Windows 8が、2012年10月26日に発売されてから約半年を経過した。
過去のOS発売時に比べて、売れ行きの鈍さを指摘されたWindows 8だが、果たして、発売半年間の成果はどうだったのだろうか(関連記事)。
全国の主要販売店のPOSデータを集計しているBCNによると、Windows Vistaの半年間(2007年1月30日〜7月30日の181日間)を「100」とした場合、Windows 8およびWindows RT搭載PCの発売から半年間(2012年10月26日〜2013年4月25日の181日間)の販売台数は「84」と、Windows Vista発売時を下回る結果となった。
パソコン(デスクトップ/ノート)販売台数指数 | |||
---|---|---|---|
OS | 2007年1月30日 〜2007年7月30日(181日間) |
2009年10月22日 〜2010年4月21日(181日間) |
2012年10月26日 〜2013年4月25日(181日間) |
Windows Vista | 100.0 | — | |
Windows 7 | — | 119 | — |
Windows 8 およびWindows RT |
— | 84 |
※2007年1月30日〜2007年7月30日(181日間)のWindows Vista搭載機の販売台数を100として算出した指数
これはWindows 7の発売半年間(2009年10月22日〜2010年4月21日の181日間)が、Windows Vistaに対して「119」という指数を達成していたことに比較しても、やはり、Windows 8の売れ行きの鈍さが浮き彫りになる。
Windows Vista、Windows 7、そしてWindows 8という3つのOSの中で、半年間の売れ行きを比較した場合、やはりWindows 8が最も売れていないOSということになるのだ。
ただ、BCNの集計にはマイクロソフトブランドのSurfaceの販売台数が含まれていないことを考慮する必要があるだろう(市場での動向をみると、それを含んだとしてもWindows VistaやWindows 7の実績を上回ることはないとみられる。関連記事)。
また、月次ベースを単純比較すると、発売6ヵ月目となる2013年3月には、Windows 8の販売指数は、Windows Vistaを「100」とした場合「147」と大きく上回ったが、これはWindows 8が商戦期である3月であるのに対して、ベースとなるWindows Vistaは端境期である2007年6月であることを考慮する必要がある。
PC販売数全体における構成比
もうひとつ、最新OSを搭載したPCが、PC販売全体のどれぐらいの構成比を占めているのか(月次推移)といった比較もしてみたい。
パソコン搭載OS別販売台数構成比(月次推移) | |||
---|---|---|---|
OS | 2007年7月 (7ヵ月目) |
2010年4月 (7ヵ月目) |
2013年4月 (7ヵ月目) |
Windows Vista | 90.5% | — | |
Windows 7 | — | 87.0% | — |
Windows 8 およびWindows RT |
— | 83.9% |
これによると、Windows 8およびWindows RTの構成比は、7ヵ月目となった2013年4月の販売構成比が「83.9%」。Windows Vistaの7ヵ月目となる2007年7月の「90.5%」、Windows 7の7ヵ月目となる2010年4月の「87.0%」と比較しても、やはりWindows 8の構成比の方が低いことが分かる。
発売2ヵ月目の状況が、Windows Vistaが「65.3%」、Windows 7が「51.9%」という構成比であったのに対して、Windows 8およびWindows RTではわずか「16.9%」に留まっていたことを考えると、その後一気に巻き返してきたともいえるが、月次ベースの比較で構成比率が従来OSを上回ったことは一度もない。
タッチパネル搭載モデルは全体の2割
そして、Windows 8の最大の特徴ともいえるタッチパネル搭載モデルについては、2012年10月には、Windows 8およびWindows RT搭載PCのうち、ノートPCで「51.0%」、デスクトップPCで「8.7%」、合計で「45.1%」に達していたが、2012年11月にはタッチパネル搭載PCの比率は、デスクトップPCとノートPCの合計で「28.8%」、12月には「16.3%」と一気に減少。2013年に入っても、1月は「11.2%」、2月は「13.7%」、3月は「18.2%」となり、4月の集計ではデククトップPCで「11.5%」、ノートPCで「20.9%」の合計「19.5%」となり、合計では2割を切ったままの状態が続いている。
タッチパネル搭載モデル構成比率 | |
---|---|
— | ノート/デスクトップ合計 |
2012年 10月 |
45.1% (ノート51.0%、デスクトップ8.7%) |
11月 | 28.8% |
12月 | 16.3% |
2013年 1月 |
11.2% |
2月 | 13.7% |
3月 | 18.2% |
4月 | 19.5% (ノート20.9%、デスクトップ11.5%) |
当初はタッチパネルの部材調達の遅れを理由としていたが、現時点でも、Windows 8搭載PCにおけるタッチパネル搭載比率は低いままとなっている。
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