社会人大学院で学ぶ技術経営

社会人大学院で技術経営を学びながら日々の気づきを書きとめてみます.

Democratizing innovation(民主的なイノベーション)

2005å¹´08月15æ—¥ | æŠ€è¡“経営
MOTの世界最大の国際会議PICMET05で興味深かった招待講演の1つにMITのEric Von Hippel教授の「Democratizing innovation(民主的なイノベーション)」がある.

従来のイノベーションは製造業主導のものが主であったが,ネットコミュニティの発達により,今後はユーザ主導のイノベーションが増えてくるだろうとの分析結果を示したもの.

Apacheプロジェクトなどのオープンソース開発やレゴのマインドストームはその典型であるが,他の分野においても,プリント基板CAD,図書館情報検索システム,アウトドア製品,外科医による医療機器のイノベーションなど,民主的なイノベーションが存在することを具体的に示している.

製品開発段階でネット等を通じてユーザの意見を取り入れようという発想は昔からあったが,あくまでも製造業主導であった.今後,ユーザが主で製造業が従になるようなイノベーションの比率が無視できないレベルに高まってくるとすれば,Von Hippel教授の提言はインパクトを持つことになる.(私は,その可能性は十分あると思うが,ここでの例はイノベーションと呼ぶには弱いなと感じた)

さて,そのような場合に製造業の戦略が課題になるが,Von Hippel教授によれば,(1)リードユーザの発掘,(2)ユーザがイノベーションを作れる開発キットの提供,が重要であると指摘している.

なお,Von Hippel教授の本は「Democratizing innovation」は出版されているが,Von Hippel教授曰く「絶対買うな.なぜならばWebで無料ダウンロードできる」とのことであった.



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