大統領選挙開催を決定。2月24日、多数の市民を殺害した容疑で、ヤヌコーヴィチと側近を指名手配(2014年ウクライナ騒乱)。
◆2月24日
 外務省が『日本海が19世紀初頭から国際的に確立された唯一の呼称であり、近年になって日本海の単独呼称に異議を唱え「東海(トンへ)」併記を求める韓国の主張は根拠がない』とする主張を同省ウェブサイトにて開始

◆3月1日
 中国雲南省昆明市の昆明駅前で無差別殺傷事件発生、少なくとも29人が死亡。中国公安部は新疆ウイグル自治区の独立を狙う組織による計画的なテロ事件と断定、現場で容疑者の男女4人を射殺、女1人を逮捕
◆3月2日
 沖縄県石垣市長選挙で、陸上自衛隊の石垣島配備に柔軟姿勢を取る現職の中山義隆が、配備反対派で元市長の大濵長照を破り再選
◆3月10~14日
 モンゴルのウランバートルで横田夫妻が孫であるウンギョンさん(拉致被害者・横田めぐみの娘)と面会
◆3月16日
 北朝鮮により日本海側に10発のロケット砲が発射

◆3月18日
 ロシアのプーチン大統領が、ウクライナからの独立を宣言したクリミア自治共和国のロシアへの編入を表明
 中国と台湾の間に結ばれたサービス貿易協定に反対する学生が台湾立法院(国会)を占拠。4月10日に退去(ひまわり学生運動)。
◆3月26日
 北朝鮮、中距離弾道ミサイル「ノドン」2発を日本海に向け発射

◆3月27日
 静岡地裁、袴田事件の犯人として48年前に逮捕され、34年前に死刑判決が確定し拘置されている袴田死刑囚について、「重要な証拠が捜査機関に捏造された疑いがある」として、再審開始を認め、同時に「拘置を続けることは耐え難いほど正義に反する」との理由で刑と拘置の執行停止も決定、即日釈放。
◆3月31日
 国際司法裁判所、オーストラリアが日本の南氷洋における調査捕鯨を国際捕鯨取締条約違反として訴えた裁判で日本の調査捕鯨は「研究目的ではない」と述べ、条約違反と認定、今後実施しないよう命じる判決を下す
 フジテレビ『森田一義アワー 笑っていいとも!』が放送終了。1982年の放送開始から31年半の歴史に幕を下ろす。
◆4月1日
 消費税が5%から8%に増税
 武器輸出三原則に代わる新たな政府方針として防衛装備移転三原則を制定
◆4月7日
 渡辺喜美みんなの党代表、化粧品会社DHCからの8億円借入金問題を受け、党代表を辞任
◆4月16日
 クルーズ旅客船「セウォル号」が沈没、死者299人

◆5月22日
 タイ軍がクーデターを宣言。憲法を停止。
◆5月29日
 北朝鮮当局による拉致被害者再調査がストックホルムでの日朝協議により合意
(北朝鮮による日本人拉致問題 - Wikipedia参照)
◆5月30日
 内閣官房に内閣人事局を設置。初代局長には内閣官房副長官の加藤勝信を任命
◆6月12日〜7月13日
 2014 FIFAワールドカップ ブラジル大会
◆6月16日
 石原環境相が東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う除染廃棄物を保管する国の中間貯蔵施設建設をめぐり難航している福島県側との交渉について「最後は金目でしょ」と述べ、最終的に交付金など金銭で解決するとの見方を示したことに対し、佐藤雄平福島県知事らが批判。19日に発言を撤回し謝罪
◆6月21日
 富岡製糸場の世界文化遺産登録決定
◆6月26日
 終戦前後に現在の北朝鮮地域で死亡した日本人の遺族9人が墓参のため北京経由で北朝鮮に到着、7月5日迄滞在
◆7月1日
 北京で日朝局長級協議

 臨時閣議において、集団的自衛権の行使を条件付きで認める憲法解釈の変更を閣議決定
◆7月3日
 習近平・中国国家主席、国賓として韓国を初訪問。朴槿恵大統領とソウルの大統領府で会談。共同声明で、北朝鮮による「朝鮮半島での核兵器開発に断固として反対する」と明記。従軍慰安婦問題について、関係機関による共同研究を進める旨、声明付属文書に記載
◆7月10日
 1日に北京で開かれた日朝政府間協議の際、北朝鮮が複数の拉致被害者を含む約30人の日本人生存者リストを提示したと日本経済新聞が同日付朝刊で報じたことについて、菅官房長官が記者会見で否定
◆7月11日
  日本大使館は自衛隊創設記念行事の開催会場として予定していたソウルのロッテホテルが、前日の10日夜に「国民感情に触れる」などとして取消を通知したことに対しホテルに抗議。菅官房長官、岸田外相が遺憾の意を表明。レセプションについては日本大使公邸に会場を変更し予定通り開催

◆8月1日
  前日に解党した日本維新の会の「石原グループ」が「次世代の党」、「橋下グループ」が「日本維新の会」をそれぞれ結党
◆9月18日
 スコットランドでイギリスからの独立を問う住民投票を実施。結果は「否決」。
◆9月28日〜12月15日
 香港で雨傘革命(2014年香港反政府デモ)が起きる。最終的に警察の強制排除で終了
◆10月7日
 ノーベル物理学賞受賞者に赤崎勇・天野浩・中村修二の3人が決定
◆10月20日
 公選法違反疑惑で小渕経産相、松島法相が辞任
◆10月24日
 アジアインフラ投資銀行(AIIB)設立の覚書が中国で21カ国代表により結ばれる。
◆11月16日
 沖縄県知事選挙で翁長雄志が現職の仲井眞弘多を破り当選
◆11月19日
 みんなの党が解党決定
◆11月27日
 ユネスコの無形文化遺産に「和紙」が登録
◆12月15日
 海江田万里・民主党代表が衆院選(12月14日投開票)での「民主党の不振(63→73と10議席の増加にとどまった)」「海江田自身の落選」を理由に代表辞任を表明
◆12月17日
 アメリカ大統領バラク・オバマとキューバ国家評議会議長ラウル・カストロが両国の国交正常化交渉の開始を発表

新刊紹介:「経済」2025年5月号

「経済」5月号を俺の説明できる範囲で簡単に紹介します。
特集「人間の自由とマルクス」
◆未来社会と人間の自由(萩原伸次郎*1)
◆マルクスの疎外論から「自由な時間」を考える(岩佐茂*2)
◆現代日本の労働時間をめぐる戦い(福島利夫*3)
◆「生活時間」をめぐる研究と課題(水野谷武志*4)
◆のぞましい睡眠時間とは(杉田義郎)
◆若者の学び、自立を奪う高額比・奨学金(大内裕和*5)
◆AI・ネット社会と人間の自由(金谷義弘*6)
◆「ネオリベ経済学」と人間の自由(阿部太郎*7)
◆消費社会と現代社会(森脇丈子*8)
◆「自由な時間」獲得へのイメージトレーニング(長久啓太*9)
◆グローバル経済入門1(増田正人*10)
◆資本による労働の包摂と解放(関野秀明*11)

*1:横浜国立大学名誉教授。著書『アメリカ経済政策史:戦後「ケインズ連合」の興亡』(1996年、有斐閣)、『通商産業政策』(2003年、日本経済評論社)、『世界経済と企業行動:現代アメリカ経済分析序説』(2005年、大月書店)、『米国はいかにして世界経済を支配したか』(2008年、青灯社)、『日本の構造「改革」とTPP』(2011年、新日本出版社)、『TPP:アメリカ発、第3の構造改革』(2013年、かもがわ出版)、『オバマの経済政策とアベノミクス』(2015年、学習の友社)、『新自由主義と金融覇権:現代アメリカ経済政策史』(2016年、大月書店)、『トランプ政権とアメリカ経済:危機に瀕する「中間層重視の経済政策」』(2017年、学習の友社)、『世界経済危機と「資本論」』(2018年、新日本出版社)、『金融グローバリズムの経済学』(2019年、かもがわ出版)、『「新しい資本主義」の真実』(2023年、かもがわ出版)等

*2:一橋大学名誉教授。著書 『環境の思想:エコロジーとマルクス主義の接点』(1994年、創風社)、『環境保護の思想』(2007年、旬報社)、『マルクスの構想力:疎外論の射程』(2010年、社会評論社)、『マルクスとエコロジー』(共著、2016年、堀之内出版)、『マルクスの生活者の思想とアソシエーション』(2024年、櫻井書店)等

*3:専修大学名誉教授。著書『格差社会の統計分析』(編著、2009年、北海道大学図書刊行会)

*4:北海学園大学教授。著書『雇用労働者の労働時間と生活時間』(2005年、御茶の水書房)

*5:松山大学教授、中京大学教授を経て、武蔵大学教授。著書『教育基本法改正論批判』(2003年、白澤社)、『民主党は日本の教育をどう変える』(2010年、岩波ブックレット)、『ブラックバイトに騙されるな!』(2016年、集英社)、『奨学金が日本を滅ぼす』(2017年、朝日新書)、『ブラック化する教育2014-2018』(2018年、青土社)、『教育・権力・社会:ゆとり教育から入試改革問題まで』(2020年、青土社)、『なぜ日本の教育は迷走するのか:ブラック化する教育 2019-2022』(2022年、青土社)等

*6:宮崎大学名誉教授。著書『管理通貨と金融資本の蓄積』(1996年、文理閣)、『管理通貨と現代資本主義:インフレーションと投機の経済学』(2009年、文理閣)

*7:名古屋学院大学教授

*8:流通科学大学教授

*9:岡山県労働者学習協会職員。個人ブログ長久啓太の「勉客商売」

*10:法政大学教授

*11:下関市立大学教授。著書『現代の政治課題と「資本論」』(2013年、学習の友社)、『金融危機と恐慌』(2018年、新日本出版社)、『インフレ不況と「資本論」』(2024年、新日本出版社)

新刊紹介:「歴史評論」2025年4月号

特集「歴史学と科学運動の現在」
◆歴科協における科学運動(大日方純夫*1)
◆軍事主義国家への変容と歴科協(小林啓治*2)
◆2000年、あの頃のこと(野尻泰弘*3)
◆座談会「2000年代の歴科協を振り返って」(大橋幸泰*4、小嶋茂稔*5、高岡裕之*6、服藤早苗*7、源川真希*8、佐々木啓*9)
◆歴史のひろば「暉峻衆三さん*10の人と学問」(大門正克*11)
◆歴史の眼「佐渡島・世界遺産登録が歴史学研究に突きつける課題」(竹田和夫)

*1:早稲田大学名誉教授。著書『天皇制警察と民衆』(1987年、日本評論社)、『自由民権運動と立憲改進党』(1991年、早稲田大学出版部)、『日本近代国家の成立と警察』(1992年、校倉書房)、『警察の社会史』(1993年、岩波新書)、『近代日本の警察と地域社会』(2000年、筑摩書房)、『近現代史考究の座標』(2007年、校倉書房)、『自由民権期の社会』(2012年、敬文舎)、『維新政府の密偵たち:御庭番と警察のあいだ』(2013年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『「主権国家』成立の内と外』(2016年、吉川弘文館)、『世界の中の近代日本と東アジア』(2021年、吉川弘文館)、『唱歌「蛍の光」と帝国日本』(2022年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『近現代日本の警察と国家・地域』(2024年、日本評論社)等

