記念すべき1本目!物語はここから始まる!
しかし、どんなベースを手に入れたらいいんでしょうか。
いろいろなベースが流通していますが、今回はエレクトリックベースのスタンダードでどんなジャンルにも使用できる、そしてこれからいろいろな音楽に出会っていくであろうベーシストが最初に持つべき「フレッテッド(フレットのある)4弦ベース」を紹介していきたいと思います。
Yamaha BB Series Demo | BB234
設計と開発、また新技術に圧倒的なポテンシャルを持つYAMAHA。低価格のモデルであっても性能は充分です。
これからベースを始めるのですから、音とか弾きやすさとか、わからなくて当たり前です。そういうところは上達するにしたがってだんだんわかるようになっていきます。そんなわけで、初めてのベースを選ぶにあたり、現時点で判断できるポイントを考えていきましょう。
見た目にビビッときたベースを、まずは選ぼう(写真:YAMAHA TRBX304)
色でも形でも、まず第一に、見た目が気に入ったものを選びましょう。
ボディやヘッドがどんな形をしてどんな色なのか、指板が黒いか白いか、ボディに板が付いているのかいないのかなど、ベースのルックスを判断する要素はたくさんあります。「好きなアーティストが使っているベースに近いイメージのもの」 でも大丈夫です。おそらく練習や初めての動画撮影はこのベースで行うわけですから、それをイメージしてみてください。
楽器なのに、なぜ音や弾きやすさではなくルックスなのか?
それは、これから始める人にとっては、音も弾きやすさも判断が難しいからです。しかしルックスならばじゅうぶんに判断ができます。よい顔つきをしたベースには愛着がわき、永く愛用できます。
ベースのルックスについては、以下の用語を知っておくとよいでしょう。
わかります。しかしベースの音を決める要素はあまりにもいろいろあり、ベースを始める前からあれこれ考えられるものではありません。よって、ここでは最もわかりやすいであろう「ピックアップ」のみに注目してみましょう。
ピックアップの種類を観察すると、だいたいのサウンド傾向を察することができます。ここでは一般的な3種類を見ていきましょう。こうしたピックアップの種類とアクティブ/パッシブの組み合わせは、ベースのサウンドにとって大変重要な要素です。
スプリットコイル・ピックアップ
互い違いに配置された小さめのピックアップのことで、ふたつ合わせて一個のピックアップとして扱います。サウンドは太くて力強いのが特徴で、ピック弾きや2フィンガーなどの弾き方が似合います。ボディに一個だけマウントするのが伝統的な使い方ですが、ロック志向のベースではブリッジ側に同じものがもう一つ載せられることもあります。
シングルコイル・ピックアップ
細い棒状のピックアップで、通常はネック側(フロント)とブリッジ側(リア)に二つ載せて使用します。サウンドは繊細なところから力強いところまでカバーできる、全ジャンル対応型です。ピック弾き、2フィンガーに加え、スラップ(チョッパー)も映えます。フロントをスプリットコイル・ピックアップに替えた配列(いわゆる「PJ」)も盛んに使用されます。
ハムバッカー・ピックアップ
一つの本体に二つのピックアップを封じているものを「ハムバッカー・ピックアップ」と言い、多くの場合シングルコイルの倍ほどの太い棒状をしています。多くは太く力強いサウンドを特徴としますが、メーカーの設計により様々なサウンドキャラクターを持っています。これもシングルコイル同様、フロントとリアの二つを載せるのが一般的です。
アクティブ仕様のベースには、ボディ裏面に電池を入れるところが設けられている
「ピックアップ」は弦の音をキャッチするマイクとして機能します。ピックアップには電池がいるものといらないものがあって、
と分けられます。それぞれサウンドに傾向がありますから、経験を積んでいくと「あ、このベースはパッシブだな」みたいに聞き分けることができるようになります。「じゃあどっちが良いのか?」はいきなり決めにくいですが、好きなベーシストの楽器のツマミの数を観察してみてください。
ほとんどのベースがこれに当てはまります。好きなベーシストのものに近い方を選んでもいいですが、いっそのことあまり深く考えなくても、まあまあ大丈夫です。
以下に紹介するモデル、お値段はだいたい3万円から8万円までです。
「1万円で買えるベースもあるのに、そんなに高いものを勧めるのか!?」
なんて思うかもしれませんね。
ごもっともです。
しかし、おおむね3万円以上の価格帯からが「数年以上の長い期間で愛用できる性能と強度を持ったベース」であり、これからベースをしっかり練習して巧くなって、ライブに出たり動画を撮ったりしていくための相棒として適切なんです。
また、これくらいの価格帯のほうが、色や形、サウンドなどで選択の幅が広くなります。良い音がするのか、弾きやすいのか、壊れやすくないかなど、ほぼ心配いりません。十分良い部品で構成され、また調整が正しく施されるので、安心して練習でき、スムーズに上達できます。
ではここから、1本目にお勧めのベースを見ていきましょう。いずれも世界的に知られる有名ブランドのベースで、楽器としてはオーソドックスでありながらしっかりとした個性があり、かつ手に入れやすい価格の範囲内にしっかり収まっています。
総合楽器メーカー「YAMAHA」のベースは、低価格モデルであっても自社の工場で、徹底した管理のもとで作られます。これは「メーカーの責任」が問われる現代における、YAMAHAの姿勢が示されていると言えるでしょう。
