日産の自動運転技術であるプロパイロット。その次世代版といわれるバージョンが公開された。正直、出来栄えは衝撃的。都心のカオスのような交通を、ほぼ手放しでクリアできてしまうレベルだ。この技術が巻き起こす影響はどんなものか。新技術大好物の国沢光宏師匠が興奮気味にお届けする!!
文:国沢光宏/写真:日産自動車
こりゃデビューしたら購入したい!
自動車関係の取材をしていると「これは凄い! 世の中が変わる!」と思える技術に出会う。楽しいし、ワクワクします。今回出会った技術は久しぶりの場外ホームランといった凄さを持つ。加えて2027年度に実車搭載ということなので、長く待って2年半! デビューしたら絶対購入したいと思えるほど。もったいぶってないで以下、じっくり紹介したいと思う。
細かい内容は後回しにして機能紹介から。ドライバーがクルマに乗り込み、ナビで目的地をセットした、と思って欲しい(今回は周回コースだったため事前に経由地をセット)。スタートボタンを押すと、クルマは自動的に動き始める。ホテルのアクセスロードを出て、信号を左折。そのまま交通量の多い片側2車線の道を流れに乗って走り、ナビにセットされた交差点を右左折していく。
コース上に右折箇所は多数あり、それぞれ違う”曲がり方のルール”が求められる。右折矢印出るまで曲がれない交差点(これ簡単)から、対向車が切れるのを待って右折するような信号など様々。それらを「普通より上手なドライバー」レベルで次々とクリアしていく。はたまた駐車車両あったり、横断歩道を少し離れて悠然と歩く人がいたり、強引に曲がろうとするバイクに出会ったり。
なんせ体験会の場所って花の都大東京は銀座であります! バイクや歩行者や自転車ばかりか、荷車まである。そういった”障害物”は従来の自動運転車だとベタ抑えでクリアしようとしてきた。もう仮免教習者のレベル。正直イライラするし、そんなモノが街中に溢れたら渋滞だらけになることを100%確実。なのに今回の試験車は、平均的なタクシードライバーのレベルで対応していく。
なぜレベル3以降の自動運転が普及しないのか?
芝公園を出発して銀座を走ってスタート地点に戻る間、運転席に座っていた、私が世界一の自動運転エンジニアとリスペクトする”マッド飯島”は一度もハンドルを握ることなし(法規順守のためいつでもハンドルを操作できる位置に手はスタンバイさせてます)。外から見たらクルマ自身が考え、動かしていることに気づく事はないと思う。それくらい流れに乗れているし、動きは自然。
『次世代プロパイロット』と呼ばれるこの技術、前述の通り2027年度に実装して販売するという。私もやがて運転スキルは落ちてくるだろう。統計によれば75歳を過ぎると事故率が急激に高くなる。そうなった時、次世代プロパイロット付きのクルマなら、今の私と同じような運転でクルマを使えるということになる。いや、常時周囲360度を監視しているため、今の私より安全か(笑)。
ここからが本題です。自動運転というと、すぐ『レベル』の話になる。レベル2は現在販売されているクルマの最高機能であり、限定された条件でハンズフリー走行も可能というもの。ただ運転時の責任は100%ドライバーが担う。レベル3になると限定的な自動運転になり、その間の事故は車両側(すなわちクルマを作った会社)に責任が生じます。ということからレベル3の普及は進まない。
もっと言えば私自身、自動運転レベル3は日本じゃ無理だと思っている。警察って重大事故起きたら「クルマが悪い!」だと納得しない。人間をお縄にしたいのだった。国交省だって自動運転車が事故を起こせば、必ずや「そんな技術を認可しやがって!」と吊し上げられる。したがって今回紹介する技術は「自動運転」でなく「ADAS」(運転アシスト)となる。運転の主体はあくまで人間。
コメント
コメントの使い方20万円ってことはLiDARなしのカメラのみですね。
それで試乗中はレベル4に匹敵するような手放し運転?
長年カメラの自動運転を追及しているテスラですら、完璧にはこなせません。
ちょっと疑わしい感じです。
何度もテストしたおなじみの道を通っただけか、もしくは遠隔で監視している人の運転への介入がかなりあったのでは。
無人(回送)自動運転についてのタイムラインはどうなんでしょうか
これが可能になると、マイカーで無人迎車ができますよね。
駐車スペースが対応しているのが大前提ですが。
信号なし横断歩道で全く人の流れが止まらないため、車で押しのけるように進むしかない大阪の街中で、どう運転するのか見てみたい。
発売前に日産が無くなってるというオチにならないか心配(´・ω・`)
自分の懐の心配と虚栄心しか持ち合わせていない〇ソな農梨役員の下で
技術者は粛々と次世代技術へ進む仕事をしていたのかと思うと涙が出る。
名も無き日産の技術者たちが汗水たらして作った物も旅館業夫人のような
日産は自分のお財布とでも勘違いしていた役員に紹介されるのかもしれない
と思うと彼らが可哀想すぎる。
素晴らしいですね。日産は運転サポート機能において、早期の2010年頃には他社を圧倒していました。こういう技術力は昔から高いんです。
しかし高性能ゆえに高級車の上位グレードのみとか高額OPで留まり、いつまで経っても庶民の買う車種に採用されなかった。
そこが後発でイメージ搔っ攫ったアイサイトとの差で「最新を多くの大衆車レベルに採用できる」が重要。BEVのみ設定では二の舞です
素晴らしいネ!
NISSANの経営も「次世代プロパイロット」に任せれば良いのに・・・