首都直下型地震が今後4年以内に発生する確率は70%(東京大学地震研究所の試算)というショッキングな報道が1月にあった。本気で万全の備えを考えておかなければならないが、災害時に携帯電話やスマートフォンによる情報がいかに重要かは先の震災で身に染みた人も多いことと思う。
重要なのが電気というインフラが復旧するまでに、情報端末をどう維持するかという問題だ。特にスマホはバッテリーによる稼働時間が比較的短いものが多く、早い段階でバッテリー切れになる恐れがある。そんな状況で活躍しそうなものとしては、手回し発電機がまず思い浮かぶところ。特に停電が長期に及んだ場合はかなり役に立ってくれるだろう。
今回紹介するソニーの「ICF-B03」(実売6000円前後)は、同社が数年前から販売しているライト/携帯電話充電機能付き手回し発電ラジオだ。外観デザインおよびLEDスポットライト(懐中電灯、1灯)とLEDソフトライト、AM/FMラジオ、防滴性能といった機能は、初代「ICF-B01」からほとんど変わっていない。
ただし、ICF-B03では携帯電話充電ケーブルにmicroUSBプラグが追加され、スマホ充電に対応した。
12分間回せばスマホのバッテリーを5%充電
基本的なしくみは、ハンドルを回すことで内蔵された充電池を充電し、LEDライトを点灯もしくはラジオを動作させる。単4電池×2本を収納する電池ボックスも用意され、乾電池でのライト/ラジオの利用のほか携帯電話/スマホへの充電も行なえる。
外部機器への充電は本体前面(ライトを照射する面)にある端子に付属のケーブルを接続。さらにそのケーブルの先に携帯電話用やスマホ用のアダプターを装着して機器とつなぎ、一定のペース(1秒2回転)でハンドルを回せば充電が始まる。
スペック上では、手回しで約5分間回すとスマホならば約30分の待ち受け/約3分の通話が可能となっている。ちなみにラジオならば約1分の手回しで約60分聞くことができる。
実際にスマホ(REGZA Phone IS11T)を充電してみたところ、スマホ内蔵バッテリーの残量を5%(55→60%)上げるのに約12分間回す必要があった。
単4型のエネループ充電池を入れて、その電力からスマホを充電してみたところ、1時間で17%(48→65%) 充電された。なお、ACアダプターやPCからのUSB接続、または大容量の外付け充電池などで充電した場合はだいたい1~2分で1%程度充電されるので、それらに比べると乾電池からの充電はかなり遅く、手回し発電はやや遅い程度だ。
ともあれ5~10%のバッテリー残量があれば、ネットに繋げて数ヵ所のサイトを見て、Twitterやメールを確認して、GPSで現在位置確認する程度には十分と言えるだろう。
スポットライトのLEDがやや暗く、懐中電灯として使うには物足りない点や、ラジオを聞きながらの携帯/スマホ充電ができない点などが気になるが、災害時のためにひとつ備えておけば確実に使えるものになるはずだ。
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