ANIPLEX.EXE新作『たねつみの歌』Steamで2週間ずっと「100%好評」継続中。ボイス付きで丁寧に紡がれる、四季を巡る旅路

ANIPLEX.EXEは12月13日、『たねつみの歌』をリリースした。発売から約2週間にわたり、Steamのユーザーレビューのすべてが好評となる好評率100%を維持している。

ANIPLEX.EXE(アニプレックスエグゼ)は12月13日、『たねつみの歌』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam/DMM GAMES/DLsite)およびブラウザ(DMM GAMES)で、通常価格は税込2750円となっている。同作は発売から約2週間が経過したが、Steamのユーザーレビューでは記事執筆時点で89件中100%の好評を獲得。これまでに本作のレビューをSteamで書いた全プレイヤーから、おすすめできると判断されている。

『たねつみの歌』は、三世代の16歳の母子が神に死を受け入れてもらう旅に出る、ノベルゲーム作品である。本作の主人公みすずは、16歳の誕生日を迎えたばかりの高校生の少女だ。彼女は幼い頃に母を亡くし、祖父母のもとで生活をしていた。2023年の春、そんなみずすの元へなぜか16歳の母・陽子がやってくる。1996年からやってきたという陽子は、「たねつみの巫女」に選ばれたのだといい、みすずを神々の国を巡る「たねつみの儀式」へと誘う。


「たねつみの儀式」とは、神々が世代交代をするために必要な儀式。「たねつみの巫女」は、不死の神々が住まう「常世の国」を巡り、穢れをもたらす「本当の冬」が来るまでに、神の長たちに死を受け入れてもらわなければならないのだという。

みすずは、突然現れた陽子に戸惑ったものの、旅への同行を決断する。2050年からみすずの16歳の娘・ツムギも誘い、みすずの弟を名乗るヒルコも加えて、神々の国を巡っていく。四季の国で神々の生と死を巡る、16歳の母子の旅が描かれる。

ゲームプレイでは、テキストを中心に立ち絵やCGといった演出を交えるオーソドックスなノベルゲームとして、みすずたちの旅が描かれる。本作には選択肢や分岐はなく、読み進めていくとやがてひとつのエンディングへとたどり着く。みすず役を飯沼南実さんが務めるなど、声優陣によるキャラクターの感情を彩るボイスも搭載。四季の国を巡る旅の情景は、多数のCGによって克明に描かれる。

制作陣としては、同人サークルSTUDIO・HOMMAGEのKazuki氏が企画・シナリオを担当している。同氏はこれまで、同サークルより『みすずの国』や『雪子の国』、『ハルカの国』シリーズなどをリリース。『雪子の国』では、美少女ゲームやADVを中心にプレイヤーの評価が集まるサイト「ErogameScape -エロゲー批評空間-」でデータ数72件により中央値88/平均値86点を獲得するなど、プレイヤーから高く評価されてきた。

そのほかキャラクターデザインはpopman3580氏およびマニアニ氏、音楽は原田萌喜氏、演出・ディレクションをYow氏が担当。本作は経験のあるクリエイターたちによって、制作されているわけだ。

Steam Scoutの分析結果画像


本作は2024年12月13日にPC向けとしてリリースされた。Steamのユーザーレビューでは、発売直後から好評レビューが積み重ねられてきたが、2週間たった12月27日現在も89件すべてが好評となっている。Steam Scoutの分析結果によれば、本作のレビューは72件が中国語(簡体字)、9件が中国語(繁体字)、同じく9件が日本語、1件が英語のプレイヤーから送られているという。分析結果を見る限りでは中国を中心に、台湾や日本のプレイヤーからも評価されているわけだ。

ユーザーレビューにおいては、価格に比べてストーリーやイラスト、ボイスといった全体のクオリティが高いという声や、感動的なストーリーを評価する声などが見受けられる。筆者も本作をプレイしたが、約12時間ほどのゲームプレイの中で生や死、家族といった要素を通してまっすぐな物語が展開。派手さはないものの、旅情や緻密な感情表現を含めて、2024年の新作ゲームとしてとても丁寧に仕上げられていた。そういった、質実剛健な内容が高評価につながっているのかもしれない。

たねつみの歌』は、PC(Steam/DMM GAMES/DLsite)およびブラウザ(DMM GAMES)向けに、通常価格税込2750円で配信中。Steamでは12月28日3時までセール中だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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