プロジェクトに関わるタスクを洗い出したリストを、WBS(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー)と呼びます。WBSは、見積もりやスケジュール、スタッフのアサインの根拠としてその都度作成・修正します。
WBSは、正確な予算管理と遅延のないスケジュール管理のためには必須の存在です。WBSがプロジェクトの成功を左右することもあるため、Webディレクターには精度の高いWBSを作成する責任があります。
プロジェクト計画書の作成
WBSは、プロジェクト計画書を根拠に作成すると、より精度の高いものになります。プロジェクト計画書とは、提案や打ち合わせを経て合意したプロジェクトの範囲(スコープ)をまとめた文書のことです。プロジェクト計画書は、その後作成するスケジュールなどと共に、クライアントに確認を取り、認識にズレが生じないようにすることが重要です。
そして、プロジェクト計画書をもとに、プロジェクトスコープ(作業)と成果物スコープ(作るもの)の観点から作業項目を抽出していきます。
プロジェクトスコープとは、発生する作業タスクのことで、具体的にはデザインやコーディングなどの作業単位を指します。また、成果物スコープは、サイトマップ、ワイヤーフレームなど作業タスクにより作成される文書などが該当します。予算やスケジュールなどの目標も、スコープに含めましょう。さらに、成果物にはあたらない事項や前提条件、制約条件などもスコープには含めて、未決定事項を残さないことが重要です。
タスクを洗い出し、WBSを作成する
WBSを作成するには、まずプロジェクトを開発工程ごとに分割し、さらに各機能ごとに分け、最後に各スタッフが担当する作業の最小単位のタスクに分割します。
タスクの洗い出しは、ディレクターが担当します。ただし、具体的な作業の完全な洗い出しは、WBSのたたき台がある程度できた段階で、各スタッフにヒアリングしたほうが精度を高めていくことができます。
タスクの洗い出しは、作業内容がすべて網羅されていることが重要です。たとえば、クライアント側の作業など自社以外が担当する部分も盛り込むことで、その後で作成するスケジュールの精度を高めることができます。逆に、タスクの洗い出しに漏れやダブりがあると、スケジュールや予算に影響が出るため注意が必要です。
WBSは、工数を正確に把握して、できるだけ仔細に記載することが重要です。しかし、大規模プロジェクトで工数が膨大な場合や、メンバーの理解度が低く詳細なタスクの洗い出しができない場合には、記述の詳細度(粒度)を上げることで対応が可能です。
著者:エレクス株式会社
“ソフトウェアにおける真のサービスを提供する”ことを第一の目的とし、情報技術に特化した会社として1993年に設立。システム開発、パッケージソフトウェア開発、Webサイトデザイン構築・運用業務から、最近はスマートフォン・タブレットアプリやARコンテンツ開発を展開。今後は、“CSP(Cloud Solution Provider)”として、クラウドを活用してお客様のニーズに最適なソリューションを提供し、さらなる情報化社会の発展に貢献します。