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認知症の夫をコントロールしているつもりが逆だった

夫とつかみ合いのケンカをした。

発端は・・・
「おしっこ」と言って立ち上がった夫を
トイレに連れて行き、
便器の前で一回転させて、
ズボンとリハパンを脱がせて座らせようとしたが、
両方の手すりをつかんで座るまいと抵抗する。
そうしているうちに、
立ったまま、こちらを向いて・・・

ジョロジョロジョロ~ 

 ギャ~、トイレの床におしっこ撒いた~ ヽ(`ω´*)ノ彡☆ 

  あぁ! ひっかけたなぁ~ (。>(ェ)<。)エエェェェ

   早く! 早く! 座って、よぉ~!!!

 座らせようとする私と、座るまいとする夫。

怒っている私を見て、夫は、いつものように
「かわいい」と言ってくれたのだが、
(夫が私の怒りを収めるために言う常套句)
その時は、私の虫の居所も悪く、
収まりがつかない。

 もう、早く座ってよ~ぉ!
 リハパンもズボンも足もびちゃびちゃじゃない。
 着替えなくちゃぁ。

なおも座ってくれない夫を前に、
私は怒りのぶつけようがなく、
トイレの床を平手で思いっきり叩いた。
そしたら、痛いのなんの (;д;)
掌がしばらくじ~んとしびれた。

ズボンを半分下ろした状態のままの夫は
トイレから逃走
 ウオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアア\( ‘ω’)/

こら~! そんなびしょびしょのままソファに座るなぁ~
    ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3

そこからは、つかみあい。
 でも、ヨタヨタ歩きの夫が、よろめいて転んだりしないように、つかみ合う。

びしょびしょのままのリハパンとズボンを何とか上げてやると
ソファに座り込んだ夫。

「ボクが悪いんだ。ボクが「ヘタ」だから・・・」

と言っている。
つまり「自分のやりかたが下手だから、私のことを怒らせてしまった」と言っているらしい。

・・・・・・
はっとした。

認知症が進行して、いっときも目を離せない夫。
夫が動いている時、ちゃんと見ていないと、いつもとんでもないことになっている。
トイレも必ず介助しないと、とんでもないことになる。

一人では何一つまともにできない。
一人で何かをやられては困る。

そんなふうにして、
認知症の夫を自分のコントロール下において、
きれいに(衛生的に)合理的に(早く)生活をまわしていきたい。

そんな傲慢な私の思いを
夫は見事に打ち砕いてくれた。

夫は、私をコントロールしているつもりだったんだ。
参ったね。

私の夫の対応が「ヘタ」だから、こんなことになったんじゃないんだ?
ケンカの原因は、夫の私への対応が「ヘタ」だったため、私を怒らせてしまったからだと。
夫はそのように反省しているのだ。

今回も私の負けだね。
そもそも、最初の段階で、事態がエスカレートしないように
夫は私に向かって「あなた、かわいい!」と言ってくれたのに・・・

椅子に座り込んだ夫は、しばらくすると

「ケンカはやめましょう」と言った。

本当にすごい人だ。
夫は私のような器の小さな人間じゃない。
改めて夫を尊敬する気持ちがふつふつと湧いてきた。

そして、こうしてぶつかりあって、ケンカすることができる相手がいる私は、幸せだと思った。


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コメント

幾つになられてもチャーミングなご主人ですね。
施設で働いておりますが排泄に関してはコントロール出来ない方も多く、ご主人のように指示が伝わらず、また身体が思うように動かずもたもたしているうちに失禁されることがあります。
それで毎回介助に入る方についてはテープ留め式用のリハパンに引っ付かないパッドを当てておき、パンツを下げてもその方が座りきるまでパッドで陰部を押さえておきます。
いつでも失禁があることを前提に介助します。(笑)
ただし不快感のないようにさりげなく、サッとですけどね。
もしご主人の立位が安定しておられるのなら試してみてください。

まゆさん

アドバイスをありがとうございます!

パッドで押さえながら座らせればよかったんですね。
今まで気がつきませんでした。
で、早速今日やってみましたら、なんとかうまくやれそうです。

デイサービスでも、しょっちゅう、ズボンを下ろすときにおしっこが出ていて、ズボンが濡れてしまった・・・と言って濡れたズボンを持ち帰って来るので、その方法をデイのスタッフにも伝えたいと思います。

固定観念にしばられていたんですねぇ。
もっと頭をやわらかくしないと。

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プロフィール

アワキビ

Author:アワキビ
夫と2人暮らし。子どもはいません。
それに現在は猫1匹の家族。
夫、要介護5。アルツハイマー型認知症。生まれつき耳が聞こえない。
父は2018年秋に特養に入所。要介護4。毎週木曜日に実家へ介護タクシーで帰り、2泊3日。土曜日の朝、特養へ帰るという生活も、コロナ禍でずっと特養のみの生活に。特養での看取りも視野に。
母は要介護1で、認知症。弟家族と同居していたが、コロナ禍を期に、我が家に同居することに。記憶障害がだいぶ進んできていて、話したそばから忘れるが、身体は元気。

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