*2:京都府立大学教授。著書『国際秩序の形成と近代日本』(2002年、吉川弘文館)、『総力戦とデモクラシー』(2007年、吉川弘文館)、『総力戦体制の正体』(2016年、柏書房)

*3:明治大学教授。著書『近世日本の支配構造と藩地域』(2014年、吉川弘文館)

*4:早稲田大学教授。著書『キリシタン民衆史の研究』(2001年、東京堂出版)、『検証・島原天草一揆』(2008年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー) 、『潜伏キリシタン:江戸時代の禁教政策と民衆』(2014年、講談社選書メチエ→2019年、講談社学術文庫)、『近世潜伏宗教論:キリシタンと隠し念仏』(2017年、校倉書房)、『近世日本邪正論:江戸時代の秩序維持とキリシタン・隠れ/隠し念仏』(2024年、勉誠社)

*5:東京学芸大学教授。著書『漢代国家統治の構造と展開:後漢国家論研究序説』(2009年、汲古書院)、『光武帝』(2023年、山川出版社世界史リブレット人)等

*6:関西学院大学教授。著書『増補・総力戦体制と「福祉国家」:戦時期日本の「社会改革」構想』(2024年、岩波現代文庫)

*7:埼玉学園大学名誉教授。著書『平安朝の母と子』(1991年、中公新書)、『家成立史の研究』(1991年、校倉書房)、『平安朝の女と男』(1995年、中公新書)、『平安朝の家と女性』(1997年、平凡社選書)、『平安朝女性のライフサイクル』(1998年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『「源氏物語」の時代を生きた女性たち』(2000年、NHKライブラリー→2023年12月刊行予定、NHK出版新書)、『平安朝に老いを学ぶ』(2001年、朝日選書)、『平安王朝の子どもたち』(2004年、吉川弘文館)、『平安朝女の生き方』(2004年、小学館)、『平安王朝社会のジェンダー』(2005年、校倉書房)、『平安朝の父と子』(2010年、中公新書)、『古代・中世の芸能と買売春』(2012年、明石書店)、『平安王朝の五節舞姫・童女』(2015年、塙選書)、『藤原彰子』(2019年、吉川弘文館人物叢書)等

*8:東京都立大学教授。著書『近現代日本の地域政治構造:大正デモクラシーの崩壊と普選体制の確立』(2001年、日本経済評論社)、『東京市政』(2007年、日本経済評論社)、『近衛新体制の思想と政治』(2009年、有志舎)、『総力戦のなかの日本政治』(2017年、吉川弘文館)、『首都改造:東京の再開発と都市政治』(2020年、吉川弘文館)、『東京史』(2023年、ちくま新書)等

*9:茨城大学教授。著書『「産業戦士」の時代:戦時期日本の労働力動員と支配秩序』(2019年、大月書店)

*10:1924~2023年。宇都宮大学名誉教授。著書『日本資本主義の食と農』(2011年、筑波書房ブックレット)、『わが農業問題研究の軌跡』(2013年、御茶の水書房)等

*11:横浜国立大学名誉教授。著書『明治・大正の農村』(1992年、岩波ブックレット)、『近代日本と農村社会』(1994年、日本経済評論社)、『民衆の教育経験』(2000年、青木書店→増補版、2019年、岩波現代文庫)、『歴史への問い/現在への問い』(2008年、校倉書房)、『語る歴史、聞く歴史:オーラル・ヒストリーの現場から』(2017年、岩波新書)、『日常世界に足場をおく歴史学』(2019年、本の泉社)、『世界の片隅で日本国憲法をたぐりよせる』(2023年、岩波ブックレット)

新刊紹介:「経済」2025年4月号

世界と日本
◆トランプの「米国第一主義」(西村央)
(内容紹介)
 トランプの「米国第一主義」を批判。
 しかし「楽観論は禁物」だが、国内外(例えば国内では米国民主党)で、トランプへの批判があり、「報復関税」「イスラエル擁護」などの無法な外交路線を挫折に追い込むことは決して不可能ではないと思うとしている。


◆中国経済、困難打開を模索(平井潤一)
(内容紹介)
 中国経済に対する政府の景気刺激策について論じられているが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


◆ソウル地下鉄労働者の一人勤務(洪相鉉)
(内容紹介)
 一人勤務とは「コストカット目的のいわゆるワンオペ」であり、労働者の健康維持や地下鉄の安全確保の観点から批判されている。


特集「人権と尊厳まもる高齢社会を」
◆高齢社会を支える社会保障へ:社会保障抑制策の問題点と課題(唐鎌直義*1)
(内容紹介)
 政府の社会保障費抑制政策が批判されています。
 いわゆる「全世代型社会保障」について「高齢者福祉を切り捨てるための口実」にすぎず、また「全世代」と言う言葉で「世代間対立が助長されかねないこと」、また「世代」を強調することで「富裕層(個人だけでなく大企業含む)への負担」と言う問題を隠蔽していると批判。
 なお、高齢者福祉については「外国と比べ決して恵まれた物ではなく」、むしろ予算増が必要であるとしている(現状の予算増加は高齢者の増加に寄るところが大きく、高齢者福祉自体が充実したとは言いがたい)。


◆「100年安心の年金」で高齢者はどうなったか:今こそ最低保障年金制度創設を(吉田務*2)
(内容紹介)
 「100年安心」といったところで「マクロ経済スライドで支給額を減らすから続けられる」という「低年金」を前提とした話であり、評価できる物ではないと批判。マクロ経済スライドを辞めると共に、最低保証年金制度(国庫負担)を創設すべきとしている。なお、全日本年金者組合は
1)健康で文化的な最低限度の生活(憲法25条)と
2)年金財政の現実
を考慮し、ひとまず「月額8万円」を最低年金支給額としている(その程度なければ、憲法25条の趣旨に叶う生活は困難だし、その程度なら財政のやりくりで賄えるという見通し)。


◆高齢者の仕事と生活の状況:調査から見えてきたもの(石川由美*3)
(内容紹介)
 高齢労働者を対象にしたアンケート調査から以下の事が分かった。
・最も多かった雇用形態は非正規雇用。
・働く主な理由は「生活費の獲得」であった。
・仕事で得られる月収は回答者の6割が15万円未満であった。
・収入の低さを反映してか、旅行については「ほとんど行かない(5割程度)」「年1回程度(2割程度)」で7割程度。
 改めて日本の高齢者の多くが「低年金」のために「働かざるを得ないこと」が確認できた。


◆「全世代型社会保障改革」と公的医療保険:国保・後期高齢者医療制度の動向(長友薫輝*4)
(内容紹介)
 「全世代型社会保障改革」とは結局、国保(国民健康保険:例えば最近話題となった高額医療費の自己負担額引き上げ問題)、後期高齢者医療制度について言えば、「負担増と給付減」にすぎないのではないかと批判。


◆介護事業の存続・発展は国の責任:介護の社会化を(黒岡有子*5)
(内容紹介)
 介護保険について
1)「負担増(高い利用料)」によって貧困者には使いづらい
2)「介護報酬抑制」によって介護サービス事業者の経営が不安定(倒産もあり得る)。またその結果として、介護労働者が劣悪な労働条件(長時間、低賃金)に置かれ、離職率が高く、「人手不足」が発生している。また離職率の高さから、介護労働者の平均年齢も高い(その結果として、体力の無い高齢労働者のため、介護事故も起きやすくなる)。このままでは若手労働者が入らないことによる介護崩壊すら危惧される。
 「やっていい」わけではないし、「労働条件の劣悪さ」が理由の全てではありえないが、劣悪な労働条件は「介護労働者による高齢者虐待」を助長してるとも思われる。
と指摘。
 利用料を低廉化(その為には介護保険の運営について、大幅な国庫負担)し、また介護報酬を引き上げることが必要だとしている。


◆高齢者の「いのちのとりで」裁判:生活保護から生活保障へ(中野加奈子*6)
(内容紹介)
 いわゆる「いのちのとりで」裁判は高齢者だけが参加してるわけではないですが、高齢者にとっての、この裁判の意義が論じられています。小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


特集「労働基準法の骨抜き狙う厚労省研究会『報告書』批判」
◆誌上検討会『労働基準関係法制研究会「報告書」の問題点と労働現場』(土井直樹(全労連常任幹事)、伊藤圭一(元全労連雇用・労働法制局長)、米沢哲(日本医労連書記長))
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

〈社説〉労基法の見直し 権利保障の土台を崩すな|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト2025.2.23
 働く人の権利を確保する仕組みが土台から崩れかねない。制度改定の動きを注意深く見ていく必要がある。
 厚生労働省が進めている労働基準法の見直しだ。学識者らの研究会による報告書を踏まえ、労働政策審議会(労政審)で具体化に向けた議論が始まった。早ければ2026年の通常国会に法案を提出するという。
 下敷きになったのは、経団連による提言だ。「労使自治」を労働法制の軸に据え、労働時間規制の適用を除外する範囲の拡大などを求めた。昨年、厚労省の研究会が初回の会合を持ったのは、提言の1週間後だった。
 報告書は、働き方が多様化する現状に、労基法による一律の規制はもはやそぐわないかのように言う。だが、なぜそう言えるのか。大事なのはむしろ、最低限の基準を徹底して、より確かなものにすることであり、権利の保障をゆるがせにすることではない。
 一見もっともらしい「労使の合意」や「自治」の名の下に、強い立場にある使用者側に都合がいい条件をのまされるだけになりかねない。働き手がなおさら苦しい立場に追い込まれる懸念がある。労働基準法制の根幹が損なわれないよう、労政審での議論に目を凝らさなくてはならない。

副業の割増賃金、連合が「現行制度の堅持」主張 厚労省研究会に反論:朝日新聞2024.11.21
 労働者が副業した場合に本業との労働時間を通算して法定外労働分の割増賃金を計算する現行制度について、労働組合の中央組織・連合は21日、「堅持すべきだ」とする見解を示した。厚生労働省の有識者研究会は、副業の促進に向けて労働時間を通算しない制度への見直しを提言しており、これに反論した形だ。

労働基準関係法制研究会に対する意見書 | 日本労働弁護団
赤旗
労基法適用外し推進/厚労省研究会「たたき台」2024.11.13
主張/労働時間規制外し/許されない労働基準法の解体2024.12.4
労働時間規制外し 整備/厚労省法制研究会が「報告書案」2024.12.11
労基法規制外し容易に/厚労省研究会 報告書案を大筋了承2024.12.25


