夏天故事

日々感じること、考えることを書き連ねていきます。

水滸伝71回以降について

2014-10-20 22:20:03 | é›‘感・その他
本当にそうだろうか。

水滸伝関連のサイトや本などを見ていると、71回以降に対する評価はよくないことが多い。
金聖嘆が71回以降をぶった切った理由を説明するときは、「金聖嘆が面白くないと思ったから」なので仕方がないと思うが、特に金聖嘆に言及しなくても71回以降は面白くない、という意見をよく見る。
でも、本当にそうか?

その疑問の出処は簡単。オレがつまらないとは思わないからだ。
むしろ、71回以降のみを読むこともある。
そして「面白くない」という意見には「本当に読んでそう思ったのかな」という疑問がつくものも結構ある。
「受け売りだろ?」と感じることが結構あるのだ。
もしくは71回以降を「面白くない」という前情報のまま読み進めるため、それが固定観念というか先入観になっていないか?と感じるのだ。
例えば、108人が終結したとたん豪傑たちがばたばた死んでいくから萎えたという意見があった。
(2CH 水滸伝の二次創作で一番面白いのって?
http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/chinahero/1161660610/ 内 18番目の書き込み)
すぐ次の書き込みで否定されているが、21の書き込みでは100回本ではすぐ死ぬ印象があるのでは、とある。しかし実際に読むとわかるが、征遼戦まで、開封府を騒がしたり、相撲をとったついでに李逵のおバカがあったり、童貫・高球戦があったり、招安のいろいろがあったりする。方臘戦までにいろいろあるから、すぐ死ぬ印象を持つということ自体、本当にちゃんと読んだのか怪しいものだ。
22番目の無根拠な書き込みにいたっては、その忍耐力が必要なものがどうして500年も残ってきたのか説明できない点で、受け売りなんだろうと判断できる。
翻訳者の中では村上知行氏が「ザ・水滸伝」の解説の中でそう書いていた。一般の人には面白くなく、10人中9人は71回以降を投げるだろうと。オレはそれを読んで、何を勝手なことをいっているのか、翻訳者としてそう書いてしまっていいものか、と思ったものだ。

なので、ここではっきりいっておく。

水滸伝は71回以降も十分に面白い。
特にラストは「はじめがあって終わりがある」の言葉通り、何ともいえないものがある。(とりあえずネタばれ禁ということで、こういう風にしか書けない)
71回以降は面白くないとして、これを味わわないのは水滸伝のよさを捨てていると言いたいし、本当に水滸伝を読んだことにはならないのではないかと思う。




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仰るとおりですが… (花和尚魯智深)
2014-10-22 14:08:17
久しぶりにコメント致します。
実は時折訪問し、他の記事も興味深く拝読しています。

水滸伝108星集結以降はツマラナイ、という考えは私も偏見に満ちていると思います。
 ご指摘にある中では「開封府大騒がせ」や「任原との相撲」、「李逵の裁判ごっこ?」など面白いエピソードは好きです。20年ぐらい前に出た中国のドラマでも、征遼戦はぶった切ってもこのあたりのエピソードは、創作も交えて丁寧に描かれており、気に入っています。李逵の恋物語(????)もありましたし。

征遼戦のさなか、山の中に閉じ込められた盧俊義軍が救援を求めるために、スマキ(?)になった白勝が山を転がり落ちる場面など、結構面白くもあると思います(120回本の田虎戦だったかもしれませんが)。

とはいうものの、戦争の場面では、各部隊の隊列やコスチュームの説明が長々とあったりして、ちょっとナナメに読んでしまう部分もあることもまた一方の事実ではないでしょうか。それと、108星の死の場面、かなり淡々と書かれているのが多いのもちょっと寂しいですね。このあたりに引きずられるとネガティブな印象を持つということではないかと思います。
あと、どうしてもハッピーエンドが欲しい人にも、最後は辛いでしょうね。
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Unknown (はぬる)
2014-10-22 19:45:26
花和尚魯智深さん

お久しぶりです。
またコメントをいただけて嬉しいです。

>このあたりに引きずられるとネガティブな印象を持つということではないかと思います。

おそらくそうなのでしょう。隊列の説明など、私もナナメ読みをすることがあります。
特に、現代社会では想像しにくいですしね。

でも、恐ろしいほどの忍耐力が必要だとか、10人中9人は投げる、というのもまた、言い過ぎかと。
(個人的に忍耐力が必要だったのは、『三国志演義』で劉備が死んで以降ずっとでした。)

私は昔から日本の古典も好きで、更級日記などに描かれる無常観的な捉え方も好きだったりします。
で、水滸伝にも共通するなぁ…と。

そういうわけで、私には、あの淡々とした描写がまたいろいろこみ上げさせるのです。
あっさりしてるけれど、宋万が死んだときの宋江のせりふはちょっとぐっと来ました。

>あと、どうしてもハッピーエンドが欲しい人にも、最後は辛いでしょうね。
そのような方には是非、水滸後伝をセットで読まれることをお勧めしたいですね。
ラストはおめでた続きのハッピーエンドですから。
とはいえ最後にやっぱり郷愁を誘う場面があったりして、これも良さのうちの一つだと思っています。

でも、今の消費社会の中では、アジアの古典が持つ共通した『無常観』的なものは、あまり喜ばれないのでしょうか…
少し残念でもあります。

>征遼戦のさなか、
そうそう、スマキで転がり落ちる奴何人かいますよね。今100回本を読んでいるので、ちょっと注意して読んで見ます。
なお、この前花和尚魯智深さんは桃花山を裸で転がっていきました。打虎将と小覇王はあっけにとられて苦笑いしてました。
^0^
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ヤレヤレ (ヤレヤレ)
2017-08-07 19:16:57
性格悪そうですね。
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Unknown (Unknown)
2017-10-30 14:27:49
>ヤレヤレ

ん?あなたが?
こんなとこで自己紹介しなくてもいいよ~
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