確かに、危険運転致死傷罪を適用すれば、懲役15年。さらに道路交通法違反などの併科で20年超の懲役も可能になります。今回の福岡の幼児3人死亡事故は、ひき逃げや飲酒の隠蔽など悪質であり、厳罰に処すべきという意見も同意します。

が、自動車運転に関してだけ刑罰が特に重くなっている状況は事実としてあるでしょう。傷害致死や殺人の量刑が軽すぎたんだ!的意見がありましたが、それに関しては私は持論としては十分に重いとは思いますが、それは別にしても、事実として傷害致死や殺人の量刑が、危険運転致死傷罪に比べると軽いという現実があるわけで、これでは法の下の平等とは言えないわけです。

量刑というのはそういうものです。量刑相場というのは突然に重くなっては不公平なのです。これは裁判の原理原則であります。私の裁判でも、仮に有罪としても粉飾のやり方が損失隠蔽型ではなく、成長仮想型だから悪質であり、量刑も重くするんだ、という論理で攻められました。しかも判決では、成長仮想型かどうかは別にしても、ライブドア事件だけは悪質なんだ、と決め付けられたのです。だから、証券取引法違反の量刑相場からいえば実刑は比較するとかなり重いけれども、実刑なんだと言われました。
ライブドア事件は悪質という図式の多くは、私が拘置所に閉じ込められているときに、嘘の情報も含めてマスコミが悪のイメージを作り上げたから、と言える部分も大きいと思います。だけれども3年たって冷静に考えれば、どうだったのか?やはり、事件直後という時期の問題やマスコミ報道で悪いというイメージで世論は動きますから、量刑は重くなりがちです。裁判所は世論の動きを気にしがちです(もちろん、それに流されない人もいますけど)。ですから、量刑相場というのは大事なわけです。大きく逸脱することは、正義に反します。ゆっくり社会全体の合意を取りながら、立法して判例を積み重ねていくというのであればいいとおもいますが、一時の感情だけで厳罰化というのはよくありませんし、結局ツケは最後に国民に戻ってきます。

そう、犯罪人は悪人という前提ですから、多くの人は擁護してくれません。擁護してくれるのは、過去に冤罪にあった人や、弁護士、あとは司法に詳しく社会問題だと考えている人たちでしょうか。悪人だからといって、量刑は重くてもいいんだ、と考えるのは間違いです。あくまでもバランスが大事なのです。

一審判決のように業務上過失致死傷罪と道路交通法違反の併科のMAXである7年半の懲役を課すくらいなら、妥当と思いますが、いきなり20年というのは数年前まで、2,3年程度の懲役で済んでいたことから考えるとあまりに急な量刑の強化だと私は思います。

もっと時間をかけて議論すべきだし、法律の改正に関しても被害者の感情ばかりを汲み取ってやるのではなく、あくまでもバランスを考えて立法すべきと考えます。
批判覚悟の上です。こんなことを書いて私自身が得することは全くありませんが、不本意ながら司法の世界にどっぷり足を突っ込んでしまった人間からのメッセージです。

さてさて、かんぽの宿問題ですが、野党チームが西川社長を刑事告発するそうです。

野党チーム、西川日本郵政社長を告発へ…かんぽの宿売却問題

まあ、告発したところで東京地検が受理はするでしょうが、それから具体的に捜査し立件まで持っていくかどうかは微妙でしょうな。というか、告発行為そのものを政治的に利用しようという野党の思惑が見え隠れしますね。こういうことすると返り血を浴びたりしがちですが、そうならないように注意したほうがいいかもしれませね。なにしろブーメラン得意ですから>民主党。
しかし、こんなんで本当に立件されたら、民間人は誰も政府系企業の民営化などに関われませんね。怖くて。で、天下り官僚の巣窟になってしまうんでしょう。なんというか、本当に官僚支配の構造を改革しようという気があるんでしょうかね?>民主党。政権交代さえやれば、それでいいのか?

全然関係ないですが、先日話題にしたセシールネタ。

セシールのTVCMに関する長年の疑問が解消!

例の郵便詐欺の責任とかセシール経営陣はとったりするんでしょうか?親会社のLDHは?知らなかったで済ますのかな?

最近買った漫画↓




ドラゴン桜外伝だそうです。

あ、あと、5.18(mon)堀江貴文&ひろゆき・トークライブ「徹底抗戦ナイト」のニコニコ生放送やります!会場は100名程度しか入れないのでチケット入手困難だったと思いますが。。