◆国際的動向から問われる日本の労働基準:厚労省『労働基準関係法制研究会報告書』批判(脇田滋*7)
(内容紹介)
 1)日本の労働基準はILO(国際労働機関)やEUなどの基準に比べ低いこと、2)EUなどは全てを労使自治に委ねてるわけではなく、労働条件について一定の法規制を行っていることを指摘。
 現状でも「労働基準が低い」のに規制強化どころか規制緩和(労使自治に大幅に委ねる)の方向を打ち出した労働基準関係法制研究会「報告書」を批判している。


◆教員現場の求める給特法の改正と「デロゲーション(適用除外)」論(檀原毅也*8)
(内容紹介)
 教員版「ホワイトカラーエグザンプション(時間外労働ただ働き)」となってる給特法(公立学校*9教職員給与特別措置法)を廃止し、残業手当をきちんと払うことを主張。


◆賃上げ、消費税減税、社会保障充実の経済効果:暮らし応援の政治へ(有働正治*10)
(内容紹介)
 統計データを元とした筆者の試算から賃上げ、消費税減税、社会保障充実の経済効果(雇用創出効果、内需拡大・景気刺激効果)が論じられてますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


◆「郵政民営化」で郵貯・簡保・郵便はどう変わったか(下)(佐々木憲昭*11)
(内容紹介)
 新刊紹介:「経済」2025年3月号 - bogus-simotukareのブログで紹介した「郵政民営化」で郵貯・簡保・郵便はどう変わったか(上)の続き。日本郵政グループの事業の内、将来はともかく少なくとも現時点では簡易保険、郵便貯金は黒字事業だが、郵便事業は
1)電子メールの普及
→年賀状が過去最低を記録したのは記憶に新しい
2)ヤマト運輸など同業他社の存在
3)過疎化が進む地方で郵便局維持の困難さ
等から赤字事業となっている。今後、郵便事業のリストラ(不採算として地方郵便局の統廃合)が危惧され、国民の監視が必要である。


◆書評:大西広*12『バブルと資本主義が日本をつぶす:人口減と貧困の資本論』(2024年、ちくま新書)(評者:小沢修司*13)
(内容紹介)
 小生には大西著書を評価する力量はありませんが

◆大西『長期法則とマルクス主義』(2018年、花伝社)
◆大西『マルクス経済学(第3版)』(2020年、慶應義塾大学出版会)
◆大西『マルクス派数理政治経済学』(編著、2021年、慶應義塾大学出版会)

等の著書があるマルクス主義経済学者で、また日本共産党員でもある大西氏が大手のちくま新書から出版されたことは、共産支持者として喜びに堪えないので紹介しておきます。
 他にも大西氏は大手出版社からは

◆大西『「人口ゼロ」の資本論:持続不可能になった資本主義』(2023年、講談社+α新書)

を出していますね。

*1:佐久大学特任教授。著書『日本の高齢者は本当にゆたかか』(2001年、萌文社)、『脱貧困の社会保障』(2012年、旬報社)

*2:年金者組合沖縄県本部委員長

*3:帝京平成大学准教授。著書『専門職としての介護職とは』(2023年、クリエイツかもがわ)

*4:仏教大学准教授。著書『長友先生、国保って何ですか』(共著、2013年、自治体研究社)等

*5:著書『権利としての介護保障をめざして』(2022年、学習の友社)

*6:大谷大学教授

*7:龍谷大学名誉教授。著書『労働法の規制緩和と公正雇用保障』(1995年、法律文化社)、『これだけは知っておこう派遣社員の悩みQ&A』(1999年、学習の友社)、『派遣・契約社員働き方のルール』(2002年、旬報社)、『労働法を考える』(2007年、新日本出版社)

*8:全教(全日本教職員組合)書記長

*9:正式法律名の文言「公立学校」から分かるように、国立、私立は対象外(国立、私立では給特法は適用されず時間外手当を払わないと違法になる)でありその点でも「理屈にあわない(国立、私立まで対象とするのは政治的に難しいし、公立だけでも大幅な予算削減になるという、政治的判断でそうなっただけの話で、公立だけ特別扱いの正当な理由はない)」と言う批判がある。

*10:元参院議員(1992~1998年)。著書『革新都政史論』(1989年、新日本文庫)、『まちで雇用をふやす:公共事業より巨大な社会保障・医療の経済効果』(2004年、自治体研究社)

*11:1945年生まれ。元衆院議員(1996~2014年)。日本共産党名誉役員。著書『現代エネルギー危機論』(1978年、新日本出版社)、『記録米・イラン危機』(1980年、連合出版)、『暮らしのなかのエネルギー危機』(1981年、新日本新書)、『転換期の日本経済』(1983年、新日本出版社)、『どうみる世界と日本の経済』(1986年、新日本出版社)、『おしよせる大失業』(1987年、新日本出版社)、『変貌する財界:日本経団連の分析』(2007年、新日本出版社)、『財界支配:日本経団連の実相』(2016年、新日本出版社)、『日本の支配者』(2019年、新日本出版社)

*12:京都大学名誉教授、慶應義塾大学名誉教授。著書『資本主義以前の「社会主義」と資本主義後の社会主義』(1992年、大月書店)、『環太平洋諸国の興亡と相互依存』(1998年、京都大学学術出版会)、『グローバリゼーションから軍事的帝国主義へ』(2003年、大月書店)、『中国はいま何を考えているか』(2005年、大月書店)、『現場からの中国論』(2009年、大月書店)、『中国に主張すべきは何か』(2012年、かもがわ出版)、『ウクライナ戦争と分断される世界』(2022年、本の泉社)、『反米の選択:トランプ再来で増大する”従属”のコスト』(2024年、ワニブックスPLUS新書)等

*13:京都府立大学名誉教授。著書『生活経済学』(2000年、文理閣)、『福祉社会と社会保障改革:ベーシック・インカム構想の新地平』(2002年、高菅出版)

新刊紹介:「前衛」2025年4月号

◆グラビア「3.11震災を見つめ続けて」(亀田昭雄)
(内容紹介)
 写真集『3.11震災を見つめ続けて』(2024年、新日本出版社)を刊行した筆者が東日本大震災について色々と思い(東電事故を教訓として脱原発に動くべきであるなど)を述べていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


通常国会の焦点と課題を見る
◆続・「減らない年金」はどうすれば実現できるか(上):マクロ経済スライド廃止の展望を考える(垣内亮*1)
(内容紹介)
 Q&A方式で書いてみます。
Q:
 マクロ経済スライドの問題点は何でしょうか?
A:
 第一に消費税についていわゆる逆進性(低収入の人間ほど負担率が大きい)が言われますが、マクロスライドにも逆進性があります。
 年金支給額が少ないほど、削減率が大きくなってしまいます。
 これはマクロスライドでは、その制度上、基礎年金(いわゆる1階建て)は削減期間(調整期間)が長期間に及ぶ一方で、民間企業サラリーマンの厚生年金や公務員、教員の共済年金といった報酬比例年金(いわゆる2階建て)は削減期間が短期間ですむ*2からです。基礎年金しかもらってないと削減率が結果として高くなる。
 なお、そうした意味では「厚生年金加入者が増えること」は「低年金者を減らす」と言う意義があり、いわゆる「企業規模要件撤廃(現在は51人未満の企業なら加入不要)」「年収要件(いわゆる年収106万円の壁)撤廃」などの政府の「厚生年金加入者拡大方針」それ自体は正しい方向として支持できます(政府方針よりももっと早く撤廃すべきだと思いますが)。
 第二に平たく言うと、マクロスライドは「現役世代の減少(少子化)」「年金世代の増加(平均寿命の延び)」を反映して物価上昇率から相殺するという代物ですので、「物価上昇率3%」だとして極端な話「現役世代の減少、年金世代の増加」で「マイナス3%」だとプラスマイナスゼロだと全く上がらない一方で、「物価上昇率2%」でも「現役世代の減少、年金世代の増加」が「マイナス0.5%」なら「プラス1.5%」でマクロスライドで減る物の年金額は上がるという結果になり「物価上昇率と年金上昇」が全く直結しません。
 第三に現在、巨額の積立金が発生しています。政府は「必要な余剰金」としていますが、果たしてそう言えるかは疑問です。
 「マクロスライドの逆進性」については厚生労働省も問題視しており「基礎年金のみ加入者」と「比例報酬年金加入者」の調整期間を同じにし、「逆進性をなくす方針」が最近出されています。方向性としては正しいと思いますが、問題は厚労省の提案した具体案です。この案だと「遠い将来」はともかく、現在、比例報酬年金を支給されてる人間は「現行のマクロスライド」よりもかなりの減額になります。比例報酬年金受給者すべてが「低年金ではない」とはいえず「全日本年金者組合」など当事者から厚労省案に批判が出るのは当然でしょう。
(以下、次回に続きます)
参考

「マクロ経済スライド」の破綻は明瞭/小池書記局長2024.7.4
 物価高騰に苦しむ現在の年金生活者はもちろん、今後、年金を受けとる現役世代・若年世代にまで年金カットを押しつける仕組みは、抜本的に見直すべきだ。
 日本共産党は、「マクロ経済スライド」などの年金削減の仕組みを廃止し、「物価に応じて増える年金」にする。低年金の底上げ、最低保障年金の導入など「頼れる年金」への改革を進める。


◆サイバー防御に隠れた「能動的サイバー防御法案」の危険な狙い(井原聡*3)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
能動的サイバー法案 閣議決定/山添氏「法案撤回を」/大軍拡計画の一つと批判2025.2.8

主張/サイバー法案/戦争国家づくりの危険な一環2025.2.14
 現行の通信傍受法では裁判所の令状が必要とされているのに、そうした司法の判断さえなく、通信が政府の常時監視下に置かれかねません。
 無害化措置を国外にあるサーバーに行う場合、誤認や行き過ぎがあれば、その国から主権を侵害されたとか、攻撃をされたとみなされ、反撃や報復を受ける危険もあります。それがサイバー上にとどまる保証もありません。
 外国との深刻な国際問題や武力紛争にもつながりかねない法案は、徹底審議の上で廃案にすべきです。

2025焦点・論点/「能動的サイバー防御」法案とは/東北大学名誉教授(科学史) 井原聰さん/警察など「通信の秘密」侵害 「未然防止」口実に先制攻撃2025.2.16
 警察・自衛隊による措置は(ボーガス注:新たに設置する)サイバー通信情報監理委員会の承認を受けることになっていますが、「承認を得るいとまがないと認める特段の事由がある場合にはこの限りでない」として事後通知を認めていますので、形骸化が起こるでしょう。
 「インシデント(事件)が起こってから令状を取得し、捜査を行う刑事手続では十全な対処ができない」(サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議の提言)として、緊急性を理由に裁判所の令状もなしに対処できる制度にしていることも重大です。現行法の「通信傍受」でも裁判所の令状が必要で、司法判断なしに通信を監視下に置くことは大問題です。


◆政府の学術会議「法案」の何が問題か(岡田正則*4)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

法人化法案は学術会議の独立性破壊/学者の会が反対声明2025.2.16
 政府が進めている法案は、学術会議を国の機関から外して特殊法人とし、首相任命の「監事」や内閣府に置く「評価委員会」、外部者による会員候補者の「選定助言委員会」などを新設するとしています。
 学者の会の声明は、学術会議の活動の自主性は制約され、会員選考では専門知識を欠く者の「助言」に従わされると懸念。

