恋華（れんか）

第21話「その　銀河鉄道の夜に…」

（概要）
何もかもが寝静まった真夜中。
灯里は、どこからか列車の走る音が聞こえてくることに気付きました。
ネオ・ヴェネツィアにも列車は通っていますが、それは音が聞こえないほど遠く、まして真夜中に列車が走っているわけがありません。
アリスはマンホームの有名な小説の名を出しますが、それは小説の中のお話。
現実にあるはずがありません。
しかし、その翌日。
夜中に灯里が起きてみると、そこには一枚の切符がありました。

灯里ちゃんは、真夜中の2時にどこからか列車の音が聞こえたような気がする。
しかも、夜空から聞こえてくるような…

朝、アリシアさんに聞くが聞いたことはないと。
今度は、練習中に藍華ちゃんとアリスちゃんに聞いてみる。

銀河鉄道の小説があるようですね。
でも、その列車は死の国への列車。
「決して、夜にその列車をみても乗ってはいけません。」
と、アリスちゃんは忠告する。

灯里ちゃんは、どうしても列車の音が気になって仕方ない様子。


その夜、アリア社長が大きなネコさんの手形のついた手紙を持ってくる。
その大きな手形をみて、灯里ちゃんはケットシーからだと思うのでした。
手紙の中に入っていたのは、銀河鉄道の1日有効乗車券。

ケットシーからのご招待。

翌日、藍華ちゃんとアリスちゃんに相談する。
アリスちゃんは、ケットシーとあまり会わない方がいいとアドバイス。

どうも、怖いものが苦手なようで…

練習終了後、トラム通りを下見することにする。
そこには、線路もなく、列車が来そうな気配はどこにもない…



灯里ちゃんは、アリシアさんに乗車券のことを相談する。
「アクアも灯里ちゃんのことをもっと知りたいと思っているのかも。」
とアリシアさん
さらに、
「灯里ちゃんは、なんだかアクアの心に近づくことを許されているような気がするの。」

夜、準備万端のアリア社長。
そして、銀河鉄道の発着地へ！


昼間、下見したときにはなかった線路がそこにはあった。
そして、列車の音が聞こえてくる。

列車が到着し、ふと周りを見ると乗車券を持ったネコさんたちがたくさん集まっていた。
大きな車掌さんも登場。

車掌さんは、順々に乗車券にスタンプを押していく。
そうすると、乗車券を持っていない子ネコちゃんが…
ダダをこねている子ネコちゃんに、灯里ちゃんは自分の乗車券をあげることにする。


ネコさんたちが全員乗車したところで、大きな車掌さんが灯里ちゃんに近づいてくる。
灯里ちゃんの頭をもみもみ。
ほっぺを両手でなでなで。

「あなたは、何処から来るのですか？」
「いつからアクアにいるんですか？」
「どうして、わたしの前に現れてくれるのですか？」
「どうして、いつも見守っていてくれるのですか？」
「あなたは、誰なんですか？」
「大きくて、とても温かいです。もしかしてあなたは…あなたは、アクアの…」


大きな車掌さんが、離れたと思ったらポケットをあさりだす。
そして、何かをつかんで右手を大きく振り上げ、
ペタン。ペタン。

灯里ちゃんと、アリア社長の額にスタンプを押してくれる。
銀河鉄道とお別れのとき。
発車時間がきて、銀河鉄道はアクアの夜空に旅たっていった。



銀河鉄道のこと、ケットシーのことをアリシアさんに話す灯里ちゃん。
アリシアさんは、
「もっと知りたいけれど、知るのがちょっぴり怖くて、もっと近づきたいのに互いの距離がわからなくて…。
でも、ようやくお互いに一歩づつ踏み出すことができたのかもしれないわね。」
「あのスタンプは、出合ったことを忘れないで。っていう気持ちなのかも。」

またまた、不思議体験をした灯里ちゃん。
ケットシーが『アクアの心』ではと考えるのでした。



次回
第22話「その　ふしぎワールドで…」「その　アクアを守る者よ…」




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