住宅ローンの期限前完済と抵当権抹消を自分でやったら案外簡単だった
以前、「住宅ローンが残っている物件を売却するか賃貸にするか」という記事でグダグダと語りましたが、結局ローンを繰り上げ返済(期限前完済)することに決めました。
住宅ローンの内訳
ぐだぐだ書いたときから1年経過したので、少し計算は変わりましたが、ざっくりまとめるとこんな感じ。
ローンの借入金額 | 4,160万円 |
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ローンの残高 | 約2,250万円 |
毎月の返済額 | 約14万円 |
返済期間 | 約16年 |
今後16年間、返済し続けると、14万円×12ヶ月×16年=約2,688万円払うことになりますが、今一括で返済すれば約2,250万円で済む。
つまり、2688万円-2,250万円で約438万円お得。端数まで書くとややこしいのであくまでおよそ、です。
ちなみに既に19年間ローンを払い続けているので、14万円×12ヶ月×19年=約3,192万円支払っているわけですが、ローン残高は1,910万円しか減っていません。
つまり、利息だけで既に1,282万円も支払っていることに…!!
…わかってたけどねw
もう少し早く繰り上げ返済できれば良かったのですが、若い頃は貯金なんて考えたこともなかったので仕方ない仕方ない。
住宅ローンの繰上返済や期限前完済はネットで出来る
1年間もぐだぐだ悩んでいたのは銀行の窓口に行くの面倒だなー書類とかいろいろ必要なんだろうなーと想像して面倒くさがっていたからです。
と・こ・ろ・が
重い腰を上げてまずは借り入れているUFJ銀行のHPを見てみたところ、「インターネットでお手続きいただくと、一部繰上返済手数料は0円!」との文字が。
https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/kuriage/ufj/kuriage.htmlは? インターネット上でローンの繰り上げ返済って可能だったの?!
言われるがままにボタンを押してみると、三菱UFJダイレクトのログイン画面へ。
ログインしてみると、普通に現在のローン残高が表示されて、いくら返すか入力する画面が出てきます。
え、マジでこんだけなの?と思いつつ、全額入力し、手続き完了。
返済日が近いと引き落としとかぶる恐れがあるためか、何日かの猶予が必要という条件がありましたが、ほんとに次へ次へとポチポチボタン押すだけでローンの期限前完済が完了してしまいました。
返済金額の引き落としと戻し保証料の入金
インターネットで住宅ローンの期限前完済の手続きをしたのが2020年11月02日。
実際に銀行口座からローン残高分をまるっと引き落とされたのが2020年11月17日でした。この間はたった2週間ですが、先述のとおり、あまりに手続きが簡単だったので、ホントにこれで合ってるのかとても不安でしたw
そして、翌月の2020年12月02日に「戻し保証料」のお知らせなるハガキが到着。
もう記憶からはとっくに消えていましたが、住宅ローンを組んだ際に保証料を支払っていたらしく、期限前完済や一部繰上返済をした場合には残日数に応じて保証料が返ってくるのだそうです。
うちの場合は225,982円。手数料がバカ高いですが、11,000円引かれて、残り214,982円が2020年12月08日に入金されました。
ローン完済後に送られてくる抵当権抹消登記関係書類
「戻し保証料」のお知らせの直前にもっと大事な書類が送られてきていました。
これが来たのは2020年11月25日。時系列をまとめるとこんな感じですかね。
2020年11月02日 | ネットで期限前完済の手続きを完了 |
2020年11月17日 | 銀行口座からローン残高引き落とし |
2020年11月25日 | 抵当権抹消登記関係書類が到着 |
2020年12月02日 | 戻し保証料のハガキが到着 |
抵当権抹消ってなんぞ。
