杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・歴史の中にあり歴史を作る~「考え投票する女性の会」

2013-03-01 04:55:15 | ç”Ÿæ´»
昨年(2012年)12月の選挙前に、「考えて投票する女性の会」というあつまりができました。
心理学・教育学に詳しい学者さんとか
詩人の方、
社会福祉法人の施設長さん、
犯罪心理学者さん、
保育園の園長さんや写真家さん、
漫画家さんや
コスタリカ在住の日本女性
国際的なシンクタンクを立ち上げた女性弁護士さん
産科のお医者さん
など、わかりやすい肩書きで示しただけでもいろいろなのですが
特に女性が、ゆっくり、じっくり、でも着実に考え
有権者としての実力を行使しようという会です。

そして、そのために、わからないこと気になることは、いちからでも勉強していこうと
2月から月2回勉強会を始めています。
ご連絡は
考え投票する女性の会  E-mail: uta@yoko-no-heya.jp
 〒102-0071 東京都千代田区富士見2-7-2 ステージビル1706号室  南北法律事務所気付
        TEL 03-3511-5070 FAX 03-3511-5784


ところで、

1回目、2回目と学習会に参加してくださっている方から
先回の「戦争の残したものについて」の勉強会について
「自分はあまり関係ないと思っていったのですが、びっくりしました。
 トラウマの世代間連鎖、まさしくうちの家系そのものでした。自分の中では別の出来事だと思っていたことが、激しく家族に爪痕を残 しているのに気づきました。」
とのコメントをいただきました。

確かにそう言われてみれば
私たちは歴史と無関係な、客観的な第三者のように思いながら
歴史を自分とは別のところで流れる出来事のように見ていますが、
実は、(当然のことながら)歴史の流れの中で翻弄されている「ひとり」なのですね。
だからこそ、小さな個々が気づいて歴史を作らなければならないのに
自分のことではないと、無関心になってしまっています。

“歴史の中に組み込まれていた「私」そして「家族」”
を拾ってみると,案外、いろんなことが見えてきて,
自分たちが変えていればそうはならなかった家族の歴史もあったかも知れません。

歴史を作る、ということで、考えてみると
身近な例では、今、行っている裁判があります。
それは,成年後見という支援制度を利用すると,本人(被後見人)の選挙権が奪われるという法律があり
(公職選挙法11条1項1号)
これは違憲だという争いです。

この法律は、成年後見をつけるような能力のない者は選挙権を行使する力のない者だから
主権者としての一票も行使できない、とするものです。

でも、どの人を選ぶのが正しいか それを判断する能力ってなんなでしょうか。
IQの高い人が正しい投票を出来るのでしょうか。
大学を出ていても,マスコミの情報に流されたり、人の見た目に左右されたりする人もあるでしょう。
それよりも,この人は悪いことをしない人だ、という知的能力の低い障害のある者の方が正しい目を持つことだってあるでしょう。
あなたは正しく選挙を出来る人、あなたは出来ない人と,国に線引きされることはおかしいのではないでしょうか。

それに、同じ能力の程度でも,この成年後見制度を利用していない人は
選挙権があるのです!
この成年後見制度って、本人権利擁護のための制度だと説明されているのに
権利を擁護しようとすると、重大な権利を失うのです。

これがおかしいと,今裁判をしています。

その判決が3月14日13時半に,東京地方裁判所103号法廷で行われます。

この裁判所の判決も、一つの歴史を作ることだと思っていますが、
この判決の後で(3月19日11:30~13:30 第2衆議員会館 第1会議室),
国会議員のいる議員会館において
院内集会を開き、今度は,国会議員に対して,
判決の内容を報告して,この法律を削除してほしいという働きかけをします。

実はこの法律はおかしいと考える国会議員も多数おり、内閣でもそう考えていることがうかがえ
法律が変わる可能性も高いです。
議員への働きかけは立法機関に働きかけることになります。

私たちひとりひとりが,国に働きかけて,法律を変え
大げさに言えば歴史を変える動きをしていると思っています。

裁判傍聴も議員会館での集会もご参加自由です。
小さな歴史作りに参加してみませんか。

   

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