主張/学術会議法人化/政治介入の制度化は撤回せよ2025.2.23
 特殊法人化によって現行の国庫負担はなくなり、国からの補助金は「行政改革」による効率化の対象となります。「財政基盤の多様化」の名で、学術会議自らが国や産業界などから資金を集めなければなりません。
 その結果、学術会議の発する助言は政府の意向や産業界の利益におもねるものにならざるを得ず、「科学者の代表機関」の役割は失われます。


特集「経団連の新提言が映し出す日本経済の歪み」
◆好循環の環を分断した経団連:大企業の巨額献金で政治動かす姿勢に固執(金子豊弘*5)
(内容紹介)
 経団連提言「FUTURE DESIGN 2040『成長と分配の好循環』~公正・公平で持続可能な社会を目指して~」について「成長と分配の好循環」「公正・公平で持続可能」と言いながら実際に目指してるものは、「消費税増税」「社会保障抑制」など「中小企業」「労働者」を犠牲にして「大企業収益を最大化しようとする物」であり、むしろ、そうしたスローガンに全く反する物であると批判。


◆「イノベーションの停滞」検証・分析無く:労働者保護法制を骨抜きに(藤田実*6)
(内容紹介)
 「高度プロフェショナル制度(日本版ホワイトカラーエグザンプション)の適用拡大」「解雇の金銭的解決制度導入(違法解雇について解雇無効で争うことが困難になりかねない)」等を主張する経団連新提言を批判。

経団連による「労働法制の見直し」施策に対する反対声明 | 日本労働弁護団(2025.2.3)から一部引用
 日本経済団体連合会(経団連)は、2024年12月9日、「FUTURE DESIGN 2040『成長と分配の好循環』~公正・公平で持続可能な社会を目指して~」と題する提言を発表した。
(1)ホワイトカラーエグゼンプションの導入
 これは、労働基準法の労働時間規制を適用しない制度(いわゆるホワイトカラーエグゼンプション)を導入することを求めるものに他ならない。
 2018年6月28日に成立した働き方改革関連法においては、「高度プロフェッショナル制度」が創設された。同制度は、労働基準法に基づく労働時間規制を全て外すものであって、極めて危険な制度であるものの、対象業務や年収要件を含む対象労働者の範囲等が厳格に制限され、労使委員会の決議を含む一定の手続要件が加えられている。経団連は、この高度プロフェッショナル制度や裁量労働制は「対象業務が厳格に限定されているほか、手続きが煩雑であり、ほとんど活用されていない」としており(本提言における「現状認識」)、本提言において、自らが繰り返し創設を求めてきたホワイトカラーエグゼンプションを再び取り上げ、労働時間規制を適用しない労働者を更に拡大することを目論んでいるのである。高度プロフェッショナル制度については、2015年時点において、塩崎恭久*7厚生労働相(当時)が、経営者らに対し、年収要件等を念頭に「それはちょっとぐっと我慢していただいてですね、まあとりあえず通すことだといって、合意をしてくれると大変ありがたい」、「小さく産んで大きく育てる」と発言したことが問題視された。経団連の本提言は、まさに高度プロフェッショナル制度を「小さく産んで大きく育てる」ことを実現するものであって、許されるものではない。
(2) 解雇の金銭解決制度の導入・解雇規制の緩和
 不当な解雇に直面した労働者が十分な補償を受けられる環境の整備、雇用のセーフティネットの強化が挙げられている。
 経団連が「解雇に関する紛争解決制度の現状」において、金銭解決における解決金額のバラツキを指摘していることを踏まえれば、同施策は、いわゆる「解雇の金銭解決制度」の導入を推進するものと解される。
 「解雇の金銭解決制度」が導入され、柔軟性を欠いた基準での金銭解決を強いられることがあれば、労働者の職場復帰の可能性は限定され、現状行われている労使の様々な事情を考慮した柔軟な解決金額の決定が阻害される恐れが高く、労働者側が被る不利益は甚大である。
 当弁護団として、本提言に反対を表明すると共に、このような提言を基に、労働法制の見直しが行われることのないように求めるものである。


◆原発回帰に執念燃やす経団連、前面に立って支える石破自公政権:原発でなく再エネでこそ日本経済に道は開かれる(鈴木剛*8)
(内容紹介)
 原発推進を目指す経団連提言「FUTURE DESIGN 2040『成長と分配の好循環』~公正・公平で持続可能な社会を目指して~」を批判。

エネルギー基本計画見直しへ 経団連が原発の最大限の活用提言 | NHK | 各地の原発2024.11.22
 現在の「エネルギー基本計画」に記載されている「可能な限り原発依存度を低減する」という文言を削除して原子力発電を最大限活用する方針を明示することや、原発の再稼働をはじめ、建て替えや新増設、次世代革新炉の開発などを求めています。


特集「非正規雇用・不安定就労の現在」
◆人手不足下の女性雇用形態の変容、拡大する新たな不安定就労(伍賀一道*9)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

「夫いるから低賃金で大丈夫?」 非正規女性、進まぬ待遇改善 和光大名誉教授・竹信三恵子さんに聞く:北海道新聞デジタル2025.2.11
 働く女性の半数を占める非正規労働者。不安定雇用や低賃金など、待遇の改善がなかなか進まないのはなぜか。ジェンダーや貧困の問題に取り組む和光大名誉教授の竹信三恵子さん*10(71)は、背景に「女性には(生活を支える)夫がいるから、賃金が安くても大丈夫」という「夫セーフティーネット*11」の考え方などがあると指摘する。


◆スキマバイト(スポットワーク)の問題点(中村和雄*12)
(内容紹介)
 「違法労働(偽装請負や闇バイトなど)」等の問題点を指摘。ネット上の記事等の紹介で代替。

タイミー - Wikipedia参照
【過去のトラブル】
◆愛知県知事リコール署名偽造事件に関わるトラブル
 2020年(令和2年)8月から11月にかけて実施された大村愛知県知事に対するリコール運動において集められた署名の中に、偽造が疑われるものがあった。これに関連して、当該偽造に協力するアルバイトの募集のために用いられた求人媒体の一つに、タイミーがあったと一部SNSにて指摘された。タイミーはこれに関して謝罪の声明文を掲出している。
◆闇バイト疑惑がある求人情報を巡っての批判
 2024年(令和6年)11月7日、深夜に猫を探す求人募集が掲載された。この求人情報は報酬が高額であったことや情報漏洩防止の為に携帯電話を預かる旨の記載があったことから、「闇バイトではないか(『猫』とは高級車など窃盗対象物の隠語ではないか?)」との指摘と同時に「求人募集に対する審査が甘いのではないか」との批判がSNSや識者の間であがった。これを受けて、タイミーは該当の求人募集を削除し謝罪すると共に利用者に対して怪しい求人を見かけた際はタイミーに通報するよう呼び掛けた。
→これについては例えばタイミーに「闇バイト」の求人掲載か、「夜道で猫を探すバイト」SNSで疑惑指摘…募集会社の正体は? - 弁護士ドットコム(2024.11.8)、タイミーの闇バイト掲載疑惑 巧妙化する求人、仲介企業の責任重く:日経ビジネス電子版(2024.11.11)、突然届いたDM「闇バイト人ごとではない」、「夜道で猫探し」は?:朝日新聞(2024.11.21)、
タイミー、闇バイトの求人掲載防止対策を公表 通報機能の設置も | 毎日新聞、“スキマ時間”のアルバイト 仲介会社が闇バイト対策を発表 | NHK | 東京都、「タイミー」全ての求人を掲載前に確認 「夜道で猫探し」“闇バイト”と指摘される求人が掲載された問題受け | TBS NEWS DIG(いずれも2024.12.6)参照

愛知県知事リコール署名偽造事件 - Wikipedia参照
【2020年】
・11月20日
 「署名が偽造されている可能性が極めて高い」として、弁護士有志が「不正リコールを許さない市民の会」を結成。
・12月22日
 神谷和利愛知県議、小林晃三、新美交陽、磯貝忠通碧南市議、山下政良*13田原市長の名前が無断で署名に使われていたことが判明。
【2021年】
・2月1日
  愛知県選挙管理委員会は、提出された署名の83.2%にあたる約36万2千人分が無効との調査結果を発表。無効と判断された署名のうち、約90%が同一人物によって書かれた可能性があるとした。
・2月3日
 弥富市議5人が署名簿に名前を勝手に書かれたとして、容疑者不詳の告訴状を名古屋地検に提出
・2月5日
 碧南市議3人が、署名簿に名前を勝手に書かれたとして、容疑者不詳の告発状を碧南警察署に提出。
・2月15日
 愛知県選挙管理委員会は地方自治法違反の疑いで、容疑者不詳の告発状を愛知県警察に提出。
・2月17日
 アルバイト募集アプリ「タイミー」を運営する株式会社タイミーは、署名偽造のアルバイト求人が掲載されていたことに関し、謝罪声明を発表。

・3月18日
 NHK『クローズアップ現代プラス』でリコール不正署名問題が取り上げられる。
・3月24日
 愛知県警は地方自治法違反(署名偽造)の疑いで、「愛知100万人リコールの会」旧事務所を家宅捜索。
・4月15日
 「愛知100万人リコールの会」副事務局長で常滑市議の山田豪は市議会に辞職願を提出。山田は辞職願提出後、中日新聞のインタビューに応じ、田中孝博*14事務局長の指示で署名偽造に関与したことを認めた。
・5月19日
 愛知県警が田中孝博「愛知100万人リコールの会」事務局長、田中の妻、次男、「リコールの会」会計責任者の渡辺美智代(当時、「日本維新の会衆議院愛知県第5選挙区支部」の会計責任者)を地方自治法違反(署名偽造)の疑いで逮捕。大村*15県知事は記者団の取材に応じ、「このリコール活動は河村*16名古屋市長(「愛知100万人リコールの会」応援団長)が言い出して始まったこと。ひたすら言い逃れ、責任逃れをする、逮捕された田中氏に全部責任をかぶせて逃げようとする、極めてみっともない話だと思う。全て事実を明らかにして河村氏が(市長を辞任し)責任を取るべきだ」と述べた。
・5月24日
 高須克弥(「愛知100万人リコールの会」会長、高須クリニック創業者)の秘書「鈴木美由紀」の自宅や、鈴木が役員を務める名古屋市内の会社を愛知県警が地方自治法違反(署名偽造)の疑いで家宅捜索していたこと、また県警が2月以降、鈴木を複数回任意で事情聴取したことが明らかとなった。
・6月23日
 佐賀市で田中から署名の偽造を請け負った広告関連会社元社長・山口彬が書類送検された。
・6月29日
 名古屋地検が「リコールの会元事務局長」田中と田中の次男、田中から署名偽造を請け負った広告関連会社元社長・山口を地方自治法違反(署名偽造)の疑いで起訴。一方、田中の妻と「リコールの会」会計責任者の渡辺は処分保留で釈放された。
・9月15日
  愛知県警が山田「リコールの会元副事務局長」を地方自治法違反(署名偽造)の容疑で書類送検
・11月12日
 高須の秘書「鈴木」を地方自治法違反(署名偽造)の疑いで書類送検。
・11月16日
 高須の秘書「鈴木」への偽造指示の疑いについて「絶対にしません」と述べ、高須が改めて自らの関与を否定。
【2022年】
1月12日
 名古屋地裁が広告関連会社元社長・山口に懲役1年4月、執行猶予4年の有罪判決
3月16日
 名古屋地裁は田中の次男に懲役1年3月、執行猶予3年の有罪判決。
3月17日
 元常滑市議(元「リコールの会」副事務局長)の山田豪、田中の妻、高須の秘書「鈴木」らが不起訴処分(起訴猶予)
5月26日
 名古屋高裁は名古屋地裁判決(懲役1年4月、執行猶予4年)を支持し、山口の控訴を棄却。山口が上告しなかったため、判決が確定
【2024年】
4月19日
 名古屋地裁は田中(元「リコールの会」事務局長)に懲役2年、執行猶予4年の有罪判決
11月7日
 名古屋高裁は1審判決を支持し、田中の控訴を棄却。田中が上告しなかったため判決が確定。

