今回は「シン・ゴジラ」(2016年)。公開当時話題になっていた本作ですが僕は先日初めて観ました。
"shin godzilla" Photo by inigo_montoya_es4
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「シン・ゴジラ」は政治を舞台にした人間模様を中心に据えています。
そこが斬新ですね。
オタク的専門用語?のマシンガントークも字幕なしには追いつけませんが目新しかったです。
ゴジラという前例のない未曽有の大災害に突然直面した日本の融通が効かないシステムにはイライラさせられますが、この辺も皮肉が効いている。
右往左往する政治家達、縦割り行政の弊害で会議が踊りかけたり、東京一極集中問題。
アメリカとの関係等々…風刺劇としても興味深い作りです。
ゴジラ出現後の政府の動きとか、リアリズムにこだわっているのが伝わってきます。
東京で核兵器を使いたがる国連安保理と多国籍軍に対して矢口(長谷川博己)は核兵器を使用される前にそれ以外の方法を模索する。
この辺りの緊迫感もよかった。
"shin-godzilla-movie-review-4-" Photo by BlogVisual
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演技派俳優たちが豪華勢ぞろいで、迫真の演技に引き込まれます。
が、途中で登場したアメリカ側の特使が石原さとみ。…?
演技もですが、特に彼女の英語の台詞がめちゃめちゃ気になる…。
?リアリズムじゃなかったの?と僕は困惑気味になってしまいました。
せめてネイティブスピーカーの役者さんの方が…。
さらには最初おもしろかったマシンガントークによる疲労が蓄積した上に、終盤の山場・ヤシオリ作戦実行の場面でパチンコ屋でかかるような音楽と往年のロボットアニメのような展開…。
前半が良かっただけに残念。
というわけで僕はハマりませんでしたが、それでも「シン・ゴジラ」は意欲作だと思います。
さて、本作公開から7年が経過。コロナ禍をはじめ色々ありました。
「シン・ゴジラ」は日本の技術力で難局に対処するお話でもあるのですが、現実はそれを支える人材育成や中小企業があまりにないがしろにされているんじゃないか?と。
そしてリスクマネージメントの緩すぎるこの国は未曽有の事態に対応できるのか?…と改めて考えさせられました。
この映画さえ理想のファンタジーに思えてしまったな…。