【LinuxWorld Expo/Tokyo 2002レポート】(その3) SourceForge.jpのコンパイルファームにMac OS Xが追加!
2002年05月30日 20時39分更新
VA Linux Systems ジャパン(株)は、アップルコンピュータ(株)と共同で、SourceForge.jpが運営するコンパイルファームに『Mac OS X』を搭載したPowerMac G4を用意したことを発表した。
記者発表は、LinuxWorld Expo/Tokyo 2002のVA Linux Systems ジャパン(株)ブース内で行なわれ、アップルコンピュータ(株)プロダクトマーケティング部の鷲滝薫氏が『Mac OS X』と、同社新製品のラックマウントサーバ『Xserve』を紹介した。
アップルコンピュータ(株)プロダクトマーケティング部 鷲滝薫氏 |
『Mac OS X』は、FreeBSD4.4をベースに開発されたOS。カーネルである『Darwin』はオープンソースで開発されている。FreeBSDベースの安定したシステムと、独自のグラフィックシステムが大きな特徴だ。また、UNIXではそれほど用意されていないオフィススィートやサウンド、グラフィック、ゲームなどのアプリケーションが豊富に選ぶことができる。
開発は98年頃からすでに開始されていたといい、十分に安定したシステムを提供できるとしている。システムは、コアとなるDarwin、グラフィックス、フレームワーク、GUIの4階層からなる。カーネルには基本的なコマンドやライブラリ、デーモンが用意されるほか、Emacsなどもビルトインされているという。また、フレームワーク部分にはJava VMが標準で実装されているほか、ライブラリを共有してアプリケーションを高速に実行する機能などが搭載されている。
新製品『Xserve』は、アップルコンピュータとしては初のサーバ専用ハードウェア。1Uラックマウントサイズに、PowerPC G4-1GHz×2、最大2GBのメモリ、最大512GBのハードディスク、ギガビットEthernet2ポートなどが装備されている。価格は37万4800円からで、12万4800円の3年間サポートパッケージも販売される。
続いて、VA Linux Systems ジャパン(株)OSDN事業部チーフマネージャの佐渡秀治氏が、SourceForge.jpコンパイルファームの紹介とデモを行なった。
VA Linux Systems ジャパン(株)OSDN事業部チーフマネージャ 佐渡秀治氏 |
SourceForge.jpは、米OSDNと提携したオープンソース開発者向けのサイト。CVSサーバやコンパイルファーム、メーリングリスト、BBSシステムなどを無償で利用することができる。これまでコンパイルファームには、IA-32アーキテクチャ上のLinux(カーネル 2.4)とNetBSD 1.5.2が用意されていたが、今回新たにPowerMac G4と『Mac OS X』が追加されたことで、『Macintosh』シリーズのユーザーコミュニティとオープンソース開発コミュニティを結びつけることが可能になることを期待しているという。
デモでは、実際に『Mac OS X』上でC言語のプログラムをコンパイルし、実際に動作するようすを見ることができた。
コンパイルファームの選択画面。『Mac OS X』が新たに加えられている。 |
入力した文字を大きくして表示するbannarコマンドをコンパイルして実行した結果。 |