🐴 (馬)

Takaaki Umada / 馬田隆明

2024 年によく読まれた記事(未来の世界に必要なものを作れ、スタートアップの終わりの始まり、受託開発など)

2024年は記事をよく書いた年でした。本記事では言及していない者も含めると、20記事ぐらい書いたようです。

いくつか代表的なものだけをまとめて振り返ります。

(1) 未来の世界に必要なものを作れ

時代の変化もあり、Make Somethign People Want では部分最適化してしまうので、Make Something the Future World Needs という、より広い視点で考えると良いのでは、という提言でした。よく読まれた記事の一つです。

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(2) 日本のスタートアップブームの「終わりの始まり」を食い止めるために

とてもよく読まれて、海外からの反応もあった記事でした。皆さんも同じような課題感を持っているときに出せたのが良かったのかなと思います。この課題感は今でも持っており、10月にはホームランイベントなどを開催しました。

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(3) 「スタートアップの前にまずは受託開発をしたほうが良い?」というよくある相談とその回答

昨年と今年はこの質問を本当によく受けました。記事として残しておくことで、説明の回数は多少減ったような気はします。

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(4) ディープテック・スタートアップの立ち上げ方の分岐と変遷

日本の『ディープテックスタートアップ』は、大学発の技術の商業化を目指してしまって、売上が1億円に満たないスモールビジネスになりがちです。それはそれで事業が立ち上がったので「成功」なのかもしれませんが、「大成功」を狙うスタートアップでは少し異なる考えが必要のように思います。そうした概念整理のために何ができるかと考えて記事をいくつか書きました。たとえば「ディープテックスタートアップへの誤解」などはその1つです。

また、何を起点にしてビジネスにしていくのかは、そのビジネスの「大成功」の確率を大きく左右すると思っています。その起点の変遷を2000年代ぐらいからまとめた記事になります。やや単純化しすぎなところはありますが…。

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(5) デカコーンやユニコーンを次々に作る「Vargas」によるカンパニークリエーション

新しい手法として『カンパニークリエーション』がよく語られた1年だったように思います。とはいえ、その言葉が指し示すものは話者によって結構異なるなという印象でもあります。

この記事はVargasを例に、カンパニークリエーションの手法の一つをまとめたものになります。Northvolt の破綻という大きな事件もありましたが、未だこの手法は有効なのではないかと思っています。関連して、大企業とのカンパニークリエーションという記事も書きました。

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(6) 埋め込まれたアントレプレナーシップ教育

実務者向けには「アントレプレナーシップ教育に関わる教職員の方に読んでほしい論文・レポート5選」も読んで貰いたいなと思いつつ、教育系で選んだのは以下の記事です。

初等中等教育でのアントレプレナーシップ教育は、理想的には、別個のアントレプレナーシップの授業をやるのではなく、Embedded Entrepreneurship のアプローチが良いのではないかと思っています。

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来年以降に向けて

いくつかの記事は、何かしら来年の活動につながる記事となりました。

(7) Non-Profit スタートアップ 

Non-Profit スタートアップという、非営利領域で社会的インパクトを急成長させるための事業体というものの可能性が増してきているのでは、という話をしています。2025年はこの領域で少し活動できればと思っている次第です。

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(8) 新時代のサステナビリティの議論を始めるために

環境以外の領域、たとえば労働力や安全保障といった様々な領域が持続可能ではないことが明らかになってきている中、サステナビリティの概念を広くして考えていくべきでは、というお話をしました。PEP Summit 2025 でもこのテーマで議論する予定です。

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(9) 「○○がないからできない」から「○○があればできる」へ: 起業家的リソースフルネス

この資源への能動的な態度やスキルを起業家的リソースフルネスについてです。これまで「解像度」「仮説」の話をしてきましたが、次に書きたいのは「資源」に関する本で、この記事の延長になるつもりで書いています。