ググってみると住宅ローンを組む際に家と土地が担保に設定されるわけですが、それが抵当権とのこと。住宅ローンを組んだときに説明されたはずですが、すっかり忘れてましたね…。たしかローンを組んだときは25歳くらいで、イケイケ状態だったので、ローンなんてすぐ返済するさヒャッハー!みたく調子にのってロクに話を聞いていなかった気がします。こわいぜ若気の至り…。
ともあれ、ローンの返済が完了しても、この抵当権とやらは設定されたままなので抹消手続きを自分でやらないといけないそうです。書類には司法書士に頼む方法も書いてありますが、これまたググってみると司法書士の手数料がなかなか高い。
法務局のHPを見る限り、抹消申請書の書き方はさほど難しくないように思えます。どうせ必要書類集めるのは自分でやらなきゃいけないわけだし、こんな申請書1~2枚書いてもらうためだけに手数料払うのは勿体ないのではないだろうか。
よし、いっちょ自分でやってみよう、と決めました。
管轄の法務局へ相談する
さて、自分で書類を書くと決めたものの、いきなり法務局への相談とはどういうことか。
抵当権を抹消する前に、住所変更登記をする必要があるから、です。大抵の人は住宅ローンを組む際、その時点で住んでいる家(≒引越し前)の住所で登記しているハズ。
もし、自分が住むための家を購入し、住宅ローンを組む前に引っ越し先(購入した家の)住所へ変更をしている、なんてアクロバティックな手続きをしているなら、かつ、それからずぅ~~~とそこに住んでいるなら住所変更登記は不要です。
でも滅多にないですよね。ぼくもそうです。引っ越し前に住んでいたアパートの住所で登記してありますし、それどころか現在は買った家に住んですらいません。何度も引っ越ししています。
そして原則として、登記簿の住所変更をするためには登記した際の住所から現在の住所(変更したい住所)までの一連の流れがわかる書類が必要です。
どういうこっちゃ?
例えば新宿区に住んでいるときに世田谷区の家を買ったとしましょう。このとき世田谷区の家の「所有権登記名義人住所」は新宿区の住所です。
となると、新宿区に住んでいたときの住民票と、世田谷区へ引っ越したときの住民票が必要。住民票には転出転入の履歴が載るのでその2つをもって繋がりがわかるためです。そして世田谷区から別の市町村へ引っ越していた場合はその数分の住民票が必要。
は? そんなん無理ゲーっすわ。だって、ぼく過去に20回以上引っ越ししていて半分引っ越しが趣味みたいになってるし、家買った後だけでも6~7回引っ越してます。まぁ6通の住民票集めろっていうなら集められなくはないですけど、住民票の保存期間ってたしか5年なんですよね。残ってないのでは…。
ということで、実際に前の住所、前の前の住所とさかのぼって住民票の請求をしてみたところ、いくつか前の住所で「保管されていません」という答えが返ってきました。
こうなるともう戸籍謄本から集めていかなきゃいけない。相続の手続き等ではホントにそこまでしなきゃいけないし、実際やったことがあるので、うわーくそ面倒くさいなぁと思いつつ、ちょっと先に法務局へ相談してみることにしました。
管轄の法務局は下記のHPですぐに調べられます。現住所ではなく、登記変更したい物件がある住所の管轄で調べます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html
で、実際に電話で聞いてみたところ、「あーはいはい、5年すぎると住民票追えませんからねー。じゃあ、登記簿のコピーと現住所の住民票を添付して送ってくれれば良いですから~」とのこと。
えぇぇぇぇ!!それだけでいいの?www
もう既に何枚かさかのぼった分の住民票が溜まってるんだけど… 先に法務局へ相談しときゃよかった…。
必要書類を準備して郵送する
必要書類はこれだけです。
- 登記申請書1 (所有権登記名義人住所変更)+印紙
- 登記申請書2 (抵当権抹消)+印紙
- 銀行から届いた抵当権抹消登記関係書類
- 返送用のレターパックプラス
- 現在の住民票
- 登記簿のコピー
