7月の消費者態度指数は、順調に推移している。「暮らし向き」や「収入の増え方」も渋く増勢を保つ。他方、6月の毎月勤労統計は、大企業でのボーナスの伸び悩みのせいか、現金給与総額が前月比-1.3と、思ったより大きな低下だった。もっとも、中小の回答が加わる確報では、12月の時のように、上方修正される可能性がある。なお、現状でも、6か月平均は最低ラインの95.7は維持している。
世の中には、消費増税が消費の低迷を招いたのだから、逆に消費減税をすれば良いという人もいるが、これは、経済的にも、なかなか難しい。例えば、減税方針を決めた途端、買い控えが発生し、減税時には需要が急増する。その後は、ダラダラと落ち続けるだろう。増税時とは逆向きの、需要変動の波に揉まれるのである。需要の追加が必要なら、低所得層の社会保険料を軽減するなど、別の方法を用いるべきだ。
国の税収については、企業業績が好転しているので、今後、法人税の上ブレが十分に考えられるものの、6月までの一般会計の実績は2016年度決算並みにとどまる。決算値より多く見積もっている2017年度予算の税収を上回るか、まだ見通せない。裏返せば、上ブレに伴う自動的な緊縮のおそれは少なく、補正予算で還元しなければならない事態にはなっていない。むしろ、引き締まりが心配なのは、雇用が増大している社会保険だ。
今週は、内閣改造があったが、「人づくり」を掲げ、内閣改造で人心一新を図るというのは、安倍政権が初めてではない。55年前に池田勇人もしたことである。ただし、池田の「人づくり」は、能力開発よりも公徳心の涵養に重きがあった。高度成長で豊かになる中、伝統的価値観が希薄化することへの危機感が背景だった。公私混同を批判される今の政権では、公徳心を口にできるはずもない。
(図)
(今日までの日経)
米雇用20.9万人増。上場企業、7割が増益4-6月。借家着工20か月ぶり減。人手不足 経済を動かす、25歳以下手厚く、営業短縮で増益。バイオマス発電いつか来た道。生命科学、再現できず90%。
世の中には、消費増税が消費の低迷を招いたのだから、逆に消費減税をすれば良いという人もいるが、これは、経済的にも、なかなか難しい。例えば、減税方針を決めた途端、買い控えが発生し、減税時には需要が急増する。その後は、ダラダラと落ち続けるだろう。増税時とは逆向きの、需要変動の波に揉まれるのである。需要の追加が必要なら、低所得層の社会保険料を軽減するなど、別の方法を用いるべきだ。
国の税収については、企業業績が好転しているので、今後、法人税の上ブレが十分に考えられるものの、6月までの一般会計の実績は2016年度決算並みにとどまる。決算値より多く見積もっている2017年度予算の税収を上回るか、まだ見通せない。裏返せば、上ブレに伴う自動的な緊縮のおそれは少なく、補正予算で還元しなければならない事態にはなっていない。むしろ、引き締まりが心配なのは、雇用が増大している社会保険だ。
今週は、内閣改造があったが、「人づくり」を掲げ、内閣改造で人心一新を図るというのは、安倍政権が初めてではない。55年前に池田勇人もしたことである。ただし、池田の「人づくり」は、能力開発よりも公徳心の涵養に重きがあった。高度成長で豊かになる中、伝統的価値観が希薄化することへの危機感が背景だった。公私混同を批判される今の政権では、公徳心を口にできるはずもない。
(図)
(今日までの日経)
米雇用20.9万人増。上場企業、7割が増益4-6月。借家着工20か月ぶり減。人手不足 経済を動かす、25歳以下手厚く、営業短縮で増益。バイオマス発電いつか来た道。生命科学、再現できず90%。
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