わが国屈指の有名貨幣商で販売された500円180度傾打エラー銭
みごとな傾打だが・・・
鑑定の依頼を受け調べてみましたところ、40~100倍程度の実体顕微鏡で加工痕を発見
画像からお分かりいただけますでしょうか?
ニコイチ物であることがわかりますか?
加工の無い通用銭の拡大画像はこちら↓
輪の内側をくり貫き精密に研磨された別個体をはめ込んでいるのがわかりますでしょうか?
この痕跡は熟達すればルーペでも違和を感じることは可能ですが、こうしたものを目にしたことのない人ではまず気がつかない加工の痕跡でしょう。
事実本品を販売したコイン商は知らない人はいないと言う有名店。
当時の古い所見でレベルもまだまだ低いものですが、参考までに
その後本品をX線透過撮影してみたところ驚愕の事実が判明いたしました。
まずわかりやすいように一般的な流通500円硬貨のX線透過撮影画像をご覧ください
表側と裏側の模様が透けて見えております
当然それ以外不自然な筋など加工の痕跡は見受けられません
ところが本品は・・・・↓
おや?当初の見立てどおりくり抜き嵌め込みの痕跡(最も外側の白い筋)は予想通りだがさらに内側にもう一筋、、、さらに中心付近にさらにひとつ小さな円影が見えるではないか!
さらによく観察してみると50円白銅貨のような文様とさらには10円青銅貨の常盤木柄も観察できるではないですか!!
実はこれ2枚の500円玉を削り1枚は蓋に、1枚はケースにしさらにその中に薄く削り500円玉ケースの中収納できるよう加工した50円白銅貨(額面側面)と同じく薄く研磨した10円青銅貨(額面面)を忍ばせてあるのです!!
これには流石に驚きました
最初はどこぞの何者かが単純に贋作エラーを作って一儲けを企てたに過ぎないと思っておりましたが内部に忍ばせた50円玉と10円玉は製作した本人以外誰にも気づかれることがない加工であります
一体何のため?
恐らくですがこの加工銭の加工工程は何らかの画像や映像で残され一部の贋作銭バイヤーなどへのデモンストレーション画像として自らの加工技術をアピールするために作られたものでは?
マイクロチップのようなものを国外に運び出す目的?と考えられますような同様銭(近日ご紹介いたします)など様々な加工銭を見てまいりましたが本品はそんな中でもダントツの加工銭のひとつでしょう
単純にくり抜き嵌め込み式の加工銭ですとさらに接合部を研磨したり潰したりして、拡大検視をしてもほとんどわからないさらに判別難易度の高い個体はごろごろございますが、本品は恐らく要望があれば開けて見せるつもりであえて接合面は未加工のままであったのでは?と思わざるを得ない一品でした。