6月に発表された東芝PC25周年記念モデルは、2画面ノートのlibretto W100を初めとして、「節目の年に相応しいものを」という東芝の意気込みが感じられる製品がラインナップされている。
その中でもある意味異色の製品が、今回レビューする「dynabook Qosmio DX」(以下Qosmio DX)である。ほかの記念モデル3製品がいずれも「ノートの東芝」に相応しいモバイルノートであるのに対して、Qosmio DXだけはディスプレー一体型のデスクトップパソコンだ。東芝がコンシューマー向けのデスクトップパソコンから撤退して久しい。その今、25周年記念モデルで投入されるQosmio DXは、いったいどんな実力を備えているのだろうか。
なお、今回試用した機材は製品前の試作機である。そのため製品とは若干異なる可能性がある。
スリムなテレビ風デザインが魅力
Qosmio DXでまず目を惹くのが、そのデザインだ。10年ほど前に発売されていた同社のディスプレー一体型デスクトップ「DynaTop」は、その独特のデザインが評価され、米インテルなどが「デスクトップパソコンでもこんなにスタイリッシュに作れる見本」に取り上げて賞賛するほどだった。
Qosmio DXもそれに負けていない。一般的な一体型パソコンとは異なり、単体の液晶ディスプレーや20型前半の液晶テレビに似た、ディスプレー部を一本のスタンドで支える形状をしている。
ディスプレー下部のスピーカー配置など、同社の19~22型ワイド液晶テレビ、レグザ「RE1/HE1」シリーズと外見のデザインは似ている。同社もQosmio DXについて「『レグザ』のデザインを継承」とうたっているので、意識的に液晶テレビと同じようなデザインを採用したのだろう。
ボディーを側面から見ると、側面や背面が大きく湾曲して、端を細く見せる形状をしている。それもあってか、20~24型クラスの他社製一体型パソコンと比べても薄く感じられ、見た目はスマートに見える。
容積を食う電源ユニットは内蔵せず、大きなACアダプターが付属している。全体の薄さにはそれも貢献しているのだろう。最大消費電力180W(標準は54W)というパソコンだけに、ACアダプターの巨大さで有名な旧型Xbox 360ほどではないが、ACアダプターのサイズはかなり大きい。

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