登記申請書は法務局のHPに置いてあります。WordかPDFが選べるので、ぼくはWord版をダウンロードしてパソコンで記入しました。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html記入例も同ページにあるのでそちらを参照してほしいですが、ちょっとややこしいところがあったので、ぼくの記入例も載せておきます。
登記申請書の記入例
注意点は登録免許税以降の部分なのですが、1筆あたり1,000円と決まっているため、この例では3筆です。
普通の住宅なら、土地(宅地)+建物(居宅)だけで2筆、つまり2,000円の登録免許税なのですが、うちは建売住宅なのでやや特殊。
建売住宅ではよくあることですが、共有の土地が存在します。私道とかですね。今回の場合は7棟建だったので7軒のおうちで共有している土地があり、持ち分7分の1と書いてある部分がそうです。
ここにも登記が必要なため、全部で3筆となります。A4用紙になんとか書ききれるように文字サイズとか調整しました。
印紙の貼り付けについて
登録免許税は印紙で支払います。郵便局に行って「3,000円分の印紙ください」でOK。抹消分もあわせたら6,000円分。 あぁもちろん2筆で済む人の場合は、それぞれ2,000円分で構いません。
印紙を貼り付ける台紙はコピー用紙でOK。
登記申請書はギチギチで貼り付ける余白がないと思うので、別途白紙を用意して、そこに印紙を貼り付け。
申請書とその台紙をホッチキスで留めましょう。そして、見開きにした状態で割り印を押します。
印鑑を押す箇所
印鑑は基本的に、
- 申請者の名前の横
- 申請書と印紙用の台紙への割り印
の二箇所だけで良いのですが、申請書の上に余白部分があるので、そこに捨印を押しておくと更に良いようです。
この捨印があればもし書類に書き間違い等の不備があっても、ある程度はむこうで修正してくれるらしい。
レターパックプラスについて
法務局のページによると、郵送は書留郵便を使い、返送用にも書留郵便のための郵券を同封、などと書かれています。
でも郵便料金+書留代金分の切手を用意したり封筒を用意するの面倒くさくないですか?
これは実際にやってみた人のブログを参考にしたのですが、レターパックプラスでもOKとのこと。
レターパックプラスは520円かかりますが、コンビニで買えるので楽ちん。
なので、ぼくはコンビニでレターパックプラスを2枚購入し、1枚は返送用に同封しました。(もちろん返送先の住所記入はお忘れなく)
登記完了証
なにぶん初めてのことばかりで、ちゃんと出来るか不安でしたが、12月7日に法務局へ送ってから約1週間後、無事に登記完了証が届きました。
送ったのは12月7日でしたが、届いたのは翌日でしょうから、受付は12月8日となっていますね。この完了証が我が家に届いたのは12月15日でした。
ふう…、これで本当の意味でローンの完済手続きが完了したと言えます。
まとめ
長くなったので、ざっとまとめます。
- 住宅ローンの繰上返済や、期限前完済はネットで出来る銀行もある
- 住宅ローンを完済したら抵当権抹消の手続きが必要
- 抵当権抹消手続きの前に登記名義人住所変更が必要
- 住所変更には一連の引っ越し歴がわかる住民票が必要だが、引っ越し回数が多い場合は法務局に相談してみると融通を効かせてくれる場合がある
- 登記名義人住所変更と抵当権抹消の申請書を同梱して一度に郵送すれば全部手続きをしてくれる
といったところでしょうか。
住民票のくだりで余計な手間をかけてしまいましたが、最初に法務局へ電話して相談していればもっとずっとスマートに手続きが完了していたと思います。
そもそもこの住民票を用意したり登記簿のコピーをしたりする作業は司法書士に頼んでも発生する作業です。
ということは、たった2枚の登記申請書を書くために手数料を払う必要はあんまりないんじゃないかなぁ、というのがぼくの感想。
書類アレルギーの人にはキツイかも知れませんが、やってみれば案外簡単かもしれませんよ。
以上、ローン完済後の抵当権抹消手続きについて悩んでいる人の参考になれば幸いです。