アニメビズ10大ニュース(6) 一ツ橋グループ 仏独アニメ流通会社買収
小学館、集英社、小学館集英社プロダクションの3社は、2009年8月にヨーロッパで日本アニメ事業を行う有力企業KAZEグループ(フランスKAZE、ドイツAnimeVirtual)を買収した。3社が出資する北米のアニメ・マンガ事業のVIZ Mediaのヨーロッパ子会社であるVIZ Media Eur
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北米に続きヨーロッパでも、100%子会社による直接ビジネスに乗り出す。DVDなどの映像パッケージ、インターネット配信、マンガ出版などを展開する。これまで小学館、集英社はヨーロッパ地域ではライセンス販売によるビジネスを行ってきたが、直接進出でより高い利益を狙う。
日本のアニメ、マンガ、ゲームの海外の売上は、海外での人気の高さに較べて少ない傾向がある。これは海外ビジネスの多くは、日本からライセンス獲得した現地企業が大半のビジネスを行っているためである。
日本企業がより多くの売上、利益を得るには、現地進出が不可欠となる。しかし、現地進出の鍵となる流通は短期間では築けない。2009年は、この問題を現地企業の買収 M&Aで解決する動きがコンテンツ産業で活発化した。
アニメでは、一ツ橋グループ(小学館、集英社、小学館集英社プロダクション)によるKAZEグループ買収のほかに、2009年1月に東映アニメーションが、香港の合弁子会社の現地企業出資分を全額買い取る動きもあった。
さらに、ゲーム業界ではバンダイナムコゲームスが、フランスのアタリ・ヨーロッパの流通部門、北米に開発・流通拠点を築いた数少ない日本ゲーム企業ディースリーを相次いで買収した。スクウェア・エニックスによる英国のゲーム会社Eidosの買収も、同社にグローバルな開発拠点、流通を提供することになった。
2010年以降も、日本のコンテンツ関連企業が、海外進出の際に現地企業の買収を選択肢に入れる可能性は少なくないだろう。