豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

アバウトだなあ

2009å¹´06月05æ—¥ | å±±å²³é­é›£
「この辺で1番高い山はどこですか」と旅館の人に聞いただけで本白根山に登り、行方不明になっていた登山者が、無事に救助されたようです。


77歳男性、登山中に遭難か 群馬・草津
産経新聞  2009.6.3 00:07

広島の78歳男性が一時遭難 群馬の山、2日ぶり救助
共同通信  2009/06/04 20:31

白根火山ロープウェイ山麓駅付近で遭難男性を救助 群馬
産経新聞  2009.6.5 02:24



遭難の引き金となったのは道迷いであり、「この辺で1番高い山はどこですか」と聞いただけで山に登ってしまうアバウトさは直接関係があるわけではありません。ただ、ヘッドランプ使用で無理矢理ハイキングコースに戻ろうとしたとか、大切なザックを無くしてしまうとか、アバウトな面が目に付きますね。

47ニュースの報道によれば、この男性は数十年山に登っているとか。つまり、これだけアバウトでも、事故ってなかなか起きないわけです。で、ある日突然、死の恐怖におびえながら飲まず食わずで来るか来ないかわからない救出隊を待ち望む状況に追い込まれるわけですから、山って怖いです。


それにしても、この登山者は「この辺で1番高い山はどこですか」と聞くぐらいですから、地図なんか持っていないでしょうね。また地図を持っていてもムダなレベルでしょう。これもしつこく当ブログで書いていますけど、道迷いって、道を間違えることでは無いのです。登山における道迷いって、登山道から登山道では無いところに突っ込んでしまって迷うことなのです。分岐点に道標が無くて道を間違えたところで、確実に登山道にいるのならすぐに戻れるし、また歩いているうちにどこかへ到着します。

ほとんどの人が「登山道からはずれたところを歩くわけがない」と思いこんでいます。が、実際には登山道と登山道外って場所によってはわずかな差だったりします。また登山道と単なる踏み跡、あるいは登山道になっている沢筋とそうではない沢筋の区別がつかない人が大勢いるわけですね。だから分岐も枝道も無い登山道で、道迷いが起きるわけです。



「この登山道には分岐が無いから迷うわけがない」と思いこんでいる人が、一番ヤバいです。




いつも思いますけど、どういう場所で道迷いが起きているかを、多くの人に見せたいです。樹林の無い大雪渓コースの上部にも、何人もの人間がハマったトラップがありますよ。槍沢コースにも頻繁に間違える地点があります。こんなツマンネーところで道に迷うってのを目にしたら、きっと道迷いに対する意識が大きく変わると思います。


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Unknown (kmp)
2009-06-05 13:29:04
昔、雲取から鴨沢経由の下りで、登山道外に突っ込んだ経験があります。

鋭角に折れている下りの登山道だったんですが、見落として真っ直ぐ下ってしまいました。10歩くらい歩いて、足の下の感触が、明らかに踏まれている道ではなかったので、すぐに気付きましたが…。

何の変哲も無い一本道でも、集中力を欠くと道迷いになりかねないという体験でした。
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Unknown (hayto)
2009-06-05 18:42:08
僕もkmpさんと同じ経験あります!

3年前、比良山系の蓬莱山直下、同じく登山道が折れている場所で、折れているのと反対方向に進んでしまいました。踏み後がほんの10mぐらいで切れ、その先は崖になっていました・・・
すぐに戻って事無きを得ましたが、その場所、数本の枝が横に置いてあって入らないようにサインがされていました。

それから3年後(今年)に行ってみると、そのサインはさらに強化されて、20cmぐらいの高さまで木の枝が積まれていました。
今から思えばどうってことない場所ですけど、きっと間違える人が多いんでしょうね。

「おかしいと思ったらすぐ戻れ」は金言ですね。
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Unknown (bongo-pete)
2009-06-06 00:14:33
kmp様

足の感触で気づくのって大切ですね。でも、それを無視して突っ込んでしまう人がいかに多いことか。

hayto様

「おかしいと思ったらすぐ戻れ」というのは鉄則ですが、これができない人が大勢います。また「おかしい」と気づくのが致命的に遅い人もいるわけです。
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