昨年5月に発表されたAMDの低電力CPU「Geode NX 1750@14W」のサンプル版がアキバに登場した。入荷したのは高速電脳。ただし、具体的な入荷予定や価格は未定となっている。
AMDの低電力CPU「Geode NX 1750@14W」のサンプル版。OPNは“ANXS1750FXC3S”となっている |
“Geode NX”は小型PCなどの工業用向け低電力CPU。今回サンプルとして登場した「Geode NX 1750@14W」のほか、「Geode NX 1500@6W」「Geode NX 1250@6W」の2モデルが用意されている。同CPUについては昨年12月に日本エイ・エム・ディが説明会を行っており、それによると「要するに“Geode NX”は、モバイルAthlon XP-Mである。コアには第7世代Athlonコア“Thoroughbred”を採用し、CPUパッケージは462ピン(Socket A)のOPGA。パワーマネジメント機能である“AMD PowerNow!テクノロジ”と、3Dグラフィックスやマルチメディア向け拡張命令である“3DNow! Professionalテクノロジ”を搭載する」という。
「Geode NX 1750@14W」。AMDによると“Geode NX”は、モバイルAthlon XP-Mということ。ただしクロックはモバイルAthlon XP-Mより低い | 裏面。CPUパッケージは462ピン、いわゆるSocket A対応のCPUだ |
主な仕様は、製造プロセスが0.13μm。キャッシュメモリーは1次キャッシュが128KB、2次キャッシュが256KBで、FSBは266MHz。動作クロックは「Geode NX 1750@14W」で1.4GHzとなるほか、「Geode NX 1500@6W」が1GHz、「Geode NX 1250@6W」が667MHzとなり、動作電圧はそれぞれ1.25V/1.1V/1.0Vとなる。さらに製品型番にも採用されている消費電力は、文字通り「Geode NX 1750@14W」で平均14W(最大25W/いずれもTDPの数値)。「Geode NX 1500@6W」と「Geode NX 1250@6W」で平均6W(最大9W)という低い数値となっている。ちなみに、下位の2モデルについてはファンレスでの動作も可能ということだが、「Geode NX 1750@14W」ではファン付きのクーラーが必須とのことだ。
高クロックCPUに話題がいきがちな秋葉原だが、低クロックでありながらも低電圧CPUの人気は高い。そういう意味でも発売が待たれる製品だが、冒頭でも触れたように入荷時期は未定。日本エイ・エム・ディの発表通りならば、TYANが開発中というGeode NX対応マザーボード「TYAN S2498AGN」とともに3月から発売されるという。その頃になれば、もしかしたら秋葉原の街に出回る可能性も高そうだ。
左が「Geode NX 1750@14W」、右が「モバイルAthlon XP-M 1700+」。刻印がなければ、ほぼ見分けはつかない | 12月のAMDによる説明会で展示されていたGeode NX対応マザーボード。左がAMDのリファレンスマザーボード「DB1500」、右はTYANの「S2498AGN」 |