Make組ブログ

Python、Webアプリや製品・サービス開発についてhirokikyが書きます。

「若者エンジニア」が30歳になりました。老いが急激に加速するのはなぜ?

こんにちは。hirokikyです。

僕の個人的な話をしますが、4分ほどで誰でも気軽に読めるようまとめました ので、ぜひお付き合いください (5分の動画より短いです)。

今日の 2021年11月5日で、30歳になりました。 そしてこのブログも、もう10年以上やっていることになります。

僕は20歳のころからプログラミング(Python)界隈と関わりを持っていました。 当時は「若者Pythonエンジニア」と受け入れられたように覚えています。2011年ごろはまだRubyの全盛期で、わざわざPythonを選ぶのは少し変わった人たちでした(ChefやCoffeeScriptが流行り始める時代感です)。 そこに現れた20歳の僕や、同年代のPythonエンジニアはさらに珍しかったのです。

2012年のPyCon JPで併設カンファレンスを開催したとき

(2012年の併設カンファレンスでの懇親会)

「若者エンジニア」という名札は便利でした (正直に言ってしまうと)。

あれこれと技術について質問をしても、多少過激なことを言っても、周りは温かく受け入れてくれます。むしろ、その少し攻めた姿勢も良かったのでしょうか。臆せず質問や登壇、イベントの主催ができたように思います。親切な皆さんに助けていただいたり、一緒に仕事をしたり、イベントをやったりと楽しい日々でした。他にも自社で企画開発したWebサービスをお客様に買っていただいたり、そして起業したりと良い20代だったように思います。

DjangoCongress JP 2019の集合写真

主催したDjangoCongress JP 2019での写真(また皆んなで集まりたいね)

でもそんな若者エンジニアも、今日で30歳になります。

つまり、若さという免罪符が失効してしまったのです。

これからは大人の生き方を考えなければいけません。

...

と、文が続くと思ったのではないでしょうか。

いや、そんなことはありません。 若者らしさがなくなるのは、僕としてはどうでも良いのです(実を言えば27歳くらいから若者ではないですし)。

僕の中で困ったことは他にあるのです。

重鎮感 です。

何か「年上や先輩として気を遣われている感」、「界隈で歴の長い人として大切にされている感」です。 ときおりヌルリと感じるこの「圧」を、ここ数年感じていました。

たとえば軽い気持ちで「よしやってみよう」と言ったつもりで、周りの人がガッツリと作業に入っていた、などです。 他にもTwitterで「ああいうことやっても意味ないよ」とツイートすれば、知らないところで誰かが傷ついていたとか。

どちらにしろ僕が悪いだけです。

あと、少しうぬぼれすぎかもしれません。 僕はそこまで影響力のある人間ではないです(すいません)。

ですが、皆さんも何か心当たりがあるのではないでしょうか?

  • 「軽い気持ちで言ったのに、思ったより大事な発言になっていた」
  • 「いつの間にか、会議で発言が待たれている」

規模の大小はあれ、年を重ねたり、同じ業界でずっと頑張っていると誰しもが重鎮らしくなるわけです。 より一般化して言うと 「他人はあなたを、ロールに収めたがっている」 ということです(たとえば「決めてくれる人」)。 僕自身も他人にそれを期待してしまっています。

正直、若さを失うことはどうでも良いです。

ただ、 実際の現実は若さがなくなるだけでなく「老けさせようという圧力」がある んです。 より具体的に言うと 「他人が期待するあなたの姿へ、あなた自身を押し込む圧力」ということ です。

30歳くらいになった人が、急に老けてくる現象ってありますよね。 あれは、一度確立した自分の姿や「先輩としての自分」で留まると起こるのかな?と最近思います。 昔は尖ってカッコよかったのに、今は時事ネタのご意見番になった知識人などもそのタイプだと思います。

この力はおそらく人間心理的なものなのかなと思います。 責任や発言力、信頼や立場などというものが絡み合って、周囲が求める「あなた」という像が固定化されたのでしょう。あなた(そして僕)自身も誰かにそれを期待しているわけです。

でも僕は、 周囲が期待する僕に飲み込まれるのはカッコよくないな と思うわけです。 「適度に周りが気持ちいいことを言っていればいい」と迎合したり、「あの人が動いてくれるだろう」と無思慮に他人へ期待することです。そうすると、何も考えなくても案外生きられてしまうんです(現状への過学習というか、局所最適化というか)。

その他人が求める役割に浸っていると、人は急速に老いるわけです。 それがおそらく、30歳前後にある1つの分岐点なのでしょう。

若さがなくなるのは別に構わないんです。気遣いを勘違いしたり、自分が確立した自分に収められる力へ負けると、急激に老いる気がします。 努力した分だけ「先輩の威厳」や「重鎮感」まで追加されます。でもそれは相手の優しさであって、あなた(僕)のすごさではないんです。

なので、僕はなるべく初めて会う人や話してくれる人に、なるべく相手の立場を考えて話そうと思います。 そして、他の人にもロールや名札に落とし込んだような話し方はしないでおこうと思います。

世の中に、接しやすい先輩や、イジりやすい年上の人っていますよね?あの人たちは謙虚なんじゃなくて生存戦略としてああやってるんです。自分を重鎮扱いして固定化しないでくれよー!老いさせないでくれよー!というアピールなんですね。役割を捨てたピュアな関わりを、あなたと持ち続けたいんです(僕はどうにも絡みにくい人間になりがちなので、尊敬します)。

若さを失うことは怖くないですが、老けさせようという圧力は恐ろしいものです。 そして僕はこれからも抗っていきたいと思います。

そんなことを感じる、元、若者エンジニアでした。

ハッピーバースデー僕!

これからも頑張って良いものを作りますので、応援いただけると嬉しいです。

そんなわけで

そんなわけで、老いに抗っている僕が作っている新しいWebサービスがこちらです。

ブログ記事やプレスリリースを執筆する 「当たり前」のやり方を変えたい と思っています! まだまだ至らないところはありますが、頑張ってどんどん良くしていきます。

shodo.ink

以上です!

ここまで読んでくれてありがとうございます。


執筆:Kiyohara Hiroki (@hirokiky) (Shodoで執筆されました)