 話が脱線しますが、兵庫県警には早急に立花孝志への強制捜査に乗り出してほしいですね。そして愛知のリコール署名偽造では「知らぬ存ぜぬ」で子分に責任を押しつけ、トカゲの尻尾切りで逃げた河村名古屋市長(その後の市長選でも「アホな名古屋市民」が、河村を当選させたあげく、現在は日本保守党の衆院議員)とは違い、斎藤兵庫県知事や立花にデマ情報を渡したとされる維新の神戸市議もきっちり断罪(刑事処罰)したいものです。

まるで「カイジの世界」のスキマバイト、主催した東京都の見解は…絶望した高校生は「夢」を変えた:東京新聞デジタル2025.1.9
 東京新聞「ニュースあなた発」に1通のメールが届いた。
 「東京都が関わる事業における法令違反案件として取材していただけると幸いです」
 送り主は高校3年の男子生徒だった。
 彼がスキマバイトで経験した現実は、漫画や映画で描かれた「カイジ*17の世界」だった。
 男子高校生は、東京都が2024年12月1日早朝から開催した自転車イベント「GRAND CYCLE TOKYO レインボーライド2024」の設営のスキマバイトをした。
 話をまとめると、
 ・点呼に時間がかかり、深夜の寒空の屋外で2時間以上待たされた
 ・その結果、十分な仮眠が取れなかった
 ・仮眠場所は何もない土足の床の上で、男女の境もなく雑魚寝だった
 ・雇い主ではない別の会社から作業の指示を受け、「偽装請負」を疑った
 ・不正の証拠を残すため隠し撮りをした
ということだった。高校生は、スキマバイトアプリ「タイミー」でマッチングした雇い主のWorkyou株式会社(東京都新宿区)への不信感を強めていく。
 男子高校生は、バイト現場で近くにいた50代くらいの男性ワーカーに意見を聞いた。
 「この会社おかしいですよね」
 「仮眠時間とされたところも、(ボーガス注:仮眠が取れてないので)勤務時間として修正依頼しようと思います」
 すると、男性は「自分は、修正依頼はしない。もめても無駄だよ」と言った。
 男子高校生は驚き、理由を聞くと、こう返答があった。
 「だって、会社側から評価下げられるから」
 この男性は、スキマバイトを掛け持ちして生計を立てていた。
 低評価を受けて、会社側から「ブロック」されるのが嫌だから、と説明した。

スポットワークやスキマバイト 46%余がトラブル経験 連合調査 | NHK | 働き方改革2025.1.26
 「働く上でのけがや事故防止について説明を受けたことがない」人が34.4%に上った一方で、説明を受けた人のうちの2割(20.1%)が「理解できなかった」と回答しました。
▽求人に応募する際、全体のおよそ4割(39.4%)の人が、雇用契約や業務委託契約など契約の形態を確認しておらず
▽全体のおよそ3人に1人(32.1%)が「スポットワーク」と正社員とでは失業給付や厚生年金など受けられる社会保障に違いがあることを知らなかったということです。
 連合は「時間の有効活用などから若者を中心に広がっているがトラブルなどの実態が浮き彫りになった。今の法律でスポットワークで働く人を守ることができるのか検証することが重要で連合としても国に働きかけていきたい」とコメントしています。

なぜ「違法」なスキマバイトがまかり通る? 規制をかいくぐる企業、孤立する労働者…潜入取材班が語り合った:東京新聞デジタル2025.2.5
 東京新聞では2024年12月から「スキマバイトの隙間」と題し、記者が実際に働き、現場に「潜入」*18してみて問題点を明らかにする報道を続けている。
◆加藤豊大記者
 一番びっくりしたのは違法な働き方が、思った以上に横行していること。「偽装請負」や原則禁止の「日雇い派遣」を強く疑わせる現場を記事にしてきたが、スキマバイトはそこへの入り口を広げている。私が知らないだけで「(ボーガス注:是非はともかく)適法になる何かがあるんだろう」と取材を進めたが、なかった。人材会社側が「ルールを守っていたら日本は回らない」と考えている実態も垣間見えた。
◆小川慎一記者
 スキマバイトをしてみて分かったのは、自分の働き方に疑問があっても、誰かに話す機会がないということ。それを言うと、企業側から低い評価をされ、仕事がしにくくなったり、アプリでブロックされたりする。問題が表面化しにくい。
◆中村真暁記者
 労働者が団結すると労働運動が起きるけど、スキマバイトはやっぱりスマホなんで、一人一人がばらばらなんですよね。
 労働者の権利がちゃんと守られていない労働の上で成り立っている社会に、私はいたのかっていう気づきもあった。配達とかイベントとか、誰かが用意してくれたものを、どんな労働があったかを知らず、私は受け取っていた。

 テレビ局もこうした実態*19を無視してスキマバイトのCMを流していいのかと言いたい。「シェアフル*20(井桁弘恵*21など)」「タイミー(橋本環奈*22など)」「メルカリハロ*23(二宮和也)」とか本当に今そういうテレビCMが多いですよね。そしてテレビCMでは「井桁、橋本、二宮と言った人気芸能人」によって「明るいイメージ」を広報し、「負の側面」などまるで紹介されないわけです。まさにテレビ局各社は「報道業者(村野瀬玲奈氏)」と呼ぶべきでしょう。

通勤中の事故はスキマバイトだと労災にならない? タイミー特許の「ある仕組み」が法の隙間を突いていた:東京新聞デジタル2025.2.6
 「労災不適用って。それ、公式の見解ですか?」
 神戸市で造園会社を営む男性(49)は、思わず聞き返した。
 2024年夏、タイミーの法人営業担当者から「人手不足で困っていませんか」との電話があった。
 何度か打ち合わせを重ねる中で、担当者がこう話した。
 「タイミーなら、ワーカーが通勤中に不慮の事故に遭っても労災不適用になります」
 通勤途中の労災適用のルールを尋ねると、そう返ってきた。
 「スキマバイトは企業にとって各種保険の負担が少ない。そこがまさにタイミーのポイントなんです」
 そんな「セールストーク」が続いたという。
 男性はこれを聞いて驚いた。
 通勤や退勤時間も、業務に関連した移動だと認められれば通常、労災保険が適用されるとの認識があったからだ。

 脱法行為(労災保険不加入)をセールストークにするとは何を考えてるのかと心底呆れます。なお、こうしたタイミーの主張については「法の曲解であり、間違い」との批判が当然あります。こうした批判記事を書く東京新聞を高く評価したい。スキマバイト報道に限らず、東京新聞は「既存メディアでは比較的まともな方」と思います。
 一方で「タイミーのCMを垂れ流し、スポンサーへの忖度か、こうした批判をまるでしない民放各局」は「報道業者(村野瀬玲奈氏)」と呼ぶべきでしょう。以前視聴した、TBS「がっちりマンデー」なんか「タイミーの回し者かよ?。いくらタイミーからもらってるんだよ?」と言うくらいベタベタに褒めまくってましたからね(起業2年で売上20億!面接なしで働ける「タイミー」って何?|がっちりマンデー!!|TBSテレビ参照)。まあ、TBS「がっちりマンデー」はタイミー以外も毎度毎度「企業礼賛ばかり」で「そんなに褒めて大丈夫なのか?」「企業広報かよ?」と言う酷さですが。
 まあ、一方では「兵庫県知事選問題」を追及する「報道特集」のようなまともな番組もありますが。

問題噴出のスキマバイト…通勤時の労災適用は?労基法違反対策は? 業界団体の報告会で「見解」が示された:東京新聞デジタル2025.3.1
 スマホの普及やデジタル技術進歩を背景に生まれたこの新しい働き方を巡っては、ルール整備の不備も指摘されている。
 その一つが、通勤・退勤時間帯に発生した事故でワーカーがけがをした場合、労災保険が適用されるかどうかがあいまいなこと*24だ。


◆シフト制労働と家計補助労働論(青龍美和子*25)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

なぜ大企業は非正規労働者への休業手当支払いを拒否するのか? « ハーバー・ビジネス・オンライン « ページ 3
 企業にとって都合の良すぎるシフト制労働者の働かせ方は、「シフト制労働は家計補助労働」であるという家計補助労働論によって容認されてきた。すなわち、パート・アルバイトなどのシフト制労働は、夫もしくは父親である男性正社員の収入を補助するために子どももしくは妻が行っている「家計補助労働」であり、収入が減っても労働者生活に大きな影響を与えないと考えられてきたのである。
 しかしこうした家計補助労働論は、ますます現実と合致しないようになっている。シフト制労働による収入がなければ普通の暮らしが送れないという労働者世帯が増えているのである。
 シフト制労働者は飲食産業で働く労働者の約8割を占め、シフト制労働者無しに飲食産業は成り立たない。シフト制労働者に大きく支えられながら、そのシフト制労働者の生活への責任を一切果たそうとしない大企業を放置していてはならないだろう。

コロナ禍で浮き彫りとなった非正規労働者・シフト制労働の問題 | 論文 | 自治体問題研究所(自治体研究社)
 シフト制労働者については、誤解されることが少なくありません。かつて、シフト制労働者は、男性の正社員に養われる「主婦パート」「学生アルバイト」であり「家計補助的な労働」だと考えられてきました。この考え方によると、シフト制労働者の収入は、お小遣い程度のもので、世帯収入に占める割合は小さく、シフトカット等により収入が減少したとしても、生活に大きな影響を与えるわけではないということになります。しかし、この考えは現在では通用しません。
 1990年代後半以降、非正規労働者の増加や正社員の賃金低下が進むとともに、アルバイトやパートの収入で家計を支える非正規労働者(世帯)が増え続けました。そのため、現在では、シフト制労働者の収入によって家計を支える世帯は少なくないという状況になっています。従来の「家計補助的な労働」という考えのままだと、必要な救済や対策を見誤ってしまうため注意が必要です。
 シフト制労働者の多くは女性であると考えられます。コロナ禍での「女性の貧困」が大きな社会問題となっていますが、その原因の一つは、(ボーガス注:低賃金であることが多い)シフト制労働にあると考えています。