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(10) 人類や国の課題を1%解く

課題や事業の大きさをどのように判断するのかは人それぞれですが、1%や10%という定量的な指標があることで、より分かりやすくなるのではないかなと思っています。特にハイグロース・スタートアップのような大きな事業にしていく上ではこうした目線感が必要なのかなと思います。来年はこのあたりを意識しながらプログラムを設計できればと思っています。

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2024年もお世話になりました。

それでは2025年もどうぞよろしくお願いします。

 

2024 年の馬田のスライド(2024年のスタートアップの戦略、仮説、キャリア、政策)

2024 年はいくつかスライドを出せたので、カテゴリ別にしてまとめておきます。

 

スタートアップ

2024 年のスタートアップの始め方・考え方

Startup School 2024 での資料です。スタートアップが狙うべき規模や戦略等が変わってきているのでは、という話をしています。

インターネット上でも、デカコーンという言葉や、コンパウンド、ロールアップ、BPO などをよく聞いた1年だったように思います。

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このスライドの後に『日本のスタートアップブームの「終わりの始まり」を食い止めるために』という記事を出して、こちらもよく読まれました。

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仮説

12月に書籍『仮説行動』を出した関係で、いくつか仮説のスライドを書きました。もう少しスライドを足せればな…とは思っています。

『仮説行動』の内容は、ある程度の共通言語になってくれると嬉しいので、売れてくれると良いな…と思ってます。ぜひ年末年始に読んでみてください。

 

仮説のマップ・ループ・リープ

こちらは仮説のプロセスを描いたスライドです。マップ・ループ・リープは比較的覚えやすいのではないかなと思います。

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ふわっとした考えを仮説にするまでのステップ

仮説を「作る」ステップについて集中的に解説したものです。興味➡疑問➡問い➡仮説という順序で考えると良いのでは、と提案しています。また、作業仮説とクレームという概念を導入して、仮説の強弱を表しています。

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行動なしに良い仮説思考はできない

仮説思考において行動が重要な理由を解説したスライドです。仮説の生成、検証、実現のそれぞれにおいて行動が重要だと感じています。

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キャリア

Must ➡ Can ➡ Will で考えるキャリア

今年は大学での授業期間中にキャリアに関する記事をたくさん書いたように思います。その一つの集大成としてのスライドです。

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政策

多様化するイノベーション政策

2 月のイノベーション小委員会での資料です。政策関係の方に案内することも何度かあり、何度か再利用している気がします。

 

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GX 2040 ビジョン/GX 2.0 に向けた 3S

岸田元総理との会議で出したスライドです。こちらは GX に絞った話ですが、予算ではなく「執行」にこそ課題がありそう、というところは変わらず感じているところです。

www.cas.go.jp

解説動画などはこちらです。

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まとめ

どちらかというとブログ記事のほうがよく読まれた1年だったように思います。

 

2023年: 「作ってから売る」と「売ってから作る」と「売れるようにしてから作る」

2023年は『「作ってから売る」と「売ってから作る」と「売れるようにしてから作る」』のスライドしか出せませんでしたが、2024 年に出したスライドを全て足し合わせても、こちらのスライドのほうがやや優勢という感じでした。

speakerdeck.com

2024 年はいくつかスライドを出せたので、まとめておきます。

青山ブックセンターで『仮説行動』のトークイベント(2025年1月20日)

2025 年 1 月 20 日(月)の夜に青山ブックセンターでトークイベントを行います。登録リンクは以下です。

【1/20 (月)】『仮説行動』刊行記念馬田隆明トークイベント『仮説行動』を通して、未来を考える – 青山ブックセンター本店

トーク主体のイベントは自分でも珍しいので、ブログでも告知しておきます。(スライドは一部使う予定です)

 

当日は、『解像度を上げる』と『仮説行動』で通底しているところや、次の著作(リソース本)との関係、また最近考えていることなどをお話できればと思っています。お近くの方はぜひお越し下さい。

 

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