代表機種「BB」シリーズは、1977年に「Broad Bass」としてデビュー。「広い(=Broad)」の名の通り、ロックでもポップスでもジャズでもメタルでも、幅広い音楽性に使用でき、40年以上にわたって国内外問わず、著名なベーシストに愛用されてきました。
国内の著名BBアーティスト一覧
https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/guitars_basses/el_basses/bb_2017/artists.html#product-tabs
BB使用アーティストからのコメントはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=ynwAXkzm9eI&list=PL7bJ3L2-MwTk4aOap7nd5oissADPe64eC
最も求めやすい価格帯に設定された「BB234」は、定番機BBをベースの定番仕様でまとめた、音楽ジャンルを選ばず使用できるベースです。
ボディはコンパクトで抱えやすく、ネックはスリムで弾きやすく、軽量なペグで重量バランスを整え、ピックアップのノイズを抑えるという設計により、現代的な高い基本性能を持ったベースとして仕上がっています。
またこうしたシンプルな楽器は、取り扱いも比較的ラクです。ベーシスト1年生がこれから出会うであろういろいろなジャンルに挑戦しやすく、また弦交換や弦高調整など、知っておきたい各種のメンテナンスにも挑戦しやすいベースだと言えるでしょう。
YAMAHA BB234を…
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先述のBBは最新式ながら、いわば伝統を意識したトラッドなベースです。これに対して「TRBX」シリーズは、そこから一歩先に行った演奏性と機能性を追求しています。最も求めやすい価格帯に設定された「TRBX304」は、TRBXの高い演奏性はそのままに、幅の広いサウンドバリエーションを迷わず利用できるように開発されています。
TRBX304の本体は弾きやすさ、サウンド、頑丈さに優れており、初めて手にした日から長期的に愛用するベースとして、十分な性能を持っています。
TRBX304の電気系は多機能ですが、シンプルな操作でサウンドを使い分けることのできる機構が備わっています。これからプリアンプでの音作りを学んでいく人にとっては、プリアンプでどんなことができるのかをしっかり学ぶことができるでしょう。
操作ツマミはマスターボリューム、バランサー(両ピックアップのブレンド)、トレブル(高音域)、ベース(低音域)の4つで、これだけでもじゅうぶんな音作りができます。そしてさらに、このモデルのために開発された「パフォーマンスEQスイッチ」が採用されています。このレバースイッチは各奏法に適切なサウンドメイキングを呼び出すことができ、ネック側から
に設定されています。
パフォーマンスEQ:5ポジションのEQセッティング
スイッチの操作によって、バキバキのスラップやピック弾き、ウォームなソロといった音色を、エフェクターに頼らず一瞬で呼び出せるわけです。中級以上のプレイヤーであっても、ここまでの音色変化を一瞬で行うのはなかなか困難です。始めたばかりのベーシストにはややハードル感のある「プリアンプによるサウンドメイキング」ですが、このスイッチはそれを強力にサポートしてくれます。
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現代エレキベースの基礎となり、なおかつ今もスタンダードなのが「フェンダー」で、フェンダーのベースを手に入れやすい価格帯でリリースしているのが、フェンダー傘下のブランド「スクワイア(Squier)」です。
スクワイアの「クラシック・ヴァイブ(CV)」シリーズは、歴史上の名機を可能な限り再現したトラッドなモデル群です。プレベでもジャズベでも1960年代モデルが高人気です。
といった特徴からは、最新式のベースではなかなか見ることのできない、まさにその時代のバイブスを感じることができます。フェンダーが設計したピックアップ、クラシカルな雰囲気を残しつつも押弦がしやすい「ナロートール・フレット」を備え、サウンドも弾きやすさも充分です。
60年代のプレベはサンバースト、ローズ指板という構成が定番仕様でした。CVシリーズでは木材こそ代替材が使用されていますが、本物の持つ顔つきはしっかり再現されています。やや太い握りのネックもしっかり再現されており、ピックアップの性能も手伝い、パワフルかつホットなサウンドはまさにプレベそのものです。
Classic Vibe 60s Precision Bassを…
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60年代のジャズベも、サンバースト、ローズ指板という構成が定番仕様です。年代の再現を目指すCVシリーズですが、トラスロッドは全機種共通でヘッド側に開口しています。ここは明らかに当時の使用と異なりますが、ネック調整がやりやすいメリットの一つでもあります。二つのピックアップをうまく使えば、じゅうぶんなサウンドバリエーションが得られます。
Classic Vibe 60s Jazz Bassを…
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「バッカス(Bacchus)」はオーソドックスな受け入れやすい本体、手に入れやすい価格帯、そして価格のイメージを粉砕するハイスペックを特徴とする日本のブランド。カラーバリエーションの豊富さも特徴です。