戦後80年:戦争体験をどう受け継ぐのか
◆空襲被害者が願っていること:「特定空襲等被害者に対する一時金の支給等に関する法律」制定の政治決断をすべての国会議員と石破内閣に求める(黒岩哲彦*26)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

戦後処理問題 解決を/補償4団体 日本共産党に要請2025.2.22
 全国空襲被害者連絡協議会の黒岩哲彦運営委員長は「被害者の多くが亡くなっているが、(ボーガス注:原爆被害者への特別法を除き)民間空襲被害者に関する法律は全くない」と述べ、「特定空襲等被害者に対する一時金の支給等に関する法律」の通常国会での成立に尽力してほしいと要望。

戦後80年、自分たちにはもう時間がない…「空襲被害の補償」実現へ、被害者たちが今国会にかける思い:東京新聞デジタル2025.3.3
 2月19日、全国空襲被害者連絡協議会(全国空襲連)運営委員長の黒岩哲彦弁護士や、東京大空襲で家族を亡くした河合節子さん(85)らが、他の3団体*27とともに、自民党政務調査会の長坂康正*28厚労部会長と面会した。
 面会では、連携する超党派の国会議員連盟がまとめた救済法案のたたき台を説明した。

戦後80年の節目「今年こそ救済法を」 空襲被害者ら国会内で集会 [戦後80年]:朝日新聞2025.3.4
 全国空襲連の黒岩哲彦運営委員長は「ぜひ成立させて欲しい。国会で(首相から)『成立させる』という答弁を引き出してほしい」と議員らに呼びかけた。自民党の平沢勝栄*29議連会長は「今年は戦後80年。石破首相にも伝え、何としてでもやらなければならない」と述べた。

東京大空襲80年 “受忍論”にあらがう 被害者の救済はどうなる | NHK2025.2.18
 千葉市在住の河合節子さん(85)です。
 戦時中、家族は当時の東京・深川区*30、現在の江東区に暮らしていました。80年前の東京大空襲の時、河合さん自身は茨城県に疎開していて無事でしたが、母親と幼い弟2人が犠牲になりました。
 国は戦後、軍人や軍属、その遺族は年金の支給など補償する一方で、(ボーガス注:原爆被害者を除き)空襲の被害者は対象とされませんでした。
 1970年代から80年代にかけては、野党があわせて14回、被害者救済の法案を提出しましたが、いずれも廃案となりました。
 こうした背景にあるとされるのが、いわゆる「受忍論」です。
 2007年、(ボーガス注:河井さんら)東京大空襲の被害者や遺族は司法による解決を願い、国に対し、謝罪や賠償を求めて提訴しました。
 しかし、結果は敗訴。2013年に判決は確定しました。
 その後、与野党による議員連盟が発足し、議論は続いていますが、いまだ法案の提出には至っていません。(2025年2月現在)。
 判決の確定から10年あまり。事態が行き詰まる中、去年(2024年)秋、河合さんたちにとって、よい知らせがありました。
 被害者や遺族、支援者でつくる団体「全国空襲被害者連絡協議会」の元に、議員連盟に参加する国会議員から救済法の具体的な条文案が届いたのです。団体によると、裁判のあと、法律の条文案まで作られたのは初めてだということです。
 内容は、空襲で障害やケロイド、PTSDを負った人に一時金50万円を支給するというもの。河合さんのような遺族は対象にはなりません。
 このほか、遺族が求めてきた空襲被害の実態調査や追悼事業の実施も盛り込まれました。
 被害者や遺族を支援する黒岩哲彦弁護士
「一時金は控えめな金額ですけれども、今までのやり取りでのことなので、これはやむをえないことかと思っています。裁判に動き始めてからはもう20年くらいになる。やっともう一歩のところまで来たということじゃないかと思う」
 1月24日、通常国会の初日、河合さんたちは街頭に立って訴えました。空襲被害者の救済法案の成立。節目の戦後80年が、思いをかなえる最後の機会だと考えています。


◆座談会「平和、命と尊厳、人権が生きる沖縄へ みんなの力で」(白川よう子*31、久手堅幸子*32、原国まゆみ、宮里節子*33)
(内容紹介)
 米軍基地被害、特に「女性の性被害」について論じられていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


特集「国連女性差別撤廃委員会の日本政府への勧告を生かす」
◆女性の権利を国際標準に(柴田真佐子*34)
◆平和とジェンダー平等を前へ(平野恵美子*35)
(内容紹介)
 柴田氏が副会長を務める婦団連、平野氏が副会長を務める新婦人の「国連女性差別撤廃委員会での取組(ロビー活動)」について論じられてますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


◆日本のSRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)の遅れをただす(草野洋美*36)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

夫婦同姓強制 法改正を/女性差別撤廃委勧告 市民団体が会見2024.11.2
 ジョイセフの草野洋美さんは堕胎罪の廃止、安全な中絶や避妊法への障壁撤廃、すべての人たちのセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(SRHR)、子どもを含むLGBTQ+の人たちを差別から守る法整備を求め、「ほぼ要望通りに勧告が出された」と報告しました。

女性差別撤廃委員会の日本審査で指摘されたこと SRHRの観点から SDGsジャパンと考える~危機突破のカギ【6】:朝日新聞SDGs ACTION!(草野洋美)
 SRHRに関しては、共同執筆チームがレポートで要望した、刑法堕胎罪の撤廃、母体保護法に基づく中絶および自主的な不妊手術への配偶者同意の強制の撤廃、国際標準の近代的避妊法及び緊急避妊薬へのアクセス改善、包括的性教育の公教育への取り込みなど、ほぼ全てが勧告として発出されました。
 その中でも、「緊急避妊薬の利用を含む近代的な避妊中絶を選ぶ権利」及び「人工妊娠中絶に配偶者の同意を必要とする母体保護法の改正」については、2年以内に政府からの進捗報告を求めるフォローアップ付きの強い勧告となりました。
 すべてのジェンダーの人が、自分らしく、自分の性と身体を生きていくことが、SRHRであり、SRHRを守り推進することなしには、ジェンダー平等は達成できません。
 2025年は男女共同参画基本計画*37の更新年です。新たにできる第6次男女共同参画基本計画には、CEDAW委員会から発出された勧告を反映し、ジェンダー平等実現に近づけてほしいと思います。


◆論点『「超加工食品」科学的に明らかになる健康への脅威』(小倉正行*38)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。海外では規制強化の動きがあり、日本政府もそれを見習うべきだと主張。

大人気だが寿命を縮める?「超加工食品」とは | ボストン発 ウェルエイジング実践術 | 大西睦子 | 毎日新聞「医療プレミア」2019.3.7
 「超加工食品」という言葉をご存じでしょうか。大ざっぱにいうと、大量生産されてさまざまな加工が施され、調理しなくても簡単においしくいただける食べ物のことです。ハンバーガーにチキンナゲット、甘いソフトドリンク、チョコレートやキャンディー。手ごろな価格で、しかも魅力的に包装されて目につきやすく、世界中で大人気です。たとえば2016年に公表された論文によると、平均的な米国人は、超加工食品から摂取するカロリーが、食事の総カロリーの半分以上を占めるそうです。ところが、この超加工食品が、がん、脂質異常症、肥満や高血圧などの病気にかかるリスクを高めるという結果が、最近の研究で出ています。

危うい「超加工食品」 大量摂取でうつ病リスク約50%増 人工甘味料が関連か | ヘルスデーニュース | 毎日新聞「医療プレミア」2023.12.28
 超加工食品を大量に摂取する人は、うつ病のリスクが約50%高くなる可能性があり、特に人工甘味料との関連が大きいという。米マサチューセッツ総合病院の消化器科副医長で、米ハーバード大学医学大学院教授のAndrew Chan氏らによるこの研究の詳細は、「JAMA Network Open」に9月20日掲載された。

菓子パンや清涼飲料水…「超加工食品」多いほど食事の質低下 なぜ?:朝日新聞2024.10.18
 超加工食品とは、ブラジルの研究者が提唱した考え方だ。複数の食材を工業的に配合して製造された、加工の程度が非常に高い食品を指す。ハムやソーセージ、菓子パン、清涼飲料水、即席麺などが代表的なものとされる。ただし、分類方法やルールは研究者によって複数あり、統一されていない。
 海外では、超加工食品の大量摂取で肥満、循環器・脳血管疾患などの健康上のリスクを高めると指摘する研究が出ていた。

「超加工食品」を食べ過ぎると……死亡リスク顕著に上昇 | ヘルスデーニュース | 毎日新聞「医療プレミア」2025.1.21
 超加工食品の摂取量が多いと死亡リスクが高くなることを示すデータが報告された。特に、心臓病や糖尿病に関連した死亡のリスクが顕著に上昇する可能性があるという。米国立がん研究所(NCI)のErikka Loftfield氏らの研究によるもので、結果の詳細は米国栄養学会年次総会(NUTRITION 2024、6月29日~7月2日、シカゴ)で発表された。

 「超加工食品」とは平たく言えば「カップ麺やコンビニ弁当」など手軽に食べられるが「糖質、脂質、塩分」が過剰に含まれているため、その摂取が生活習慣病(糖尿病、心臓病、腎臓病、肝臓病など)の原因になりかねないと言うことでしょう。


◆暮らしの焦点『「看護師を置け、でも何をするかは知らない」児童相談所一時保護所の医療放置と制度設計の欺瞞』(三浦由佳)
(内容紹介)
 法令で児童相談所一時保護所には看護師の設置が義務付けられているが、法令上「何ができるか(すべきか)」は明確に定義づけられておらず、また十分な予算措置(人件費の確保)もされてないため、「非常勤看護師を1名*39しか置いておらず」事実上、機能しているとは言いがたい保護所もある。
 筆者は「法令によって、何ができるか(すべきか)や、置く人数を定める」とともに、予算措置を十分行い、看護師の勤務条件を改善すべきとしている。


◆ジェンダー覚書―The personal is political『子どもの性暴力・海外の取組』(梅村早江子*40)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介(時効撤廃論やSNS規制論など)で代替。特にコメントはしません。

性犯罪の時効「加害者の権利を守るもの」 英国サバイバーが撤廃訴え:朝日新聞2024.11.20
 子どもへの性暴力を防止するには何が必要なのか。海外で活動するサバイバー(性暴力被害当事者)ら4人が来日し、「子どもの権利条約」の採択を記念した「世界子どもの日」(20日)を前にした19日、東京・永田町の衆院議員会館で集会を開いた。
 英国から参加した人権活動家のマシュー・マクバリッシュさんは「時効は被害者が告訴するのをやめさせるものであり、被害者の権利より加害者の権利を守るものだ」として、公訴時効撤廃の必要性を説いた。

