米国のアマゾンが2007年11月に米国で発売した電子書籍リーダー「Kindle」(キンドル)。前編に続いて、後編では私が感じた問題点と、Kindleの展望について述べてみたい。
電子書籍は「自慢」できない
前編ではあれこれ褒めたKindleであるが、すべてに満足しているわけではない。
まず、電子書籍に全般に共通する問題が上げられる。根本的に、電子書籍と普通の書籍は「絵に描いた餅」と「本物の餅」ぐらい違うように感じられる。Kindleで「情報」は管理できるが、「本」は扱えない。
所有することに自己満足したり、他人に見せて自慢したりといったジマンパワーをまったく発揮できないのは、電子書籍の根本的な問題だといえるだろう。
世の中で本棚というものが広く使われているのは、誰もが無意識にジマンパワーを発現させているからだ。本は中身(=中に書かれている情報)だけあればいいというのであれば本棚など必要ないだろう。本を買って保有するという「満足度の問題」は、あらゆる電子書籍に共通の課題だと思う。