バッカスの「WJBシリーズ」はジャズベタイプの本体にバッカスらしいアレンジを施したベースです。ここに挙げた「WJB-PB」は模様の美しいバールポプラ材をボディトップにあしらい、ピックガードは透明、ポジションマークにアバロンを使用するという美しい顔つきです。ネックはこの価格帯での実現は困難だったであろう「メイプル+ローズウッドの5層構造」で、貼り合わせることでネック強度が飛躍的に向上し、サウンドが引き締まります。
電気回路も充実しています。スタック(縦積み)タイプのピックアップは内部で発生するノイズを相殺する機能を持ち、ボリューム、バランサー、3バンドEQという操作系は、ハイエンドモデルにも採用されるオーソドックスかつ機能性十分な構成です。
WJB-BPを…
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「アイバニーズ(Ibanez)」は機能性と演奏性にすぐれ、かつキャラの立ったベースをリリースしている日本のブランドです。「SR」シリーズは1987年のデビューから30年の歴史を持つ代表機種で、「スリムかつ軽量」な本体の演奏性が高く評価されています。特に滑らかな曲面で覆われたコンパクトなボディシェイプは、デビュー時点で完成の域に達しており、これまで変更されたことがありません。また指板は24フレットまであり、ベースでありながら高い音域を攻めることができます。
求めやすい価格帯に設定されている「SR300E」は、このSRに強力なハムバッカー・ピックアップと自由度の高い操作系を備えています。操作系はマスターボリューム/バランサー/3バンドEQに加え、スイッチの切り替えによってピックアップ本体を
の3種類に切り替えることができます。
Ibanez SR300Eを…
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BB434:ローズウッド指板
BB434M:メイプル指板
先述のヤマハBB234から一段階上位のグレードに位置する「BB434」と「BB434M」は、普及価格帯ながらBB上位機種のスペックをしっかり盛り込んだ高機能モデル。1本目からワンランク上のベースを求めている方はこちらがおすすめです。
「400シリーズ」では、軽量で重量バランスの良い本体、頑丈で弾きやすいネック、高性能なピックアップを備えることで、高い基本性能を達成しています。
こうした基本性能の高いベースは、これから始める人の上達を強力にサポートします。また、腕前が上がってきたベーシストの要求にもしっかり応えることができるので、ベーシスト人生の記念すべき1本目を、長く愛用することができます。
「400シリーズ」以上のBBでは、ネックジョイントと弦の裏通しにおいて、YAMAHA独自の設計が採用されます。
マイター・ボルティング:通常のネジに加え、45度の角度で2本のネジを追加するネックジョイント。弦振動のエネルギーロスを軽減し、ボディとネックが一体となった強烈な鳴り方を作る。
コンバーチブルタイプ・ブリッジ:ブリッジ本体で弦を固定する「トップロード」方式と、ボディ裏から45度の角度での「裏通し」が選べるブリッジ。裏通しでは従来品より弦やパーツへのストレスが軽減され、弦振動の伝達効率が向上する。
ベースの伝統に敬意を払いつつ、このような斬新な設計でオリジナリティのある製品を生み出すのが、YAMAHAの得意技です。こうした設計で楽器としての性能が向上し、クラスを越えたサウンドが生まれるのです。
BB434を…
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フェンダー(Fender)はエレクトリックベースの歴史を開拓したブランドであり、今なおベースのスタンダードとして君臨しています。現代の特に若い演奏者のために開発された「プレイヤー・シリーズ」は、本体の形状や搭載されるパーツ群はヴィンテージ・ベースの寸法や仕様をしっかり受け継いでおり、フェンダーらしいオーセンティックな雰囲気を演出しています。
このシリーズのために開発された専用ピックアップにより、正統なフェンダーのサウンドを継承しつつ、わずかにエッジを立たせた現代的なサウンドが特徴です。
Player Precision Bass
スプリットコイル・ピックアップ1基、1V1T
いかにもプレベらしい、存在感のあるネックグリップ。
合計10モデル。
左用あり。
Player Jazz Bass
シングルコイル・ピックアップ2基、2V1T
スリムなネック。
合計10モデル。
5弦、フレットレス、左用あり。
Player Jaguar Bass
PJ配列、2V1T
ネックはジャズベース同様にスリム。
合計3モデル。
右用のみ。
ピックアップ配列の異なる3タイプがリリースされています。いずれもカラーバリエーションが多く、指板もメイプルとパーフェローの2種類が用意されており、選ぶ楽しさがあります。左用モデルはカラーバリエーションこそ絞られますが、価格設定が右用より若干抑えられているところは、注目に値するポイントです。
Fender Player Bassを…
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以上、1本目にオススメの4弦エレキベースを紹介しました。ベースを選ぶポイントは、ベーシストそれぞれです。もちろんここに挙げた以外のベースにも魅力があり、それぞれに音を持っています。やはり弦は4本で、フレットの付いたものがお勧めですが、「何であれ、気に入ったものを選ぶのが一番!」です。しっかり選んで、良いスタートを切ってください。