子供の性被害、民事時効撤廃へ 「正義追求可能に」―英:時事ドットコム2025.2.6
 英政府は5日、性的虐待を受けた子供が加害者に補償を求める民事訴訟について、イングランドとウェールズ地域で時効を撤廃*41する方針を明らかにした。「児童への性的虐待に関する独立調査委員会」が政府に提言していた。
 現行法では原則として、被害者が18歳になってから3年以内に提訴する必要がある。これに関し同委員会は「被害者が性的虐待について話せるようになるには何十年もかかる」ため、「かなりの数の訴えが却下されている」との証言を得ていた。

子どもSNS禁止、オーストラリアから広がるか 「日本からも関心」:朝日新聞2025.2.18
 オーストラリア議会が、(ボーガス注:子どもが性犯罪などの被害に遭うことを防止することを目的に)16歳未満のSNS利用を禁止する法案を昨年11月に可決した。現地メディアが「世界初」と報じる規制には、SNSを運営する事業者側の対応が欠かせない。法整備を後押しした団体は「他国も豪州に続いて」と、日本などの動きに期待を寄せる。


メディア時評
◆テレビ「求められる多様性の欠如への変革」(沢木啓三)
 新刊紹介:「前衛」2025年3月号 - bogus-simotukareのブログで触れた◆テレビ「テレビ業界全体に視聴者から疑惑の目」(沢木啓三:フジテレビ中居問題を取り上げた)の続きです。
 前回は触れられていなかった「中居の引退表明」「フジテレビやり直し会見」について触れられています。
 なお、

浜田敬子氏が指摘 フジテレビの企業風土めぐり「役員が非常に年齢が高めの男性が中心」 - 社会 : 日刊スポーツ2025.2.2
 AERA編集長を務めたジャーナリストの浜田敬子氏*42は2日、キャスター*43を務めるTBS系「サンデーモーニング」(日曜午前8時)に出演し、中居正広氏(52)の女性トラブル報道を発端にさまざまな問題が表面化したフジテレビについて言及した。
「重大な人権侵害があったといわれる人を起用し続けたことが、いまいちばん問われていること。ここには非常に、人権軽視やガバナンス不全ということがあったと思います」「その背景には、役員構成がある。長きにわたって非常に影響力を持った人*44、さらに役員が(ボーガス注:若手や女性が少なく)非常に年齢が高めの男性が中心で占められているという多様性のなさが、こういった判断につながったのではないか」と述べた。

と同様の指摘を沢木氏も行っています(コラムタイトルの「求められる多様性の欠如への変革」とはそうした意味です)
【参考:オールドボーイズクラブ】
 沢木氏や浜田氏と同様の主張をいくつか紹介しておきます。

「ボーイズクラブ」男だけの構造 男性側から改革を:東京新聞デジタル2022.3.5
 「ボーイズクラブ」が刑事事件につながったと指摘される例が、田中英寿*45前理事長が脱税の罪に問われている日本大だ。
 「論理性よりも組織への忠誠心が優先され、根回しと忖度で物事が決まっていた」と、女性学を研究する同大教授の吉原令子さん*46(57)。最大36人の理事会は、不祥事発覚時点で全員男性。前理事長と距離の近い人物が多数だった。
 教員有志で大学側に提出した改革案には「理事会の男女同数」を盛り込んだ。

女性役員3割求めフジに署名提出 民放労連、意思決定層の不均衡で:東京新聞デジタル2025.3.11
 日本民間放送労働組合連合会(民放労連)*47と日本マスコミ文化情報労組会議*48(MIC)は11日、メディア企業の女性役員を3割にすることを求める約2万5千筆の署名をフジと民放連に提出した。
 民放労連の岸田花子委員長は「自然に増えることはないので、アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)が必要。期限と数値目標を決めて取り組んでほしい」と話した。
 フジ問題の発覚後、民放労連は放送業界の意思決定層における男女の不均衡を問題視。「オールドボーイズクラブ*49」からの脱却を掲げて署名活動を始め、2月5日から3月6日までに2万5062筆が集まった。


文化の話題
◆演劇「加藤健一事務所「音楽劇・詩人の恋」」(寺田忠生)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

加藤健一、義宗親子が二人芝居の音楽劇 「詩人の恋」歌と歴史が交差 | 毎日新聞2025.1.14
 ドイツロマン派の作曲家、ロベルト・シューマン(1810~56年)の同名連作歌曲集を通奏メロディーとし、音楽教師と生徒の相克と和解、そしてそれぞれが背負う過去を描く二人芝居。師弟を演じるのは、加藤健一*50と息子の義宗。
 同作は米国の劇作家、ジョン・マランスが1995年に発表し、戯曲部門のピュリツァー賞候補にもなった。同事務所では2003年に初演され、その後再演を繰り返し、人気作へ成長した。


◆美術「阪神・淡路大震災から30年」(朽木一)
(内容紹介)
 兵庫県立美術館で開催された阪神・淡路大震災30年企画展「1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち」の紹介(3/9まで開催なので既に終了)。
参考

1995⇄2025 30年目のわたしたち | イベントを探す | 兵庫おでかけプラス | 神戸新聞NEXT
 被災体験や出身を問わず、世界で活躍する現代美術作家らに出展を依頼。國府理氏*51(故人)、束芋氏*52、田村友一郎氏、森山未來氏と梅田哲也氏、やなぎみわ氏、米田知子氏の6組7人が集まった。
 土地や歴史にまつわる事象を表す田村氏のインスタレーション「高波」は、マイクロソフト社のウィンドウズ95が発売され、オリックス・ブルーウェーブがリーグ初優勝した1995年当時の新聞を展示。能舞台を思わせる空間を通り、鑑賞者を30年前へといざなう仕掛けとなっている。
 写真家の米田氏(兵庫県明石市出身)は、震災から3カ月後の町並みを撮った白黒写真から、今回のために撮り下ろした(ボーガス注:震災のあった)1995年1月17日生まれの男女4人のポートレートまで、時系列で展示する。

【ハカセとNARIのときめくアート第38回】阪神・淡路大震災から30年の展覧会「1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち」兵庫県立美術館で3月9日まで – 美術展ナビ
 田村友一郎の作品《高波》は、1995年当時のビル・ゲイツのメールの件名に「Wave」という言葉があったことに着想を得て制作されました。展示室に入る前の廊下には、割られた盆栽のオブジェがあり、兵庫県ゆかりの能の演目「高砂」との関連も示唆されます。
 米田知子の最初の展示作品は、震災の10年後に撮影した被災地の写真です。1995年当時の白黒写真もあり、震災被害の厳しさを突きつけます。また、別の展示室には、1995年1月17日に神戸で誕生した人々の最近の写真が並び、「生」の尊さを感じずにはいられません。
 束芋は、浪人生のときに神戸市北区の実家で阪神・淡路大震災を経験しています。作家の記憶では、家族と灯油ストーブで餅を焼いて食べ、特別なシチュエーションから高揚感があったそうですが、家族の証言では、余震がある度に泣き、怯える姿があったといいます。《神戸の家》は作家が暮らした神戸の実家が、表現豊かなアニメーション作品となっています。
 やなぎみわの作品は、「古事記」に記されたイザナギとその妻イザナミの神話をモチーフにしています。
 國府理《水中エンジン》は、作家愛用の軽トラックのエンジンを水中で動かすという作品。壊れやすく、絶えずメンテナンスが必要であるが故に、東日本大震災での福島第一原発を想起させる作品でした。作家は2014年に不慮の事故で早逝。今回は、水中での稼働はないものの、そのオリジナルパーツ等を展示しています。
 森山未來、梅田哲也《浮標》は、同時開催の「注目作家紹介プログラム チャンネル15 森山未來、梅田哲也《艀》」と連動した展示となっています。《艀》は館内の別会場において無料公開(予約制・空きがあれば当日入場可)されていますので、両方見れば、より深く作品を楽しめます。

*1:日本共産党経済・社会保障政策委員会責任者(共産の役職は以下、全て中央委員会の機構と人事(第29回党大会)|党紹介│日本共産党中央委員会参照)。著書『消費税が日本をダメにする』(2012年、新日本出版社)、『「安倍増税」は日本を壊す』(2019年、新日本出版社)

*2:何故そうなるのか説明がありましたがよく理解できないので「そうなる」という結論だけ書いておきます。

*3:東北大学名誉教授

*4:早稲田大学教授(行政法)。菅政権が任命拒否した学術会議会員候補6人の一人。著書『ドイツ環境法』(2012年、成文堂)、『国の不法行為責任と公権力の概念史:国家賠償制度史研究』(2013年、弘文堂)、『学問と政治:学術会議任命拒否問題とは何か』(共著、2022年、岩波新書)等

*5:「前衛」副編集長

*6:桜美林大学教授。著書『日本経済の構造的危機を読み解く』(2014年、新日本出版社)、『戦後日本の労使関係』(2017年、大月書店)

*7:第一次安倍内閣官房長官、第三次安倍内閣厚労相等を歴任。現在は政界引退し、息子の塩崎彰久(岸田内閣で厚労大臣政務官)が地盤を継いでいる。中曽根内閣経企庁長官、海部内閣総務庁長官を務めた塩崎潤は父

*8:日本共産党原発・気候変動・エネルギー問題対策委員会事務局長

*9:金沢大学名誉教授。著書『現代資本主義と不安定就業問題』(1988年、御茶の水書房)、『雇用の弾力化と労働者派遣・職業紹介事業』(1999年、大月書店)、『「非正規大国」日本の雇用と労働』(2014年、新日本出版社)

*10:元朝日新聞編集委員。著書『ルポ雇用劣化不況』(2009年、岩波新書)、『女性を活用する国、しない国』(2010年、岩波ブックレット)、『ルポ賃金差別』(2012年、ちくま新書)、『しあわせに働ける社会へ』(2012年、岩波ジュニア新書)、『家事労働ハラスメント』(2013年、岩波新書)、『正社員消滅』(2017年、朝日新書)、『これを知らずに働けますか?:学生と考える、労働問題ソボクな疑問30』(2017年、ちくまプリマー新書)、『10代から考える生き方選び』(2020年、岩波ジュニア新書)、『女性不況サバイバル』(2023年、岩波新書)、『増補版・賃金破壊:労働運動を「犯罪」にする国』(2025年、旬報社:いわゆる関西生コン事件について警察、検察の労組弾圧として批判)等

*11:昔はともかく、今は単身女性も多いし、夫が居ても「夫も非正規で低賃金」はもはや珍しくないので考えとして明らかに間違っています。

*12:弁護士。「非正規労働者の権利実現全国会議」共同代表。著書『「非正規」をなくす方法:雇用、賃金、公契約』(共著、2015年、新日本出版社)

*13:2015年から田原市長(現在3期12年目の途中)

*14:元愛知県議(1995~2003年)

