塩崎恭久厚生労働相は3日、国立感染症研究所(感染研)村山庁舎がある東京都武蔵村山市の藤野勝市長と会談し、エボラ出血熱などもっとも危険度の高い感染症の病原体を扱える「バイオ・セーフティー・レベル(BSL)4」施設を稼働させることで合意した。週内にもBSL4施設に指定する見通しで、稼働すれば国内で初めてとなる。
感染研のBSL4施設は昭和56年に完成したが、住民の反対などから、これまで危険度のレベルを下げて稼働してきた。見学会などで住民の理解が進んだことから、藤野市長は「稼働はやむを得ない」と判断。塩崎厚労相は「30年以上続いた懸案が解決でき、心から感謝する。施設が市民の誇りと言ってもらえるよう努力したい」と述べた。
稼働に当たり、国は周辺の安全対策や防災対策を強化するとともに、地域住民への説明を積極的に推進。施設は感染者の生命を守るために必要な診断や治療に関する業務に特化して使用される。これによりエボラやラッサ熱など危険度の高い6種の感染症の患者が出た場合、病原体の詳細な検査ができるようになる。ウイルスを保管し、検査方法の開発や改良を行うことも可能となる。