装飾山イバラ道[218]てっぺんを押し上げる人々
── 武田瑛夢 ──

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●ヘッドフォンをつけてスポーツ観戦

オリンピックで毎日が楽しい。今回のオリンピックのメダルのデザインはシンプルで好きだ。流れる直線が、冬のスポーツ特有の雪や氷にザザーっとつく跡のようで美しい。

メダルデザインには透明とか四角とか斬新なもあるようだけれど、丸くて厚くて金属光沢を生かすものが一番だと思う。

フィギアスケートの羽生選手のフリーの日も、片付けで夫の実家へ行っていた。夫のごっついスキー靴は、無事に一般ゴミとして捨てられた。テレビはつけておいて、オリンピックの音声を聞きながら作業をする。思ったよりも羽生選手の登場が遅かったので、自分の家に帰ってからゆっくりと見ることができた。

いつものようにヘッドフォンをつけて、会場の雑音も聞きながら楽しんだ。ヘッドフォンをつけると本当に臨場感が増すので、スポーツ観戦には欠かせない。特に雪や氷の上を滑る音って、疾走感があって聞いていて気持ち良いのだ。





夫はスケートの羽生選手よりも、将棋の羽生さんの方に興味があったようで、ネットで見ていた。この日は色々な勝負事があった日だ。勝ち負けのある仕事って本当に大変だ。

男子のフィギアスケートは、最終グループでは皆4回転をバンバン飛んでいて見ごたえがあって嬉しい。4回転+3回転のコンビネーションなども見られて、今のスケートのレベルの高さに驚く。

●昔のフィギア論争

2010年のバンクーバー五輪のライサチェクが、金メダルを取った時には論争が起こった。あの時は4回転ジャンプを回避して、綺麗にまとめたライサチェクが勝って、4回転トウループを跳んだプルシェンコが負けたのだ。

難度の高い技に挑戦したことをもっと評価するべきだという意見と、回転数を上げるだけがスケートではないという意見がぶつかった。女子フィギアでも、浅田真央の演技で考えさせられたことだ

4年後のソチで羽生が4回転を飛んで金メダルを取った時には、難度の高いジャンプに挑戦して勝ったことをプルシェンコに称えられた。てっぺんを押し上げる役目を、羽生が受け継いだのだ。

●女子のジャンプ論争

今回の女子フィギアの場合は、演技の後半にジャンプを跳ぶことで加点を稼ぐという勝ち方で、ザギトワの金メダルが決まった。今後ルールが見直されるかもしれないけれど、現状ルールでできる限り金メダルに近づく方法を考えたのだと思う。

前半にステップを入れるというのがいかに疲れることか、普通の選手にはきっと無理な構成だ。音楽に合わせて氷上をくるくると、スケートのエッジを変えながら踊るのがステップだ。

私はステップって、「ジャンプも跳び終えたから、残るパワーをこのステップで使いきるぞ!」と最後の力を振り絞って滑るものだと思っていた。ステップはお鍋でいうところの雑炊。最後のシメであったはずなのだ。

なのにザギトワの滑りは前半に雑炊を作り終え、後半に肉を次々と鍋に投入したようなものなのだ。確かに見慣れない順番のスケートだった。

ジャンプは順番が変わったけれど、どれも高い加点の得られる素晴らしいジャンプだった。見ている方も力が入ったまま見終わった感じだ。私は銀メダルのメドベージェワの演技の方が流れがあって、情感に溢れていて素晴らしかったと思う。

日本の女子選手では、トリプルアクセルを公式戦に使う選手をもっと見たい。坂本花織はもうトリプルアクセルを跳べるらしいので、どんどん公式戦で挑戦して欲しい。

先人の挑戦に感動した若い勇者が実戦に出てくるまで、タイムラグがあるのは仕方がないのだ。見ていてハラハラするのが嫌いな人もいるかもしれないけれど、スノボでもスケートでもジャンプを含む競技は、どれも一か八かの緊張感がつきものだ。

スケート界全体の技術レベルを上げていくためには、やはり一人ではなく複数人が目指すことで強力なパワーになる。

一人だけだと天井を突き破っちゃうけれど、何人も集まれば大きな面で押し上がる。プルシェンコや羽生がそれぞれの世代に広げてきたインパクトが、また次の五輪で花開くのが楽しみだ。


【武田瑛夢/たけだえいむ】[email protected]
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


欲しいものが多くて困る私だけれど、欲しいもののおかげで得られる経験も多いなと最近思う。ヤフオクだけでなく、フリルやEtsy、インスタのDM取引などの買い物をやってみている。

これらは初めてだとなかなか信用を得られるかどうか心配で、飛び込みにくいものだ。評価の数を蓄積していることが信用につながるのに、今更何もないところから声をかけるわけだから。

たまたま学んだコツは、個人でもほぼ会社のようにやっている人と、きちんと取引して良い評価をつけてもらうと、次の人も安心するということ。そのジャンルの中では有名な個人の評価を得られるのはとても有難い。