*15:自民党衆院議員(1996~2011年)を経て2011年から愛知県知事(現在、4期16年目の途中)。小泉内閣経産大臣政務官、麻生内閣厚労副大臣を歴任

*16:衆院議員(1993~2009年:民社党→自民党→日本新党→新進党→自由党→民主党→減税日本)、名古屋市長(2009~2024年)を経て2024年10月から日本保守党の衆院議員

*17:賭博黙示録カイジ - Wikipediaのこと。1996~1999年まで週刊ヤングマガジン(講談社)で連載。その後もシリーズ作品として『賭博破戒録カイジ』(2000~2004年)、『賭博堕天録カイジ』(2004~2008年)等が連載されている。2007~2008年まで『逆境無頼カイジ』のタイトルで日本テレビでアニメ放送。『カイジ 人生逆転ゲーム』(2009年)、『カイジ2 人生奪回ゲーム』(2011年)、『カイジ ファイナルゲーム』(2020年)のタイトルで映画公開(東宝配給)

*18:トヨタ自動車の工場で働いた鎌田慧の『自動車絶望工場』(講談社文庫)を連想しました。

*19:マスコミ報道では「名古屋での署名偽造バイト」「深夜の猫バイト(闇バイトの疑い濃厚)」などタイミー批判が多いですが、残念ながらこれはせいぜい「タイミーが特に酷い」あるいは「最大シェアなので問題が表面化しやすい」程度の話でしかないでしょう。

*20:人材派遣会社のパーソルホールディングス(旧称:テンプスタッフ)と請負業務のマッチングサービスを提供するランサーズが出資し2019年に設立(シェアフル - Wikipedia参照)

*21:1997年生まれ。2018年にゼクシィ(リクルートの結婚情報誌)のCMガールオーディションに合格し11代目CMガールに就任(井桁弘恵 - Wikipedia参照)

*22:1999年生まれ。2024年後期のNHK連続テレビ小説『おむすび』に主演(橋本環奈 - Wikipedia参照)

*23:メルカリが2024å¹´3月から開始したスキマバイトアプリサービス(メルカリ - Wikipedia参照)

*24:通勤中の事故はスキマバイトだと労災にならない? タイミー特許の「ある仕組み」が法の隙間を突いていた:東京新聞デジタルで分かるように業界大手「タイミー」は労災保険不適用を主張

*25:弁護士

*26:弁護士。全国空襲被害者連絡協議会(全国空襲連)運営委員長

*27:赤旗戦後処理問題 解決を/補償4団体 日本共産党に要請(2025.2.22)によれば「民間戦争被害の補償を実現する沖縄県民の会」「韓国・朝鮮人元BC級戦犯団体『同進会』を応援する会」「シベリア抑留支援センター」

*28:愛知県議を経て衆院議員。第四次安倍内閣復興大臣政務官、菅内閣経産副大臣等を歴任

*29:元警察官僚。警視庁防犯部長、岡山県警本部長等を経て政界入り。菅内閣復興相

*30:1878~1947年まで存在。1947年に城東区(1932~1947年まで存在)と合併し江東区(深川区 - Wikipedia参照)

*31:共産党中央委員。元香川県議。参院選比例四国ブロック予定候補

*32:新日本婦人の会沖縄県本部会長

*33:原口氏、宮里氏ともに新日本婦人の会沖縄県本部副会長

*34:埼玉県教職員組合中央執行委員、全教(全国教職員組合)中央執行委員、全労連(全国労働組合総連合)女性部長、副議長、婦団連(日本婦人団体連合会)会長等を歴任。現在、婦団連副会長

*35:新婦人(新日本婦人の会)副会長(国際部長兼務)

*36:「ジョイセフ」シニア・アドボカシー・オフィサー

*37:2000年(森内閣)に第1次基本計画が作られ、その後、5年のスパンで第2次計画(2005年、小泉内閣)、第3次計画(2010年、菅直人内閣)、第4次計画(2015年、第三次安倍内閣)、第5次計画(2020年、菅義偉内閣)が作られている。

*38:著書『輸入大国日本・変貌する食品検疫』(1998年、合同出版)、『多角分析食料輸入大国ニッポンの落とし穴』(2003年、新日本出版社)、『放射能汚染からTPPまで:食の安全はこう守る』(2011年、新日本出版社)、『TPPは国を滅ぼす』(2011年、宝島社新書)、『TPP参加「日本崩壊」のシナリオ』(2013年、宝島SUGOI文庫)、『知っておきたい日本の農業・食料』(2024年、学習の友社)等

*39:法令上は「置く人数の定め」「職員の雇用形態」について全く定めがないため「非常勤看護師を1名」でも違法ではない。

*40:共産党中央委員(ジェンダー平等委員会委員)。元衆院議員

*41:性犯罪での「民事賠償時効」廃止論については例えば “子どもの性被害 民事訴訟の時効廃止を” 当事者らが署名活動 | NHK | 東京都(2025.1.19)参照

*42:著書『働く女子と罪悪感:「こうあるべき」から離れたら、もっと仕事は楽しくなる』(2022年、集英社文庫)、『男性中心企業の終焉』(2022年、文春新書)

*43:原文のまま。但し、キャスターは膳場貴子氏であり「コメンテーター」が正しい。

*44:恐らくは社長、会長を歴任した日枝久相談役のこと

*45:1946~2024年。2021å¹´11月29日、所得税法違反(脱税)の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。この逮捕を受けて、12月1日に田中は理事長を辞任する意向を示し、同日開かれた臨時理事会で了承され、5期13年に及ぶ田中の長期体制が終わった。さらに、12月3日に開かれた定例理事会において田中に対する理事解任決議案が可決され、理事職も解任された。12月15日には評議員職も解職、22日には校友会会長職も解任の上に校友会から除名されており、これにより日大の全ての役職が解かれている。この他、2022å¹´3月12日には日本相撲連盟副会長も辞任している。2022å¹´3月29日に懲役1年、執行猶予3年、罰金1300万円の有罪判決が下り、4月13日にこの判決が確定した(田中英壽 - Wikipedia参照)

*46:著書『アメリカの第二波フェミニズム:一九六〇年代から現在まで』(2013年、ドメス出版)

*47:日本テレビ労働組合、TBS(東京放送)労働組合、テレビ東京労働組合、フジテレビ労働組合、テレビ東京労働組合、東京メトロポリタンテレビジョン労働組合、テレビ神奈川労働組合、千葉テレビ放送労働組合、テレビ埼玉労働組合、文化放送労働組合、ラジオNIKKEI労働組合等が加盟(日本民間放送労働組合連合会 - Wikipedia参照)

*48:映画演劇関連産業労組共闘会議(映演共闘)、全国印刷出版産業労働組合総連合会(全印総連)、日本新聞労働組合連合(新聞労連)、全国広告関連労働組合協議会(広告労協)、日本民間放送労働組合連合会(民放労連)、日本音楽家ユニオン(音楽ユニオン)、日本出版労働組合連合会(出版労連)、電算機関連労働組合協議会(電算労)、映画演劇労働組合連合会(映演労連)が構成団体(日本マスコミ文化情報労組会議 - Wikipedia参照)

*49:男性中心の組織文化や人間関係を表す用語である。「オールド・ボーイズ・ネットワーク」「おやじネットワーク」ともいう(オールド・ボーイズ・ネットワーク - Wikipedia参照)

*50:2016年、『母と暮せば』で毎日映画コンクール助演男優賞を受賞(加藤健一 - Wikipedia参照)

*51:ググったところ2014年に死去してるそうなので、「企画展の趣旨に沿った作品の製作依頼」ではなく「故人の作品から企画展の趣旨に沿うと思われる物の展示」でしょう。

*52:本名は田端綾子。アーティスト名は、姉妹共通の友人が呼び分けるため、それぞれ「たばあね(田端家の姉。1歳上)」「たばいも(田端家の妹)」と呼ばれていたことによるという(束芋 - Wikipedia参照)

反党分子『広原盛明』に悪口する(2025年3/11日分)

独左翼党の総選挙躍進を大きく取り上げた「しんぶん赤旗」(3月4日)は何を伝えようとしたのか、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その54) - 広原盛明のつれづれ日記

 独左翼党の総選挙躍進から日本共産党が学ぶべきことは、SNSの活用や直接対話といった選挙戦術にとどまらず、「消滅寸前」といわれた独左翼党が立て直しに向けてどのような努力をしたのか、何が有識者に響いたのかを根本から学ぶことではないだろうか。

 やれやれですね。
 日本共産党に不満があるなら広原が「仲間と一緒に左翼政党でも作ればいい話」であって、「上から目線で共産に説教」とは何様のつもりなのか?
 広原とお仲間に「能力があれば」いくらでもその政党は躍進していくでしょう。
 広原が共産に悪口したところで何がどうなるわけでもないので是非「新党を作るべき」です。まあ、作る能力どころか気概もないのでしょう。
 さて、ドイツの場合「左翼党」以外にも「中道左派」とはいえ「社民党」「緑の党」という左翼政党があり「左翼が元気だ」と言うことは割り引く必要があるでしょう。
 この点、日本は「広原が悪口する共産党が日本最大の左翼政党なのだ(れいわや立民は左翼とは言えないでしょう)」「一方で日本最大の政党は自民という右翼政党なのだ。また最近支持が高い国民民主党も右翼政党なのだ」ということを広原は深刻に考えたらどうなのか。
 あえて言えば「日本共産党がダメ」なのではなく「日本左翼全体(広原や、奴の文章を転載するリベラル21、ちきゅう座*1を含む)がダメ」なのであり、その中では「共産党は頑張ってる方」であり「何の成果も実績も無い広原やリベラル21、ちきゅう座よりはマシ」なのですが。
 正直「自分の無能さ」を棚上げして共産に悪口してどや顔する「自称左翼(広原やリベラル21、ちきゅう座)」の気がしれません。
 それにしても「共産執行部を刷新しろ(志位委員長が議長に留まったとは言え、山添氏を政策委員長に抜擢するなど一定の刷新はしていますし、その理屈なら元首相の野田が再登板した立民や未だに麻生が最高顧問の自民はどうなるのか?)」と抜かす広原の記事リベラル21 共産党はいま存亡の岐路に立っている(その51)を転載するリベラル21は「寄稿者が固定化して決まり切った顔ぶれ(しかも岩垂弘、田畑光永(ともに1935年生まれ)、広原(1938年生まれ)、阿部治平(1939年生まれ)、盛田常夫(1947年生まれ)、小川洋(1948年生まれ)など全て70歳以上の高齢者男性*2)」なのだから「お前らこそ寄稿者の顔ぶれを刷新しろ。女性を出せ。70歳代以上ではなく、せめて60歳代を出せ」「そんなんで読まれると思ってるのか?」と心底呆れます。
 なお、上記は広原記事に投稿しますが掲載拒否でしょう。自称リベラルが聞いて呆れます。

*1:どちらも60代以上のオールド左翼しかいない、若手の山添氏を抜擢した共産の方がずっとまし

*2:「寄稿者が固定化しており、しかもほとんど高齢者男性」と言う点は「リベラル21よりは寄稿者が多い」とはいえ、ちきゅう座も大して違いません。